【12月号①】「なのはな秋の大運動会! ―― 走って、投げて、引っ張って、勝利を摑み取る」 つき

 気持ちよく晴れた三連休の一日目。朝食の席であゆちゃんが、「今日は特別な日にしようと思って、午後に運動会をして夜は皆で大イチョウを見に行こうと思っている。」と話してくれました。運動会は週末にすると噂で聞いていたので楽しみにしていましたが、まさか大イチョウも見に行けるなんて、すごく嬉しいサプライズでした。

 

 午後の二時五分、古吉野のグラウンドに全員が集合しました。なのはなファミリー友の会の永禮さんや土居さんも来てくださっていました。血液型のチームごとに色が決められていて、それぞれが自分の持っているものの中からチームの色を身につけています。A型は赤、B型は青、O型は白、AB型は黄色です。各チーム一列に並ぶと、きれいに色が揃っていて、それだけで気持ちが揃って団結力が増すように思えました。お父さんお母さんはB型チームで、青色のスカーフをお揃いで付けているのがとても素敵でした。私もB型なので、お父さんチームで戦えることになり、少し緊張しましたが、勝ちにこだわるお父さんに付いていけば絶対優勝できる! と思えて、さらに気合いが入りました。そしてりゅうさんもB型チームに入ってくださっていて、これで怖いものなしという気持ちでした。

 

■多種目リレー

 一種目目は多種目リレーです。九種目あり、チーム内で得意分野を活かして誰がどれに出場するかを決めました。一番目はおんぶ走り、二番目は二人一組で向かい合い、透明の風船をお互いの顔で挟んで落とさないように走ります。しかも用意されていた風船が透明だったので、相手の顔が目の前に間近にある状態でグラウンドを半周しなければなりません。三番目は目隠し走り、四番目は王道の二人三脚、五番目はフラフープの中に二人で入り、手を使わずに体で突っ張り合いながら走ります。六番目は後ろ走り、七番目は米袋に入ってピョンピョン跳び。八番目はアリクイ競争、視野が狭くなるアリクイのようなかぶり物を被ってグラウンドを一周半ダッシュします。アンカーは全力ダッシュでゴールです。この多種目リレーを二回戦行ないました。

 

〈フラフープリレー〉

 

 B型の青チームは、やはりりゅうさんが大活躍。おんぶ走りではスタートから飛び抜け、一位で第二走者にバトンタッチ、さらにアリクイの視野が狭い状態でもものすごい速さで走ってくださいました。りゅうさんに負けず劣らず、お父さんお母さんも大活躍でした。特にすごかったのは二回戦目の風船です。お父さんお母さんペアは二チームも抜かす程、とても速くて、さすが息ピッタリでした。

 私は二回戦ともよしみちゃんとペアで、目隠しと二人三脚に出場させていただきました。目隠しは、自分がどこにいてどこに向かっているのかも何も分からず最初は結構怖かったのですが、よしみちゃんの誘導がすごく的確だったのでとても走りやすく、二回三回と練習をしていくうちにだんだんと怖さもなくなってきました。「まっすぐです! 左! 左! 今カーブです! まっすぐに戻ります!」というかけ声を横で終始言ってくれて私の目となってくれたので、よしみちゃんに絶対的信頼を置いてどんどんスピードアップしていける感覚がとても嬉しくて、すごく楽しかったです。

 チームの他のメンバーも適材適所でB型チームは二回戦とも一位でゴールすることができ、幸先の良い一種目目でした。

 

 

〈アリクイリレー〉

■難しいけれど楽しい

 二種目目はゲートボールです。ゲートボールは、個人的に苦手意識があったので少し不安になりました。B型チームでは最初にお父さんが実演をしてレクチャーをしてくださいました。そこで一発でスッと入れたお父さんがやっぱり凄いな、と思って格好良かったです。静かで真剣でありながらも盛り上がっている空気や喜んでいる声が各チームから聞こえました。そんな中、B型チームはというとなかなか入らず少し険悪なムード。青、白、黄色チームは順調に点数を稼ぎ、一回戦目が終わると点差は十点ほどでした。

 コートのせいもあるのではないかということで、二回戦目はコートを替えて気持ちも切り替えスタートです。少しコツを掴み始めたのか、一回戦目よりも入るようになりました。それでも思うように点数は稼げず、結局最下位で終わってしまいました。B型はあまりゲートボールは得意ではなかったみたいです。

 

 

 それでも、お父さんに教えていただいた通りに打つと、自信の無かった私も予想外にたくさん入れることができ、個人的にはとても嬉しくて楽しかったです。

 ゲートボールではO型とAB型が強かったようです。

 

■お父さんのアドバイスで

 三種目目は王道の玉入れです。一回目の対決の後、A型チームとO型チームが対戦しているのを見ていたお父さんが、「あまり高く上げずに、近くから低めに投げると良い」と教えてくださいました。そのアドバイスの通りに投げてみると、みるみるうちにボールが篭に入っていき、一回目の倍くらいの数を入れることができました。お父さんが見てすぐにポイントを掴んでくださったおかげで玉入れでもたくさん点数を取ることができました。本当にお父さんのおかげだったなと思います。

 

 

 玉入れで一番強かったのはA型チームです。篭から溢れ出てしまうほど、面白いくらい次々にボールが入っていきました。A型チームの皆がとても格好良かったです。A型のリーダーはソフトボールが得意ななおとさん。納得のいく結果だったな、と思います。

 四種目目は竹取物語。各チームから一回戦で五人ずつ出場します。そしてグラウンドの真ん中に並べられている十一本の竹をチームの陣地に多く取ってきたチームが勝ちという競技です。私は小学校のときにやったことがあったので、少し懐かしい気持ちがしました。

 

■諦めない気持ち  

 印象的だったのは、引きずられても最後まで諦めず粘っていた、さくらちゃんとゆいちゃんです。相手の陣地に竹が入るまで諦めず離さない姿が格好良かったし、なぜか可愛かったな、と思います。

 私もO型との対戦で出場させていただいたき、ゆいちゃんと同じチームでした。奪い合いになっているななほちゃんのヘルプに向かう時、ゆいちゃんも引きずられそうになっているのも見えていたのですが、「ゆいちゃん、ごめん!」と思いながら、近かったななほちゃんの方に加勢しにいきました。さらにもう二人加わって、四対二で二本の竹を奪い合い、最後は奪えたので皆で大喜びしていたところ、竹が五本しかないことに気付き、結果として負けていました。勝ったと思い込んでいたので、一瞬何が起こっているのか分からなかったです。ゆいちゃんが引きずられていた方も二本だったようで、負けてしまい、本当に悔しかったのと、ゆいちゃんに申し訳ない気持ちでした。それでも、何食わぬ顔で「楽しかった」と笑顔で言ってくれたゆいちゃんが強くてかっこいいな、と思いました。我を忘れてただひたすら竹を取り合うのがとても楽しかったです。

 

 

五種目目はフラフープを使った競技です。チーム全員で一列に手を繋ぎます。手を繋いだまま、端の人からフラフープを身体に通しながら次の人へ回していき、早くゴールしたチームの勝ちです。右隣の人の左腕から自分の右腕、頭、脚、左腕を通って左隣の人の右腕、頭、と次々に皆がくねくねしながらフラフープを回していく光景がとても面白かったです。やっている自分たちは必死だけれど、見ていると新しいダンスのような不思議で独特な動きがとてもコミカルでした。練習を少しさせてもらうと、どうしたらフラフープをスムーズに自分の頭に通して隣の人の頭に渡せるか、コツが掴めてきました。本番ではA型チームとB型チームの接戦となりました。結局、僅差でA型チームが一位となり、B型チームとしてはとても悔しい結果でしたが、少し気楽に休憩にもなった楽しい競技でした。

 

■力勝負・なのはな綱引き

 最終種目は綱引きでした。やはり、綱引きは力勝負。男性陣がいるチームは圧倒的に強かったです。決勝戦はA型チーム対AB型チーム。A型になおとさんと土居さんの二人、男性がいるということで、AB型チームに急遽りゅうさんが協力助っ人として参戦することになりました。AB型の女性陣もなかなか力持ちさんが揃っていて、そこにりゅうさんが入るとやはりかなり強く、みるみるうちにA型を引っ張っていきました。綱引きはAB型チームの優勝でした。

 

 

 全種目が終わり、緊張の総合発表。B型チームは、ゲートボール以外は良い成績だったので優勝が狙えるな、と思っていました。三位、四位が発表され、残るはA型チームとB型チーム。数秒の沈黙の後、「優勝は、あ……おチーム!(B型チーム)」というあゆちゃんの発表でした。玉入れでもゲートボールでも強かったAチームとかなりの僅差で、B型の青チームが優勝だったようです。その瞬間、跳んで手を合わせて大喜びしました。本当に嬉しかったです。学生の時は運動会や体育祭で優勝しても心から喜ぶことがありませんでしたが、今回のなのはな運動会は心の底から喜んで仲間と歓びを共有することができました。こんな気持ちになれるのか、と若干自分に驚きつつ歓びを噛みしめました。

 もし優勝でなくても、本当に楽しい時間でした。我を忘れて必死になって応援し、走って力一杯引っ張って、一生懸命になりながら皆と楽しめたことが何より嬉しかったです。 これから秋の定番イベントになってほしいな、と思うくらい楽しい運動会でした。

 

■お待ちかねの夜は

 夜はなのはなカレーを皆でいただいたあと、大イチョウを見に行かせていただきました。三連休でライトアップをしているということで夜に見に行きました。どんな所なのだろうとワクワクした気持ちで車に乗り、車内では運動会の話題で盛り上がりました。

 駐車場に着くと、ライトに照らされたひときわ大きな木が遠くから見えました。遠くから見てもとても存在感があり、威厳が伝わってきます。駐車場から大イチョウまでの歩く道中も紅葉の紅葉がとても美しく、道は赤い紅葉の葉の絨毯になっていて、それだけでもうっとりしてしまうほどきれいでした。

 

 

 大イチョウの目の前まで行くと、これまで見てきた木の概念が覆されるような生命力の凄さを感じました。初めての光景でした。樹齢は九百年だそうです。幹の下から、上からさらに幹が伸びている光景にはとても驚かされ、圧倒されました。さらに根を生やし、上に伸びようとしているのか、どこまでも生きようとしている大イチョウの力強さがひしひしと感じられました。ジブリに出てくる、『天空の城ラピュタ』や『ハウルの動く城』を連想しました。本当に芸術的で、言葉にできないような迫力です。そこにいるだけで生きる力を無条件にもらえる気がしました。木肌は固く乾燥していて、触ると包まれているような温かみがありました。とても神聖な境地にいるかのような不思議な感覚でした。

 九百年もの間ずっとここにいて様々なことを見てきたのかと思うと敬虔な気持ちにさせられます。私には想像もできないほど大きなスケールで存在している大イチョウの木は、「凄い」としか言えませんでした。本当に貴重な体験をさせていただけてとても嬉しかったです。目に焼き付けて、一生忘れることのない光景になったと思います。

 

 

 運動会でめいいっぱい体を動かし、気持ちもリフレッシュして、大イチョウからものすごいパワーをいただき、健やかな清らかな気持ちにさせてもらって、スペシャルな一日でした。