【12月号㉓】「ヒノキの皮むき ―― 樹齢六十年の木に触れて ――」 さくら

 盛男さんのおじいちゃんの山で、伐採チームのみんなが切り出してくれたヒノキの皮むきがはじまりました。おじいちゃんが植林されてから六十年になる大きな木は、何が詰まっているのだろうと思うくらい、重たくて、土と水と空気と太陽と小さな生き物から、こんなに大きなものが作られて、まっすぐ立っていることを想像すると、ビックリしました。

 木の皮むきは、木が水分を吸っている十月頃までが剥きやすいそうで、寒くなってきて、木と皮との間に水分がなくなると、?きにくくなると教えていただきました。みかちゃんが剥き方を教えてくれました。

 ナタ、またはノミ、を木と皮との間に入れて、ペリッペリッとてこの原理で剥いていきます。みかちゃんが木に腰掛けながら剥いていく姿が、職人さんみたいで、かっこよかったです。四メートルにカットされた木を、一人一本ずつ剥きました。全部で四十五本ほどありました。

 木と皮との間に水分がなくなってきていて、剥きにくくなっているため、地道に少しずつ剥いていきました。皮を剥いたところから、水分がじわーっと出てきて、本当に、この隙間を水が通っていくんだと思いました。

 剥いていると時々、木の水分を浴びることがあって、とても気持ち良かったです。一本一本剥きやすさが違いました。白い皮が少しも残らずにツルツルに剥ける木はとても気持ちよかったけれど、なかなか木肌が見えてこないくらい固い皮の木も、地道に綺麗にしていくのが面白かったです。

 お父さんが、医者で人の皮をはいだことのある人はたくさんいるけれど、木の皮を剥いたことのある人は少ないと教えてくださいました。木に夢中になっているとき、とても楽しくて、でも、今は機械でやることが多いのかなと思い、少し悲しかったです。

 ヒノキの木に腰掛けて、ヒノキの香りを嗅ぎながら、顔を近づけて作業するのが気持ちよかったです。

 お母さんが、来年は建築の年になると教えてくださいました。古吉野なのはなの中庭に渡り廊下と東屋をおじいちゃんの山からいただいた、このヒノキの木で建てられることが、ありがたくて、嬉しいです。