「明るさと真面目さ」 えつこ

11月4日

 私事ですが、28歳になりました。この歳まで生きて、しかも元気に生きられるとは、苦しかったころには思いもしませんでした。なのはなファミリーのおかげです。正直なところ、つい最近まで、お誕生日が怖かったです。こんなに役に立てていない私がみんなにお祝いしてもらうのは申し訳ない、という気持ちがありました。
 でも、集合でお父さんに、「罪悪感があるのは小さな悪い行いを自分に許しているからだ」と教えてもらって、絶対に正直に最大限の誠実さで生きようと決心してから、お誕生日が怖くなくなりました。みんなと日々の生活を送る中で、たぶん私はみんなから好かれているだろうし、好かれていようが嫌われていようが、いつも私にはそのときどきで果たすべき責任があると思う瞬間がありました。誰かに何か背中を押すような言葉を言われたとかではないけれど、日々の生活を送る中で、自分の評価がフッとどうでもよくなる瞬間がありました。自分の出来不出来がどうこうよりも、美味しいコマツナとホウレンソウとダイコンを育てたいと、思いました。自分の人格とか出来がどうだろうが、私は今の私で正々堂々とみんなの前に出て、全てをさらけ出して、今日を節目としてまたワンステップ上がる有り難い機会に、感謝をしました。

 食事の席で、みんなが、私のことを、真面目だと、コメントしてくれました。なのはなで学んだ真面目さです。私は人間初心者で、少しでも気を許すと不真面目になってしまう人間です。でも、なのはなに来て、お父さんとお母さん、卒業生の方、なのはなのみんなが、真面目に生きることは尊いことだと、言葉ではなくその生きる姿勢で、教えてくれました。なのはなで、生きる上で大切にしなくてはいけないことを教えてもらって、私は真面目に生きようと、思えました。
 
 自分のあまりの失敗の多さ、人間としての不出来さに絶望して、落ち込んでしまったときもありました。そんなとき、何が出来ても出来なくても、その場の空気を明るくしてみんなのことを前向きな方へ導くことが私の責任だと、みんなが教えてくれました。言葉でそう言われたわけではないけれど、みんなでお父さんのお誕生日会や、畑のチームでの活動をする中で、私はアイデアは出ないし何かが出来るわけでもないけれど、どんなときも明るくいることが私の使命だと、感じました。

 みんなが言ってくれた言葉が私にはもったいないと思ってしまったけれど、みんなが私のことを誠実だと、真面目だと、そう言ってくれるのだから、私はみんなの言葉に恥じない人間になります。何が出来るか出来ないか、よりも、どれだけ誠実に目の前のことに向かっているかが大切です。私は、格好悪くても、泥臭くても、自分の精一杯を尽くします。ごまかしたり、手を抜いたりすることは、私のプライドが許しません。何があっても、正直さを貫きます。みんながコメントしてくれた、「明るさ」や「真面目さ」は、私のものではなくて、なのはなの明るさと真面目さです。そして、そのなのはなの明るさと真面目さが、私のプライドです。

 とても緊張してしまって動きがカチカチしてしまったけれど、お父さんとお母さんがコメントしてくださったことが、とても嬉しかったです。私は、子どものとき、人としての基本的なことを教えてもらえませんでした。恥ずかしいのですが、人はどうやって靴を履くのかとか、体の手入れをするのかとか、そういった小さいけれどとても大切なことも、教えてもらえませんでした。正しいお手本になる大人がいなくて、どうやって人間をやったら良いのかわからないまま大人になってしまって、どうやってみんなは生きているのかがわからなくてでも今さら聞けなくて、周りが出来ていることが私に出来ないということがたくさんあって、苦しくて悲しくて、そんな中、なのはなに辿り着きました。なのはなに来てからも、社会性のなさに苦しむことはあったけれど、お父さんとお母さんがこんな私でも粘り強く向き合ってくださって、私は人間になれると、希望を持つことが出来ました。

 お父さんとお母さん、スタッフさんが、正しいことを教えてくれます。やよいちゃんやさやねちゃん、尊敬している人が周りにいて、その人から学ぶことができます。畑の野菜たちが、私の未熟さを命をかけて示してくれて、私は畑の我が子たちを守らなくてはいけないと、気持ちを引き締めることができます。こんなに成長のチャンスが溢れているなのはなファミリーは、私にとって世界一の家です。こんなに恵まれた環境にあるのだから、私は必ず治ることができます。絶対に諦めず、粘り強く、成長して、社会性のある人間になります。どんなに大変でも、絶対に諦めません。

 人間になることすら諦めていた私に、人間になるチャンスをくださって、ありがとうございます。感謝の気持ちを言葉で表しきれないことがとてももどかしいけれど、ちゃんとした人間になって、まっとうな人生を歩むことで、なのはなで受けた恩を還元します。