「原点と未来へ」 なお

11月8日

○原点と未来へ

 なのはなファミリーが初めて勝央文化ホールで行ったコンサートの録音をみんなで聞きました。3部構成になったコンサートの第1部、なのはなのみんなが書いた作文から抽出した文章と歌による構成です。10年前も、いまも、生きにくさを抱えて苦しんできた私たちの心は、同じでした。いま聞いても、同じ深さで、その痛みに共感し、そして涙が出ました。あゆちゃんや、卒業生のあすかちゃん、まこちゃん、そしてお母さんの歌声。みんなの紡ぎ出す言葉。いま私のすぐ側にも、その痛みがあるのを感じます。もうそれに翻弄されて依存に苦しむ生活はもちろんないけれど、その痛みと向き合い、解決をし、そしてその答えを私が生きて、言葉で、姿で表現していかなければいけないのだと思います。それができるのは、痛んできて、なのはなで答えを見つけていく私たちです。
 
 私は、いつも人としての道の本当のぎりぎりのところにいたのだと思い出します。ボーダーライン、という曲がありました。その言葉通り、この一線を越えたら、もう戻って来れないかもしれない、いっそ超えてしまいたいという気持ちと、そしてなんか踏みとどまって、誰かにこの気持ちをわかって欲しいという思い。その狭間で、孤独のまま生きていたのだと思いました。そして、親を手放し、親から手放され、なのはなから私は生き直し、羽を広げて生きようとしているのです。
 
 このコンサートで表現していた思いは、私の原点です。自分が傷付いていたという自覚もなかった私が、自分の苦しさと向き合い、傷と向き合い、自分が孤独で苦しかったと知ったときから、回復ははじまりました。苦しかったと認めることも、初めはとても怖いことだったから。その原点は、なのはなのコンサートの舞台の規模が大きくなり、物語も壮大になっていってもたった1人の抱える孤独や悲しみ、生きにくさはいまの時代の多くの人の感じる生きにくさであるといいう点では、まったく同じです。そこからどう人は幸せに生き、生きる意味を見つけていくのか、それもまた普遍的なことです。

 あらためて、自分と向き合って、それを表現していくことが、私の人生を意味あるモノにしていくことであり、同じ痛みを持つ人への希望になるのだと思いました。いま目の前の仕事も日々の生活で時間を消費していくのではなく、自分の人生をどう生きるか、なんのために生きるのかという自分が生きる時の背骨をしっかりとさせていきたいです。3月の音楽祭のテーマ、『この世界の傷、癒やし、私が生きていく理由』。ぶれない人生の軸を、音楽祭に向けての日々や、日常の中で作っていきます。