「童話の国からこんばんは」 りんね

1月1日

*NHF紅白歌合戦

 昨夜は、ついにNHF紅白歌合戦の本番だった。

 私は、今回初めて紅白のリーダーを務めさせていただいた。
 チームが動きだした頃は、どういう風に作っていけばいいか、どうやってまとめ上げるか、定めることがとても難しかった。
“一体、12月31日の本番までに、何かが形になっているのか?”
“よしえちゃん、まよちゃん、さやねちゃん、さくらちゃん、ななほちゃん、という、自立した尊敬すべき大人のいるメンバーに、相応しい演出を作ることができるのか?”
 最初の3日間くらいは、みんなと話し合いつつも、がっちりと方向性が定まらず、不安でいっぱいになった。

 風向きが変わったのは、夜の集合のお話である。
 お父さんが、「シンデレラを演じるんじゃない」と言っていて、これだ!! と思った。

 さくらちゃんが出してくれていた、“ほめて ほめて 私を ほめて こんな自分、うっとうしい!”という台詞。これを、さくらちゃんがどろどろなシンデレラのその後になって言えばいい!

 そして、次はまよちゃんが出してくれていた、“なんで起きなくちゃなんないんだよ!”という台詞。これは、まよちゃんに眠り姫になってもらって言ってもらおう!

 私は、自分の存在が恥ずかしいこと。一人ぼっちで屋敷に閉じこもった、野獣になって言おう。
 と、ここまで順調だったけれど、全員の台詞がすいすいと決まったわけではない。難しかった子もいる。
 けれど、よしえちゃんが仕事の合間に、“天上天下唯我独尊。失敗を恐れない正しい正義と意志を持ちたい”という力のある言葉を考えてくれた。これは、きっと面白くなるという予感がした。

 そして、本番5日前になって、ようやく全員の台詞を完成させることができた。
 テーマは“童話の登場人物になって吐き出す”。夜に集まって、みんなに読んでもらうと、みんな笑顔になって、とても喜んでもらえて、本当に嬉しかった。
 次の日に替え歌の歌詞の叩き台を完成させ、これでやっと、練習に入ることができるようになった。

 それからは、まよちゃんに演技指導してもらい、みんなで間奏や後奏の演出を考えた。よしえちゃんとまよちゃんが、素敵なコーラスも作ってくれた。土台があれば、みんなの力でどんどん育てていくことができた。

 最初から最後まで形になったのは、リハーサル前日だった。しかし、リハーサルに出られたメンバーでは、すごく笑ってもらえたまよちゃんやさくらちゃんと、完全にしーんとしていた私と、ささやかに笑いが起こったななほちゃんがいた。
 もっと笑ってもらいたい! その夜、みんなで体育館に集った。まよちゃんの、誠心誠意の演技指導を受けて、もっと面白く台詞が言えるように特訓した。
 みんなで一人の台詞を変な声で言ったり、面白く作っていくのが、とても楽しくて、すごく笑った。

 とにかく毎晩、チームで少しでも集まっていたことも、良かったと感じる。
 本番も、今まで練習してきたもの、みんなで目指していたものを、出し切ることができて、嬉しかった。
 衣装も、華やかで、お姫様たちがこれ以上なく似合っていて、とても嬉しかった。

 NHF紅白歌合戦全体は、実行委員さんの寸劇から始まり、みんなが自分を捨てて演じきっている姿を目の当たりにした。
 私は正直、“え、そんなこと、言って大丈夫なの?”と思うくらいのことがあった。でも、紅白では大丈夫だった。
 きっと、誰かを傷つけることでなく、面白ければ、なんでも大丈夫なのだと思う。

 みんなを見ていて、生来からか、すっと演じられる人の存在に気づいた。
 例えば、私と一緒のチームだったまよちゃん。
 まよちゃんは、私のチームの全てのキャラクターに、瞬時になりきることができた。それに、実行委員でのバーンスタインの演じっぷり。
 面白いだけでなく、演じ切っている姿がかっこよかった。
 練習時間はごく短くとも、台詞はよどみなく、こうして演じ切れる人たちが、かっこいいなあと思った。
 私自身、少しずつ演じることに柔軟性がでてきている。いつかまよちゃんたちのように、いつでも演じ切れるようになりたい。

 また、さきちゃんチームの“野菜時代”は、慣れている人も慣れていない人も、全員が完全に淀みなくなりきっていた。これは、練習の賜物だと感じた。
 残念なアイドルの、えったんにのえたん。紛うことなきアイドルオタクの前田あつおに大島ゆういち。唯一の突っ込み役、アルバイトのどれみちゃん。
 今思えば、ものすごく洗練されていたと分かった。
 やりたいことがはっきりしていて、練習も一直線に積み上げていけば、こうして演じられるのだと感じた。
 私も来年は、野菜時代のように、演じたい。

 みんなの舞台に、お腹を抱えてたくさん笑った。
 自分の考えも改まった。“紅白に、一番必要なのは、笑いだ!”
 私は、笑いもあるけれど、上品に、美しく、まとまりがあって、完成度が高いものを作ろうとしていた。

 もちろん、今回“童話の国からこんばんは”のチームのみんなと作ったものは、とても誇りに思う。作る過程は思い切り楽しかったので、みんなにとってきっと、良かったと思う。
 でも来年は、もっと笑いが詰まった、面白い舞台を作りたいなあと思った。これからまた、いいネタを探して一年を過ごしたい。

*元旦

 なのはなの元旦が、今年もやってきた。
 良かった。なのはなで元旦を迎えられて。

 みんなで作ったおせちを、お父さん、お母さんと一緒に食べた。
 長幼の序で、一人ひとり抱負を言ってお屠蘇を飲んだ。
 私は、「自分の未熟さを自覚して、謙虚に、でも、いつも明るく朗らかに、みんなの波に乗って成長したい。また、スピード感のある仕事ができるようになる」ということを言った。
 お父さんに、「いい目標だと思いますよ。一生懸命な気持ちが、結果に結びつくようにね」と言っていただいた。

 それから、お父さんのお話を、聞かせていただいた。改めて、摂食障害となって、なのはなに来た意味を教えていただいた。
 お父さんやお母さんの気持ちをしっかりと身にして、役割を実行できるように、なのはなで精進していきたい。

 そして、みんなで諏訪神社へ、初もうでに行った。
 田んぼが雪に覆われ、真っ白になっていて、晴れ渡った空の元、心地よくみんなと列をなして神社へ向かった。
 お父さんに教えてもらった、二礼、二拍手、一礼をして、神様にご挨拶をして回った。
“昨年は、ありがとうございました。今年もよろしくお願いします。みんなにとって、いい年でありますように”
 清々しく、神々しい諏訪神社の中で、心が洗われるようだった。
 なのはなで初もうでに行けることが、本当に幸せだと感じた。

 午後は二人羽織で遊んだ。さくらちゃんとペアになって、さくらちゃんが箸を持ち、初めて高得点を出すことができ、名人ペアとして出場できてとても嬉しかった。

 夜は一番楽しみにしていた、お父さんお母さんの新年ライブがあった。
 お話の中に、「金銀財宝のようなことばかり言う人に囲まれて育てば、自分の中に宝物が積みあがっていく」という話があった。
 それはまさに、なのはなのお父さんお母さんや、スタッフさんや、みんなのことだと思った。なのはなでお父さん、お母さんたちの言葉を、まっすぐに心に貯めていきたいと思った。
 また、いい小説もたくさん読んで、内側から変わっていきたいと思った。今年は、高田郁さんの小説を全部読もうと思う。

 お父さんとお母さんの、大好きなフォークソングと、質問を交互にたくさん、たくさん聞けて、嬉しかった。
 また、“福男、福女”のコーナーで、くじで当たったせいこちゃん、みつきちゃん、ななほちゃんへ、お父さんお母さんから今年の展望を聞かせてもらうときも、とても嬉しかった。
 3人とも、自分のことのように感じた。なのはなで、みんなの波に乗っている、仲間なのだと感じた。
 私はせいこちゃんのシスターをさせてもらった。せいこちゃんは、本当に謙虚で純粋で穏やかで面白くて、優しい。せいこちゃんが前向きに、ずっとなのはなにいてくれることが、本当に嬉しい。

*2日

 2日目は、書初めと百人一首をして遊んだ。
 書初めは、お父さんに「もっと自信を持って力強く書くといい」と教えてもらった。
 私は左利きだが、そのときは右手で書いていた。今回は“有情”という字で、左払い、左跳ねが多いので、左手で思い切って書くと、まっすぐに筆を下ろすことができた。
 最後は淀みなく字をかけて、嬉しかった。
 また、抱負の字は“明朗”と大きく書けたので、嬉しかった。

 習字は得意ではないが、字を書くということの魅力が奥深く、集中して書けた。もっと、書きたいなあと思った。
 みんなで書き初めをして、みんなの抱負もリビングに張り出されて、気持ちがよく、嬉しかった。

 百人一首の散らし取りは、緊張していた。でも、これだけは取る、という歌を決めて、確実に取ることができて嬉しかった。
 特に、“かささぎの 渡せる橋に置く霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける”という歌が好きなので、2回ともとることができて、嬉しかった。
 百人一首をすると、またみんなで、和歌を作りたいなあと思った。

 夜はセブンブリッジの実行委員をした。
 私のリーグにはあゆみちゃんと、たけちゃんがいた。たけちゃんが眠たくてぐずっていたが、のりよちゃんが上手に寝かしていて、かわいらしかった。
 集計係もしっかり行うことができて、よかった。

*3日

 3日目は、午前に彫刻粘土で、自分の頭像作りをした。
 お父さんに粘土の話をしていただいたときは、楽しそうだと思っていたが、やはり緊張していた。
 今回の制限時間も、2時間と短かったので、覚悟を決めて制作に臨んだ。

 最初はとにかく、スピードを出してどんどん土台を作っていった。次に、顔の輪郭と、頭の形を作った。
 作品のテーマは“希望”ということだったので、顎を上げて、少し上を向いているようにした。
 正面、斜め、横、後ろ。どこから見ても、バランスが取れるように形を整えた。自分の顔を見ながら作っていくので、自然と骨格や肉付きが自分のようになっていって、面白かった。

 土台が確実に決まったら、次は目や鼻や口に取り掛かった。これは、頭像作りの実行委員さんが用意してくれた、割り箸を削ったヘラが、とても重宝した。割り箸があれば、十分なくらいだと感じた。
 顔がおおむね出来上がると、水を少しつけて、肌の表面をきれいにする。
 出来上がった表情は、最初にイメージしていたものとは違ったけれど、希望のある表情になった。
 何となく、これは今読んでいる小説のお澪さんの表情なのではないかと感じた。

 最後に、髪の毛を頭に張り付けて、また形を整えて、ヘラで線を描いていった。今回はそれとなく髪の毛を作れたけれど、本当はどうやって髪の毛を作るべきだったのだろうかと感じた。
 髪の毛だけでなく、頭像を作るときの、彫刻の正しいやり方があると思った。
 今回私は、ある面から見ればよいが、別のある面から見れば、なんだか目のあたりが平面的でおかしくなってしまった。
 目の周囲をもっと凹ませて、眼球に少し丸みをつけたらいいのかもしれない。

 でも、お母さんも言っていたように、約2時間、粘土に一筋に集中することができて、清々しい気持ちになった。こんなに安心して、みんなの中で集中できることは、とてもありがたいと思った。
 みんなの作品も見られて、美術館に来たような気持ちになった。頭像作りは、とても楽しかった。

 午後はこま回し、羽根つきをした。
 こま回しは、私は今回、手回しゴマをちゃんと回すことができるようになって、嬉しかった。
 投げごまは出来ないので、みんなの試合を見ていると、本当にみんながすごいなあと思った。
 違うチームだったけれど、なるちゃんが毎回必ず、投げゴマを美しく回していて、3回くらい一番になっていた姿を見て、嬉しくなった。
 いつか私も、できるようになったらいいなあと思う。

 羽根つきは、私はあまりペアの子と、息を合わせることができなかった。その子とは、去年は羽根つきをペアでしたとき、最初はできなかったけれど、最後には70回はつけるようになっていた。
 だから、本当はできるはずなのに、今回はなぜか続かない。せいぜい38回で、成長がなかった。
 最後になって私は、去年に比べて、自分の謙虚さが欠けていたことに気づいた。やはり、もっともっと励ましあって、「できる、できる」とお互いの気持ちを合わせることが必要だと感じた。
 三が日で一番悔しかった。でも、みんなに墨入れをたくさんしてもらって、嬉しかった。

 夜もまた、セブンブリッジがあった。今回は実行委員の寸劇に加え、応援もあり、緊張したけれど、楽しかった。
 集計に行ったリーグで、「お祓いして~」と声をかけてもらって、「モーモーモーモー、ポン!」とお祓いできたことが嬉しかった。

 結局、青チームが最下位になってしまったが、罰ゲームはとても面白かった。
 なるちゃんが、告白されたときの「えっ」、という言葉を表情をつけて言っていて、あまりにかわいらしくて、ときめいた。なつみちゃんと手を取って喜んでしまった。
 今回の罰ゲームは、まきちゃんが教えてくれたゲームがもとになっていて、またやりたいくらい、面白いなあと思った。

 三が日はあっという間に過ぎていった。とても楽しかった。
 今年のお正月は、お雑煮やおせちなんかも、味に親しんだのか、今までで一番おいしく感じた。
 また、遊びも、今までで一番安心していたかもしれない。いい三が日を過ごすことができて、とても嬉しかった。

 4日から、またいつもの生活が始まる。真面目に、一生懸命、スピード感を意識して何事も行ないたい。
 本もたくさん読みたい。今年も、とても楽しみだ。