【10月号⑮】盆踊り「美しく、力強く、華やかに舞踊る ―― 全十一チームが贈る、あゆちゃん、りゅうさんへの盆踊り ――」 りな

 あゆちゃんとりゅうさんの結婚式ももう第三部の披露宴になりました。披露宴では、私達は祝宴盆踊りを披露しました。

盆踊りは、八月十五日の盆踊り大会で各チーム作った出し物が軸となっています。お母さんが、結婚式でもう一度、ブラッシュアップして盆踊りを踊ったらどうか、と提案してくださり、盆踊りチームを再結成しました。

 私はななほちゃんチームで、またチーム全員で集まれるのがとても嬉しく思いました。曲はヤットサ節で変えずに、劇や衣装を考え直すことにしました。

 あゆちゃんとりゅうさんをお祝いしたい、どうしたらお祝いできるだろうか、そうみんなで頭を振り絞って考えていました。すると、同じチームのまりこちゃんがとてもいい考えを提案してくれました。それは、私達が、福の神みたいな、神様の使いになって、あゆちゃんとりゅうさんをお祝いをしよう、という物語でした。とても素敵な考えだなあと思って、さっそく神様の使いの物語を練り上げていきました。

 

 

「わしは健康の神。健康の秘訣は、毎週のソフトバレーと筋肉ポーズ三十回。健康第一 よーお、ポン!」

 健康、幸福、運命、仲間、愛の神様を作って、一人ひとりの神様に、あゆちゃんとりゅうさんをお祝いするセリフを考えました。さらに、台所でみんなのために世界一美味しい天ぷらを作ってくださるりゅうさんに、感謝の気持ちを伝えるために、天ぷらの神様を作りました。

 健康の神様、幸福の神様は聞いたことはあるけれど、運命や仲間の神様は、みんなで考えました。想像の神様を考えるのはとても楽しかったし、この神様だったら、あゆちゃんとりゅうさんにどんなことを伝えるだろう、とセリフを考えるのもとても楽しかったです。

 劇の練習を、お父さんに一度見てもらって、サ行、タ行、マ行など、息の多い音は、聞こえにくいから、もっとねっとりと音がちゃんと聞こえるように声を出さないといけないことを教えていただきました。それからは、チームみんなで発声練習から、ちゃんとお客さんに聞こえる声を出す練習をしました。

 簡単なようだけれど、とても難しいなあと感じました。恥ずかしいと感じてしまうと、面白くない普通の声になってしまいます。それは、まだ自分を消し切れていなくて、演じきれていないのだと思いました。お客様に見せる意識で、演じ切るというのはこんなにも難しいんだなあと思いました。

 チームのみんなと練習していて、みんなが活き活きと神様を演じきっている姿を見て、とてもかっこいいなあと思いました。恥ずかしがることはなくて、演じきってしまえばいいんだ、と思いました。そう決心して、練習をしているうちに、どんどん役になりきることが出来て、演じることってこんなに楽しいんだなあと知りました。

 やっとさ節の盆踊りの振り付けは、変えずに、一人ひとりソロで踊る振り付けも、以前みんなで考えたものとそのまま同じにしました。ただ、お父さんとお母さんに見てもらって、ソロを踊っている人がもっと目立つように、フォーメーションを工夫しました。

 

 

 結婚式に向けて、ダンスやコーラスや、台所など、それぞれ与えられた役目で忙しい日が続きました。でも、夜の時間などを使って、全員で集まって練習する時間がとても楽しくて、笑顔が絶えませんでした。日に日によりよくできないか、アイデアが出て、ブラッシュアップしていけるのがとても嬉しかったです。

 盆踊りをたくさんのお客さんに披露する本番、みんなで衣装考案した浴衣に早着替えしました。浴衣や帯は、盆踊り大会に着たもので、それ以外に、髪飾りや、たくさんの浴衣の工夫を凝らしました。

 神様の雰囲気を出せるように、高いポニーテールをした髪に、赤ベールで大きなリボンを付けました。また、浴衣の下に、白いふわっとしたスカートをはいて、浴衣の裾を上にたぐませて、とても斬新でした。りゅうさんのご親戚の方に、浴衣に様々なアレンジが出来ることを知ってもらえたらいいなあと思いました。

 

 

 みんなでちゃんと綺麗に着れているか見合って、私達の出番を待ちました。私達が集まるのは、本当に今日が最後かもしれないなあ、と思うと、本番が来るのが寂しくもなりました。でも、みんなで楽しく踊ろう、そう心の中で言い合って、ステージに出ました。

 お色直しで、これまでとは違う衣装を着たあゆちゃんとりゅうさんが、前で見ていてくれました。あゆちゃんにもりゅうさんにも目が合わせるのが恥ずかしいほど綺麗で、少し緊張しました。

 みんなでたくさん練習した寸劇は、あゆちゃんもりゅうさんもとても笑って喜んでくれて、とても嬉しかったです。曲がかかると、練習よりもとても楽しく踊ることが出来ました。最後のステージからはけるところまで、あゆちゃん、りゅうさん、たくさんのお客様が温かく見てくれて、とても嬉しくて、チームのみんなと大成功したことを喜び合いました。

 

 

 他のチームの盆踊りは、お客さんとして、見させてもらいました。盆踊り大会でも見ているはずが、もっともっと進化していて、びっくりするチームがたくさんありました。こんなに盆踊りでアレンジできるんだ、と改めて驚いたし、それを考えられるみんなが凄いなあと思いました。ゲストの方にもたくさん楽しんでもらえたこともとても嬉しかったです。

 

 

 時刻は夜の九時前で、みんなのお腹が空かないようにと、台所チームさんや河上さんが、夜食の巻きずしとお稲荷さんを出してくださり、心遣いがとても嬉しかったです。なのはな名物の手作りの巻きずしも、お稲荷さんも、とても美味しかったです。

 盆踊りが終わって、いよいよお開きの時間が迫ってきて、夢のような時間の結婚式が終わらないでほしいと思いました。あゆちゃんりゅうさん、お父さんお母さんに見送られながら、結婚式場の体育館を退場していくと、寂しい気持ちでいっぱいになりました。でも、帰る場所は古吉野。そうだ、ここが家だったんだ、と気が付いて、なんにも寂しがることはなかったんだ、と思いました。結婚式はお開きになっても、ずっと家族なんだなあと思うと、安心しました。

 結婚式をたくさんの家族と過ごせられて、宝物の一日になりました。