【11月号⑬】「昔の子供になった気分で 第1弾柿採りツアー」 ゆい

 手を伸ばしても届かない。だけど、竿を使えば確かに採れる。見上げれば、水色の空によく映えるオレンジ色の丸の実が「採ってもいいよ」と待っているようでした。

 柿の木がある場所は計九箇所。爽やかな空気の中、柿採りをしました。場所によって、種類も違うので、採った柿をコンテナ毎に分けていきました。

 高枝きり鋏の他、竹ももっていき、竹は一体どのように使えるのかと思っていたら、柿採りに慣れたまりこちゃんが、柿採り竿を作ってくれました。竹の先端にV字の切れ込みを入れたもので、その竿を使うと上手に柿が採れるのです。お父さんが、柿を採るポイントは、枝ごと捻ってとり、柿を落とさないようにすることだよ、と教えてくれたように、竹竿を使えば、柿の枝をうまく挟んだまま手元まで運べます。これがすごく楽しいのです。道具が竹という手軽さにも気分が高揚しました。

 

 

「この道具、本当にすごいね」と、改めて、竹の汎用性の高さにも驚きつつ、昔の子供はきっと、このように柿を採っておやつにしていたに違いないと思いました。気分は着物姿で、夕暮れ前に友達と柿を採っている昔の子供でした。それから、採れた柿を長い竿の先につけたまま下ろしてくるとき、今度の気分は、ゆったりとした大きなゾウ。鼻先に果物を捉えて口に運ぶあの姿を彷彿とさせ、「今、自分、ゾウだな」と、くすぐったいような楽しい気分でした。

 地域の方が、「この種類の柿は霜に二回ほど当たった頃が甘さがのるよ」と教えてくださり、今回は全部は採らずにおいておき、第二弾の柿採りツアーを計画することにしました。

 

 

 私は柿は硬い果物と思っていましたが、なのはなで初めて熟し柿を食べ、手間を掛けてゼリー状にしたデザートのようで、そのおいしさに驚いたことがあります。柿を八百屋で買うことしか知らなかったので、こうして柿を自分たちで採り、たくさん頂き、柿の種類や、熟し方の違いでの美味さを知ることができて、豊かな気持ちになりました。