「おめでとうございます、そしてようこそ」 なお

10月18日

〇おめでとうございます、そしてようこそ

 お父さん、お誕生日おめでとうございます。なのはなのみんなで、お父さんのお誕生日のお祝いに、世界一周の旅をプレゼントしました。そして、旅には、お父さんのご友人も参加してくださいました。お父さんの中学時代からの親友です。お父さんお母さん、盛男おじいちゃん、お父さんのご友人、卒業生ののぞみちゃんとそらちゃんのご夫婦、あゆみちゃんの旦那さんの英幸さんも来てくれて、みんなでのハッピーバースデイ、世界一周、8カ国周遊の旅です。

 お父さんのお友達のお話は、これまでも何度も聞かせてもらっていました。中学時代のお話、お父さんがライターをしていた時期のお話、そして、最近では、私が税理士の登録をしたときに、その方のお仕事への取り組み方をお父さんが話してくれて、どんな覚悟と責任を持って仕事をするのかということを教えてくれました。初めてお会いするのに、初めてではないような気持ちでした。お父さんが、親友は振り返ったときにあるもの、友達のための友達は必要ないと話してくれます。お父さんと親友の方は、気づけばいつも人生の中で、プラスの刺激を与え合い、節目節目で、お互いに助け合い、深いところでつながり、信頼し合う関係なのではないかと思っています。振り向けば、2人は親友だったのかな、と。
 
 お父さんの大切な方だから、勝手ながら、自分にとっても、大切な家族のような、仲間のような、そんな気持ちになっていました。だから、初めてなのはなに来てくださり、食堂でお会いしたとき、おもわず「お帰りなさい」と言いたくなってしまいました。とても優しい笑顔で、「お父さんとは中学時代の同級生です。だから、おじさんと呼んでください」と言い、みんなも笑顔になり、とても嬉しい気持ちになりました。お父さんも隣で、少し照れくさそうに、嬉しそうに笑顔でした。今回、お父さんのお誕生日会の日に来てくださり、一緒に世界一周をできて、本当に嬉しかったです。

 お父さんのお友達は、各国のチームのパフォーマンスを見て、『4C』と評してくださいました。
 美しい。楽しい。おかしい(=面白い)。素晴らしい。の“4しい”です。私も、その4Cを感じました。みんなの衣装や、踊りや、パフォーマンスに込める気持ちが美しかったです。ユーモアたっぷりの劇や、セリフに、たくさん笑いました。それぞれの国に到着するのが待ち遠しく、どんな人に出会えるのだろうと、楽しい気持ちで旅ができました。そして、なのはなのみんなで、チームの垣根を越えて作り上げる世界は、なんて素晴らしいのだろう、こんな風にお父さんのお誕生日を祝える私たちは、幸せ者だと思います。盛男おじいちゃんは、これだけのお祝いをしてもらうお父さんは、世界でたった一人、なのはなのお父さんだけだね、と言ってくださいました。お祝いされる側のお父さんはもちろん、こんなに盛大にお祝いさせてもらえる私たちも、世界中探してもいないんじゃないかなと思います。

 ブラジルの陽気なサンバのリズムとメロディは、会が終わっても、翌日も気づけば頭の中を流れています。ブラジルの人の、その日その日、目の前の一日を目一杯楽しんで、大切に過ごす生き方は魅力的でした。けいたろうさんの堂々とした振り付けてセンターで踊る姿に、新しいけいたろうさんの魅力がはじけていました。

 スペインは、もう目が離せない情熱のパフォーマンスで、登場するなんにんものマリアと、それからかわいいかわいい、うさぎ、そして、お父さんの先祖である、闘牛士。私はよしえちゃん闘牛士に、一目ぼれです。みんなが、本当にスペイン人になりきっていて、熱いパッション(お父さんへの情熱的な思い)を感じる16分間でした。

 続いて、インド。田島はる氏(男性・日本人)が、一筋縄でいかないインドでの旅を、紹介してくれました。劇中に挟み込まれたダンスが、これまたなのはなに新しいダンスの世界がひろがるエキゾチックな振り付けでした。蛇使いの芸に笑い、なぜかインド映画に出演することになった田島氏がすっかりインドの人たちになじんで踊る姿に、ここはインドか? と本気で思い、面白さにくぎ付けになりながら、理不尽な体験をしつつも田島氏がすっかりインド流の生き方を会得したラストまで一気に進みました。なおとさん、もとい、田島はる、彼はもうインド人にしか見えませんでした。

 ドイツは、ダンスと衣装が素敵でした。フォークダンスというのは、日本で踊られているものしかしらなく、本場のダンスをはじめて目にしました。軽快なステップと、ペアになっての踊り、そして、ライバル同士の男性が、1人の素敵な女性をめぐる攻防の様子をダンスにした場面。そして女性2人を、男性役2人が抱えてメリーゴーラウンドのように回る振付。なのはなのコンサートでも、こんな踊りを劇の一部でやってみたい、と感じました。

 ケニアの、『サークルオブライフ』。コーラス隊のハーモニーとまえちゃんのボーカルに、涙が出ました。人の持つ、原始的な生きる力、強さ、そこには、自分が持つべき気持ちがありました。人生で何が起きようとも、裸一貫、身一つ、自分の身体と志があれば、どんな状況でも、強く生きていきたい、そんな思いになりました。

 フィンランドに行くと、本物のサンタさんが出迎えてくれました。お父さんたちも、サンタさんとの対面をとても喜んでいました。まゆこサンタとトナカイのおぐちゃんのコンビに、ながい付き合いのサンタとトナカイの信頼関係を見て、ほのぼのとした気持ちになりました。フィンランドの民族衣装もとてもかわいかったです。

 旅の最後は、フランス。そこには、フランスの長い歴史の中で、志を貫いて生きた偉人たちが待っていました。お父さんへの感謝の言葉を述べるために。時代を越えて、国を越えて、彼らとお父さんはつながっていました。新しい価値観を生み出し、新しい時代を作るとき、そこには困難があり、壁があります。けれど、彼らを動かすのは、使命感です。
 
「時代は、私を待っていた!! なのはなの子たちもそうなんじゃない?」
 ココ・シャネルは言います。そう、なのはなのお父さんもお母さんも、そして私たちも、生まれるべくして、この時代に生まれたのです。そこに、使命があるから、時代は私たちが生まれるのを待っていたのです。ジャンヌダルクも、ココシャネルも、ノストラダムスも、画家のゴーギャンも、大切な誇りを守るため、生きにくさから解放し、新しい生き方を提言するため、危機を伝えるため、それぞれ覚悟を持って、人生の最後までまっすぐにその生き方を貫いていました。

「お父さん、お母さんと、なのはなのみんなのこれからの日々が、輝くものでありますように」ジャンヌの言葉に、涙が出ました。自分の役割を果たす、その使命を強く強く持って生きることが、お父さんに続くことなのだとあらためて思いました。そう生きることで、私は生きることの意味を感じられるのです。

 私は、やよいちゃん率いるエジプトチームです。さりいちゃんを中心に、次々と制作される素敵な小道具や被り物。あんなちゃんが作ってくれたアヌビス神の仮面は、イメージのイラスト通りで、非常にかっこよかったです。えつこちゃんが、ミイラクッキングの替え歌と、ダンスで、みんなをひっぱってくれました。
 
 この曲は、大のお気に入りで、脚本を何回も書き直しているときも、この曲だけは絶対に入れたい! 誰になんと言われようとも、……とひそかに思っていました。この曲を歌えば、みんなミイラを作れます! というちょっと生々しい歌詞を、メロディーに乗せて中和し、さらにやよいちゃんやみんなが考えた振付を本気で踊る、ミイラダンスは、エジプトチームの渾身の一作です。
 
 さて、脚本はというと、生みの苦しみを経て、やっと生まれた! のだけれど面白くなかった! 長すぎた! ということで、チームのみんな(特にリーダーのやよいちゃん)をはらはらさせ、これはできあがるのか? と絶望的な気持ちにまでさせてしまいながら、お母さんにアドバイスをもらい、前日の夜8時半すぎ、ついに完成です!
 
 当初16ページあった脚本は、9ページ、そして最終的には4ページにまで凝縮されました。自分がこれ面白いと思った場面は、けっこう削ることになりました。でも、ウィンターコンサートと同じで、本番にはなくなった場面だけれど、チームのみんなとあれこれ演出を考えて練習をした時間が楽しかったので、それもひとつの誕生日会の大事な中身の一つです。りゅうさんとの掛け合い、くだらなかったかもしれないけど、大阪弁を喋るアヌビス神とファラ男さんのやりとりの練習が楽しかったです。

 お父さんが教えてくれる、幸せのその日暮らし。幸せとは遠くにあるなにか大きな目標を達成したり、人との競争で上に立つことで得られるモノでもなく、遠い未来に輝かしいものがありそのために我慢して苦しく生きることではありません。いま、すぐ側にある小さな幸せを、人と人の間にある幸せを、毎日感じながら、生きていくこと。そんな生き方を、古代エジプトのピラミッド作りから見出しました。そういったことを、盛り込みたいと思い、つくった物語です。拙い脚本で、なかなか言いたいことをすぱっと表現するのは難しかったです。短く、わかりやすく、深く、面白く。そしてチームのメンバーが生きる物語。それはなかなか難しく、書き切れた、とは言いがたいのですが、それでも、エジプトのことを調べて、なのはなのお父さんとつながる部分を発見する度に驚きや喜びがありました。

 また、作る中で、自分の課題も見えました。私は、チーム、仲間の力や魅力を最大限引き出すアイディアやプランを立てられるようになることが、必要です。
 私は、自分の作りたいモノ、自分が書きたいモノ、という狭い枠組みしか持っていません。そのとき一緒に作り上げるメンバーで、どうしたら最大限良いものにするためには、ときには自分のやりたいこと、と少しずらしたものが良いことがあります。あるいは、まったく違う方向が良いこともあるはずです。そのとき、自分がどれだけ幅広い情緒や、知識や、創造力があるか、人のことを正しく評価し、本当にその人の一番良い部分を見ることができるか、それがチームとして動くときに必要です。
 
 きっと、それはなのはなの活動に関わらず、仕事をしても、家庭を持っても、同じです。もっともっと、仲間を生かせる自分として成長したいと思いました。なのはなの色々なイベントは、自分自身を知ることができる機会でも在り、今回もとてもよい経験でした。

 お誕生日会のパフォーマンスは大好きなお父さんのために、という気持ちがエネルギーとなり、みんなの中からいくつもの新しい表現が生まれ、そして美しくて、面白くて、楽しくて、素晴らしい会でした。フランスチームのラストに、全員でカンカンダンスを踊りました。お父さんに向かって、みんなの思いが溢れていく、本当に素敵なラストにできました。

 最後になりますが、お父さん、お誕生日おめでとうございます。なのはなに来て、お父さんと出会って、私は生まれてきて良かったと初めて思いました。私は、私の人生を諦めていたけれど、お父さんは、諦めなくていい、まだ始ってもいないじゃないか、と語りかけてくれました。絶対に良くなる、絶対に希望を持てるときが来る、それまで見捨てない、とお父さんは、私の人生をまるごと「僕とお母さんが責任を持つ」と言いきってくれました。何歳であっても、遅すぎることなんてないのだと思いました。私は、喜びや、楽しさや、希望を、感じて生きることができる、そのことが本当に本当に嬉しいです。悲しみさえも、感じることをやめていた私にとっては、宝物のような気持ちです。人を好きになること、信じること、自分の中には、それが大きくあることも、お父さんが見つけてくれました。
 
 なのはなに来て、自分の成長の段階は様々あるけれど、そのときどきで、いつもお父さんの姿から、答えを見つけることができます。今私は、成長を止めない、ということを思います。もうここまで、と自分の限界を決めなくて良いのだとお父さんの側にいて感じます。諦めなければ、自分の願う方へとたどり着く。お父さんのように、いつも自分の心を躍らせることをたくさん持って、メリハリのある鮮やかな人生を生きたいです。そして、自分の経験をすべて、次に続く人の希望の光となるようにしていきます。ありがとうございます。