「あの子と」 ちさ

9月26日

 オッケーサイズくらいの茶色いコロコロしたあの子。外面はとげとげと気張っているけれど、中はつるつるの肌をしたあの子。秋にしか姿を現さない恥ずかしがり屋なあの子と一年ぶりに再会しました。
 何かわかりましたか。
 栗です。
 夜になるちゃんが声をかけてくれて栗の皮むきをしました。りゅうさんや仕事帰りのなおちゃん、記事書きがまだだけどやりたくて、と来てくれたみほちゃんや、続々とたくさんのスーパーマンが集まってきて、みんなと剥いた時間がとても暖かかったです。

 栗を見ているだけでうれしい気持ちになりました。またよく栗を見たことはなかったけれど、とんがっているてっぺんから出ているぴよっとした小さい子供の髪の毛みたいなものがすごくかわいくて好きだなと思いました。この栗はお母さんも大好きな栗ご飯になるのだと教えてもらってたのしみになりました。

 私は栗の皮むきをしたのは初めてでした。一番外側の硬い殻を向いたら、クリーム色の栗が出てくるのかと思って一つ目を向いたらそうではありませんでした。その下には白のような灰色のような色をした羽毛みたいなものでおおわれて、その下は木目みたいなきれいな川がありました。これが薄皮だそうです。こんなにも何重に包まれているとは思わなくてとても驚きました。次こそ出てきた栗は最初の状態より一回りも二回りも小さくなっているけれど、すごく守られた貴重な大事なものに思えていとおしさが増しました。硬い殻は、少し割れたらポロっと簡単に向けるのに、渋皮が張り付いていてなかなか難しかったです。

 作業中、りゅうさんが、シェイプオブユーを歌ったら早く剥けるかな? といって、みんなと歌いました。主旋律ではなく「ウウウウ~」というコーラス部分だけをみんながやけに元気に歌うのが面白かったです。
 栗は早く剥かないと虫が来てしまうのだとなるちゃんが教えてくれました。それも一つのものにどの虫もがきてくれたらいいのに、1つに1匹とかってくるのが困るなと思いました。おいしいものは一人で食べないでみんなで一緒に食べたほうがおいしいのにね、と、なおちゃんやまちちゃんと話していたのもすごく温かかったです。
 すごくほのぼのとした時間だったなと思います。

 私は、しまりのある質の高い作業をすることがいいことだと思い込んでいたけど、それは行き過ぎた気持だったなと最近つくづくと感じます。
 いろんな話をしてくれたり、歌を歌ったり、りゅうさんのさりげない優しさで、みんなで楽しい気持ちで作業することができました。
 みんな善意なんだなと思います。自分の幅が狭くて、その良かれの気持ちをまっすぐに受け取れないときもあるのだけれど、くみ取ろう、という気持ちで、自分も良かれの気持ちだけを剥き続けていれば、それがわかります。

 自分は本当にちっぽけなんだなと思います。何もわからなくて、自分の見えている世界とは本当に米粒よりも小さいくらいなものです。だから、それがすべてとは思わないで、くみ取ろう、という気持ちでいることを大切にしたいです。そうしたら、今まで受け取ったり見ることができなかった、誰かが投げる優しさのボールを、ちゃんとキャッチできるようになれると思います。

 今日はすごく疲れました。久しぶりに消灯までも瞼が持たないほどに眠いです。でも心地よいです。
 明日は日曜日で一日中みんなと過ごせることがうれしいです。
 短いですが、おやすみなさい。