【10月号⑯】「大豊作! 家族総出の手刈り! ―― 光り田んぼで紫黒米の手刈り、はぜ干し ―― 」 みほ

田植えから約4か月。みんなで手植えをした光り田んぼで、手刈りをしました!

 

 ざわざわざわと稲と稲がこすれる音、ザクザクザクと鎌が稲を刈る音。稲を手で刈るときは屈むから、顔の前に稲穂がくるんだ。その重みで首を傾げた稲の穂の、熟した香りをいっぱいに吸い込んだ。

 今年はいつもよりたくさん分結したんだって、左手いっぱいに稲をつかむ。結わえるために稲の束を持てば、穂のずっしりとした重みを感じる。家族みんなでの手刈り、全身で稲の収穫の喜びを感じてみんな笑顔なんだ。広い田んぼもみんなで刈ったらあっという間に終わってしまう。

 ああ、豊かだなあ。こうしてお米が収穫できて、幸せだなあ。

 

 

 家族みんなでの手刈りがありました。朝は曇っていて、秋晴れではないけれど、日差しが暑くない作業しやすい天気でした。

 光下田んぼ下、十五アールほどの面積をみんなで刈りました。

 九時二十分玄関下でお父さん、お母さんとみんなで、「えい、えい、おー」をして歩いて田んぼに行きました。

 田んぼに着くと、「刈る人」と「結ぶ人」に分かれました。「刈る人」が稲を鎌で刈り、四束ずつの束をばってんにして小山を作っていきます。「結ぶ人」は、刈る人が作った四束ずつの束を三束集めて藁で結わえていきました。

 

 

 私は結わえていきました。手刈りした稲はハゼ干しをします。お父さんが最初に結び方を説明してくださいました。はぜに干すときに結びが緩いと抜けてしまうのできつく結ばなくてはいけません。

 五本ほどの藁を使って渾身の力をこめてぎゅっとしぼっていきました。そんなに暑くない天気だったのに、うっすらと汗がにじみました。最初の一時間、お父さんが見回ってくださいました。「もっときつく結ばないと」お父さんの明るくて朗らかな声が響きます。

 お母さんは私たちと稲を結んでくださいました。お母さんも笑顔でいてくださいます。家族総出での活気のある空気が嬉しかったです。

 手刈りが始まってから、一時間後あぜに座って休憩しました。お父さんが稲の分けつのお話を楽しくしてくださって、盛り上がりました。

 慣れてくると刈るのも結ぶのも速くなっていきました。結ぶとき藁の端と端をきつくねじりねじってできた玉を藁の下を一回通す、どこに力をかけたらその動作が速くできるか、がっちりとまるか、あんなちゃんが教えてくれました。みんなの中で、こつをつかむとどんどんスピードが上がっていきました。あゆみちゃんとたけひろくん、のぞみちゃんとゆりちゃんが途中応援にきてくれました。

 十二時にはすべての刈と結びが終わりました。刈り終わった時、スッキリしました。その後、みんなでハゼに干していきました。

 

 

 ハゼは、前日に盛男おじいちゃんに教えていただきながら、光上田んぼに立てました。おじいちゃんが立てるハゼは、全然力を入れて工事するという感じではないのにすごく安定しています。三本組の木の支柱は、三本に同じだけ力がかかるように、二本組の木の支柱はその角度がどれくらいだったら安定するか教えていただきました。そして、稲を干す部分の竹が支柱にしっかりはまっていること、このポイントを押さえるとすごく安定しました。おじいちゃんが教えてくださいます。頭を使わなくては、ハゼはすべて倒れてしまう。農業をするには頭を使わなくてはいけないと。おじいちゃんが教えてくださった安定したはぜに干せることが安心で嬉しかったです。

 みんなで刈り終わった稲を光田んぼ上に運びました。昨日、おじいちゃんに教えていただきながらたてたはぜに、挟むようにひっかけていきました。余裕を持ってハゼを準備したはずが、足りなくて、ハゼを増築、それでも足りなくて二階建て(すでに干してあるうえに干す)になりました。

 最終的に五メートルほどの竹二十本分ほどに二階建てで干しました。豊作だったんだとみんなまた笑顔になりました。

 みんなで手刈りした稲は紫黒米でした。真っ黒いお米で白米に少量混ぜて炊くときれいな紫のご飯になります。刈っていくと稲の切り口も紫色で、全体として緑の稲の茎と葉の付け根や茎の根元に紫色が混じったおしゃれな稲でした。

 

 

 昔は、コンバインがなかった時代、稲刈りはいくつもの農家が集まって、今日はだれだれさんの田んぼ、次はだれだれさんの田んぼというように、協力して済ませていったそうです。稲刈りは利他心の文化の象徴。誰もが平等なモラル高い、日本の農村の豊かさ。稲刈りをしていると、すごく満たされた気持ちになりました。

 

 

  今、光上田んぼはハゼ干しの景色が広がっています。合掌作りの家のような、のどかで落ち着く景色です。田植えから四カ月間で、日本人の主食を作ってしまう、そんな田んぼがすごいなと思いました。

 五月、「かちゃこんかちゃこん」田んぼからは田植え機の音がして、きれいに代かきされた田んぼに細くて小さい稲の苗が植わります。どんどん大きくなって、七月、田んぼに稲が茂った様子はまるで緑の海のようでした。

 お米の赤ちゃんが根元にいるんだよ、みかちゃんが稲を一本抜いてむいて見せてくれました。米の花、籾は最初は黄緑色で、若々しい穂を恥ずかしそうに出していました。八月、お米が熟れてくるとどの田んぼからお米の香りがしました。九月、稲刈りが終わった田んぼに並んだ切り株を夕日が照らしました。田んぼからはいつもその季節の景色と香りがして、癒されてきました。家族みんなでの手刈り、全身で言葉にならないところで豊かさを感じて、幸せな気持ちになりました。