【11月号⑨】「害虫から小さな苗を守るハクサイの定植・手入れ」 さや

 畑は山畑西。

 農産倉庫から吉畑ハウスの横の小道を通って、「吉畑奥」、「吉畑下」を両サイドに通り抜け、坂道を下りながら「半分畑」、「中畑」、「崖崩れ畑」を行き過ぎる。さらに下って、「いいとこ下畑」、「保育園東畑」の黒大豆がむきむきにふくらんでいくのをチラ見して、保育園のグランドで遊ぶこどもたちの声を聞きつつ右へ折れる(保育園になっている柿は大きい)。「第一鉄塔畑」の里芋と白大豆を土手の上から見下ろしながら行き過ぎ、左に曲がって急な坂道を登っていく。と、到着するのが「山畑西」。夏にはトウモロコシが植わっていた。次に植わるのが、白菜だ。

 トウモロコシをつくっていたときの反省から、畑は入り口から奥まで軽トラが入れるようにスペースをあけてつくってくれていて、追肥のときにもすごくやりやすくなった。

 

 

活着してくれますように

 白菜の第一弾の定植六百株。畝たてからはじめて、定植、ネットがけまで一気に行った。

 定植。苗をおいていくひとと植えるひと、植えつけたそばから水をあげていくひとにわかれた。

 最初、苗を置いていく、白菜の苗は、一個一個ポットに納まっているのでなく、たくさん窪みのあるトレーにみゅっとなって並んでいる。それをひとつずつ下から指でおしあげて苗を出す。

 白菜を植え付けていく。浅植え。培土が地表から六、七ミリでるようにして、そこへ少し盛り上がるようにして柔らかい土をかぶせる。成長点がうまらないように注意。そして、水遣りしてもめくれないようにきゅっと根元を抑える。

 今回植え付けた第一弾の白菜は、夏の猛暑の為苗作りに苦戦した。葉がちょっと黄色っぽくて、困った顔をしている。定植したての株周りに、元気づけの化成肥料を円状にぱらまき。水遣りもそのあとからすぐ追いかけていく。

 山畑西は片側がおおきく段差、土手になっていて、もう片側はがくんとまた段差になって、そこは民家になっている。日が傾いてくると、土手の影で畑がどんどん日陰になっていくのがわかる。途中から、ひもの緩くなった麦わら帽を放り出して作業していた。

 予定時間を少し過ぎてまもなく、全行程が完了。始め六人で始めだけれど、ほかの作業が早く終わったみんなが何人も助けにきてくれて、ネットがけまで全部終えることができてうれしかった。

 

 

綺麗に育てたい

 手入れでは、害虫つぶしをした。ダイコンサルハムシの卵は小さい。白菜の茎に窪みをつくり、そこへ一粒ずつ産み付けられている。小さな窪みにうみつけられているので、手で潰すのが難しい。そこで爪楊枝で潰すことにした。

 卵は新しいものはオレンジ色でぷくっとしているのでわかりやすいけれど、時間がたったのものは黒ずんで乾いているため、ただの土汚れみたいにみえる。それでも卵のある窪みに爪楊枝を突き刺すと、プチッという感触があった。まだ小さい白菜の細い茎に産み付けることのできるようなれるようなあんなに小さい卵なのに、こんなにはっきり手応えがあるなんてすごい……。

 ダイコンサルハムシの卵を潰しているあいだに、その孵ったものと、その親にも会った。

 彼らの幼虫は体長一〜二ミリくらいで、ちょっぴり雫型の、黒いゲジゲジした虫だ。白菜の葉に虫食いのあるところにはほとんど必ず彼らがいた。潰しても卵ほど手応えがない。成虫は瑠璃色をしたちょっと綺麗な丸い甲虫だった。

 体長三ミリくらい。土寄せをしていると株の根元に三、四匹まとまっている。これもそれほど手応えがなかった。

 そのほかアブラムシも一匹二匹のうちから潰すことができて、彼らが群生する前に早期発見で駆除できたのがうれしかった。

 全株の害虫つぶし、と土寄せを行って、ネットがけまで終えたときには五時のほんの少しまえ。土も冷たくなってきて夕方のしっとりした感触がする。五時の鐘がなったとき、リーダーのさきちゃんが、この鐘がなるまでに終わりたかった、嬉しい、と言って笑ってくれてうれしかった。

 

 定植のときは苗の状態を少し心配した第一弾の白菜だけれど、その後の液肥やりや追肥などで、葉の色も緑が濃くなり、今は全体直径が四十センチくらいに大きくなった。秋キャベツの収穫が終わるあたりに、ちょうど白菜が入れ替わりで収穫できるかなと思って楽しみだ。