【12月号⑳】「選別隊始動! エゴマふーふー作戦」 なつみ

 今まで、丸いエゴマの性質を利用して行っていた、トレーを傾けての傾斜方式が通用しない。

 エゴマ選別隊は途方にくれました。四百グラムのヨーグルトカップすり切れ一杯を二人で三時間かけて選別する。今までにない格闘を繰り広げた末の結果は市販の豆腐が入ったパックすり切れ一杯。(三時間でこれだけか)このままでは、年を越しても荏胡麻の選別は終わらないことでしょう。

 そこで、新たな選別方法をお父さんが発明しました。

 その名も、『荏胡麻フーフー作戦』。

 一番ごみが飛びやすいカーブを描いた、少し浅めのお皿を武器に、荏胡麻の小さな葉を息で飛ばします。ごみと一緒に、中身の入っていない軽めの荏胡麻も一緒に飛んで、品質向上にもなり、一石二鳥です。大きなごみが無くなることで、荏胡麻に色や大きさが似ている石なども見分けがつき、取り除くことができるようになりました。

 

 

 ある天気のいい日は、みんなと中庭に出て、真っ白なベンチで息を吹きかけてごみを飛ばしました。お日様がポカポカで気持ちよかったです。

 息の強さや量、皿の角度、飛ばしたいごみが今どこにあるか、究極のところまで極めたらかなり神経質な仕事で、それを適度な質とスピードでというのを求めていくのもまた、面白さの一つだと思いました。

 わたしが良いと思ったのは、お皿を小刻みに揺らしながらごみを飛ばす方法で、お皿を揺らすと、ごみがなぜか外側に出てきて、簡単に飛ばせるようになります。

 途中で「それいいね」とゆきなちゃんが声を掛けてくれました。一緒に小刻みにお皿を持つ手をブルブルさせていると、ゆきなちゃんとお皿を使って交信しているみたいだと思って、嬉しくなりました。いい方法を、みんなで探し求めていくのは楽しかったです。

 少し離れたところで、サツマイモのけばけばした皮を取っているみんなや、サツマイモ洗いをしている人たちが「あそこだけなぜか違う村に見える。優雅だね」と話していて、この真っ白なベンチのおかげで、優雅に見えるんだなと思いました。

 荏胡麻フーフーをしている私たちは必死に呼吸をしてごみを飛ばしているのです。優雅に上品に息を吹きかけているのではありません。ずっとごみを目で追いかけて、ひたすら息を吹きかけるのです。皿上で鬼ごっこしているといっても過言でありません。ごみを吹き飛ばした瞬間は、気持ちがいいです。ごみ一つ減るだけで、お皿の上はきれいになったように感じます。

 

 

 みんなに助けてもらって、何とか『エゴマフーフー』の段階は完了させられて、これからは大詰め『傾斜方式』。スピードも重要だけれど、何より質。

 炒れば、より一層香りや風味が良くなり、おにぎりのごま塩が荏胡麻だと、普通のゴマの何倍も上品に、おいしく感じます。おいしくいただけるように、質良くテンポ良く、選別に精を入れていきたいです。