「一つ、ひとつ、確実に」 ゆい

10月28日

 少し久しぶりの日記になりました。今日は、午後にあんなちゃんと梅林の梅に、管理機がけをし、土を鍬でならし、草を敷くという作業をしました。
 梅の木の下の管理機掛けは、難易度が高かったです。梅の枝は自分の胸くらいまで低いものもあったり、斜面があったりと、随分集中力と気をつかいました。あんなちゃんが奥から、私が手前から順に耕し終えると、午前中に撒かれた肥料がよく馴染んでいました。また掘り返された様子から、ここの土が良い質であることが見て取れました。
 
 あんなちゃんと管理機を一旦、古吉野に戻しにいき、その後、熊手と鍬をもって再度梅林に行きました。ここからは、桃の木の土寄せと同じ手順で、土をならしていきました。あんなちゃんが、まだ小さな木の周辺は、これから根が張ってくるので、土を多めに寄せて肉付けをしようと教えてくれました。梅の枝の下、前にかがみながらの作業で体力を使いましたが、2人で一本ずつを順に終わらせていき、次の工程に入るのは、けじめがついていくような感じがして気持ちが良かったです。あんなちゃんとの作業はいつもそうです。一つ、ひとつ、確実に進んでいきます。あんなちゃんと一緒にいると、私はいつも、原点に戻れるような気がして、それがとても嬉しいです。
 
 土をならし終えると、あんなちゃんが「終わったね」と向けてくれた笑顔がとても綺麗でそれも嬉しかったです。次は鍬を熊手に持ち替え、先日、あんなちゃんと一緒に刈った草を集め、木の下に敷いていきました。これで、斜面の草も集められて綺麗になるし、木の堆肥にもなるし、一石二鳥です。堆肥について尋ねると、あんなちゃんが、腐食、団粒化、単粒化という言葉を教えてくれました。今回入れた肥料についても教えてくれ、あんなちゃんは本当に詳しく勉強しているのだと改めて感じました。
 
 草はたっぷり、敷くことができました。転んでも痛くないくらい、しっかりです。
 時刻は4時30分で、そこから石生の桃畑に、肥料を撒き足しにいきました。
 どこからか、空気全体に、マロングラッセのような甘い香りがしていました。甘い香りのするたばこがあると思うのですが、それにも似たような。空気全体に広がっています。微妙だけれど、確かにするこの香り。「あんなちゃん、肥料の匂いじゃなくって、すごいいい匂いするの分かる? これ、何だろう」というとあんなちゃんが、はっとした顔で、「分かる! 良い匂いするよね。サツマイモ?」と言いました。隣はサツマイモを作っています。まさかサツマイモじゃないだろう、と言いつつも、2人揃って駆け寄って、かがみ込んでサツマイモの葉に鼻をつけてみました。
「……。全然違ったね(笑)」
 正体はサツマイモではなかったです。近くに何か良い匂いのするものはなく、正体は分かりませんでした。でも、とーっても、良い匂いでした。

 匂いといえば、シキミを植えたばかりのこの頃、読んでいた高田郁さんの『出世花』にシキミが出てきて、「おおっ。なんとタイムリーな」と思いました。高田郁さんの本を読むと、心が浄化されるような気がして有り難いです。