【11月号⑱】「勇志国際高校スクーリング ――学び、幸せを確かめた5日間――」 ななほ

「行ってきます」「行ってらっしゃい」

 古吉野スクーリングの朝は、なのはな食堂から始まります。朝、七時に起きて畑に出て、目が覚めた所でご飯の支度。

 毎朝、朝食当番さんが私たち勇志高校生メンバー五人の朝食を先に用意してくれます。私たちも十分前くらいからお手伝いをさせて頂いているのですが、お味噌汁をついだ時の温かさ。熱々の真っ白な新米のご飯に、白い湯気が見える位、温かいお味噌汁。なのはな食堂は、世界一、温かく優しさに溢れた朝ごはんを用意してくれます。

 食堂から古吉野スクーリングの教室、六年生教室までは廊下が五十メートル以上あるのですが、毎朝「行ってきます」と挨拶をしてから小走りで教室に駆け込みます。朝食当番さんが笑顔で、「行ってらっしゃい」と手を振ってくれる時、心の底から(私はここにいていいんだな)(何で、こんなに心がホッとするのだろう?)と思います。なのはなファミリーでは、勇志国際高等学校に高校生組が五人います。毎年、熊本県天津市の島へスクーリングに行くのですが、今年はコロナウイルスの関係で、古吉野なのはなスクーリングに。授業は先生一人に、同じ時期にスクーリングを予定していた生徒数人の、ネットライブ授業です。

 勇志国際高等学校のネットライブ授業では、一教科ごとに先生が違うのですが、今まで勇志国際高等学校に通っていたなのはなの卒業生や先輩方が居るから、なのはなの子として好意的に受け入れてもらって、初対面の先生もなのはなファミリーや私たちの事を好きで居てくれます。古吉野なのはなスクーリング期間は、みんなに送り出してもらって、食堂からスクーリング部屋までみんなで走りました。その何気ない時間、会話、挨拶が一つひとつ嬉しくて、なのはなファミリーで勇志国際高等学校に通わせて頂けるのが有難いなと思います。

 

 

■道徳の授業

 私はお父さんとお母さんが色々と考えて下さり、今年から勇志国際高等学校に通わせて頂くことになりました。なのはなファミリーで生活する中で、利他心や喜び、深い情緒的な感情をたくさん学んで、吸収させて頂いて、なのはなの子としてモラル高く、泥臭くても一生懸命生きる大切さを学ばせてもらっています。勇志国際高等学校の授業でも、他の学校にはない『道徳』の授業があります。『道徳』と言っても、小中学校で使っていた教科書がある訳ではなく、勇志国際高等学校の校長先生が書いた本が教科書です。

 道徳=モラル。法律ではないけれど、人間として守らなければならない規範、精神性が道徳、モラルです。「日本人は長い歴史の中で他には類のない高い道徳性を精神文化として築いたけれど、第二次世界大戦後、これらの精神文化がいたずらに否定され廃れてきた。それが、生きるか死ぬかという極限状態の中に置かれた時、確実に蘇ったのです」

 校長先生の本に書かれている事と、いつもなのはなのお父さんが教えて下さることは重なる部分があると思いました。お父さんが、「摂食障害になったら、自分の為には治れない」そう話して下さった時、私も、(まだ見ぬ誰かの為に、自分が治ったら、誰かの希望になる)と思って初めて、治ろうと思えた様に感じました。だからと言って、日本人がみんな、常に誰かの為と自分の欲を無くして、目の前の人に百パーセント力を出し切れるかは、分かりません。

 物があれば幸せになれる、学歴、職歴、ステータスを得たら幸せになれると、私も思っていたし、そう思っている人がいるから、日本も先進国になっていきます。

 でも、今の時代はいくら競争をしても幸せになれない、競争で一番をとったところで、自分がいつ落ちてしまうかが不安で、競争に負けたら敗北感で生きているのが苦しくなる人が多いです。

 なのはなファミリーで過ごして、日々の中に幸せがあって、お父さんが教えてくれたように「幸せのその日暮らし」を心に置いて生活しています。畑作業をする中で、みんなと試行錯誤しながら良い野菜を作ること。父の日や母の日、お父さんとお母さんのお誕生日会、NHF紅白歌合戦などでみんなと想像や理想を形にして、いっぱい笑って、みんなと協力し合える時間が私にとって、特別なものです。

 ネットライブ授業でも、先生が丁寧に優しく、ユーモア交じりに授業を教えてくれたり、作文やエッセイの課題などもあり、とても楽しい勉強の時間でした。来年は熊本にスクーリングに行けたらいいなと思うし、先生方に会えるのも楽しみです。