【12月号⑭】「小さな種から芽吹いた命 ―― コマツナの収穫 ――」 やよい

 下町川上に植えられている小松菜の収穫を行いました。

 草丈二五センチで、茎の太さ一、五センチほどの太い茎で、葉はつやっとしていて、緑濃く立派な小松菜です。

 下町川上入って、入り口側に小松菜の畝は二畝あり、一畝目が第一弾、二畝目が第二弾となっています。それぞれ千三百株ずつ植わっていて、一、二弾合わせ二千六百株あります。

 

■小さな種 

 小松菜の種は、株間十センチ、条間十五センチと今までよりも幅を狭くしました。

 株と株の距離も近くして、密植させることで、(隣にいる株よりも大きくなるぞ!)という風に小松菜に競争心を芽生えさせ、より早く、そして大きく立派な小松菜に育てさせる目的がありました。

 小松菜の種は非常に小さく一ミリあるか、ないか、それくらいのサイズで種を指でつかんで、一差し指でへこみを付けた部分におくと、畝の土の粒よりも小さくて、この小さな粒から芽が出て、小松菜に育つことが奇跡のように思えました。

 十センチ感覚で一差し指でへこ二、三ミリほどつけて、種を二粒おいて、豆腐パックに入った種蒔き倍土をティースプーンで、スプーンの面積の三分の一くらいの量をすくって、種の上にのせて上げます。ほんとうにちょっとだけ、スプーンで覆土した倍土をちょこっと押してあげて、その上に保水目的で籾殻くん炭をふりかけをかけるようにかけてあげます。

 種蒔きメンバーと行う種まきは、風の音や、鳥音しか聞こえずとても静かで、集中した研ぎ澄まされた空気があり、神聖な儀式のようにも思えます。

 一弾の種を蒔くと、種は四日ほどでほぼ発芽して、これからの成長が順調にいくように思えました。が、ハムシ被害にあってしまい、本葉を出す前の葉の大きさが一センチにも満たない小さな双葉の頃に約六割の株がくわれてしまいました。葉の半分以上が大胆に食われてしまいその姿がとてもショックでした。

 担当者えつこちゃん、つきちゃんと相談して、べたべたして動けないようにデンプン防除や、刺激の強いにおいで近づかないようにトウガラシと焼酎の入ったストチュー防除を行いました。

 第二弾は、早期防除対策のおかげか、一弾ほど被害はありませんでしたが、それでも全体の四割ほどは生育に支障が出るほどハムシ被害にあってしまいました。

 小松菜は、本葉二枚のときと、五、六枚のときとで、二回追肥と土寄せを行います。

 いつもなら、鶏糞をあげるのですが、今回は鶏糞をあたえるとさらに虫がよってくることを懸念して、化成肥料をあたえました。

 

 

 そんな厳しい環境の中でも、第一弾は四割、第二弾は六割ほど生き残って、そして、その生き残った株たちが艶がのった奇麗な緑色をした立派な小松菜に育ちました。難しい環境で生き残ったからこその奇麗さがあるのかもしれません。

 今は、防虫ネットが、窮屈にも見えてしまうほど大きくなっています。

 種蒔き後のことを考えると今こうやって収穫できていることが本当に嬉しいなと思います。