【山小屋便り8月号】「果肉たっぷり樹熟し桃で作る、品種別の桃ジャム」 ゆきな

 なのはなで育てた樹熟し桃。

 それをたっぷり使った贅沢なジャム。今回、新しいメンバーも加わり、なのはな桃ジャム作りが始まっています。

 ジャム作りの初めは桃のカットからです。

 桃ジャムは品種ごとに分けて作っていきます。皮むきをしてから、その品種ごとの違いを感じます。

 加納岩白桃は果肉がしっかりしている。日川白鳳は皮が薄く水分が多く感じる。皮むきをしているメンバーから、嬉しい明るい声が聞こえてきます。

 自分たちだけではなくたくさんの人が、桃の特徴を知ったり、桃の角がない甘く香りに包まれたり、楽しく幸せな空気があって、ジャム作りにより気合いが入ります。

■まろやかな色合いに

 ジャムを作るための材料は、桃と上白糖だけです。

 シンプルだけれども、煮つめていけば、なのはな自慢のジャムができあがります。私たちは自分たちでも誇りに思えるものを作ります。

 それらを混ぜ合わせて火にかけると、切った桃がひたひたになるぐらいの水分が出てきます。

 一体この水分はどこから溢れてくるのだ、と思ってしまいます。それくらい、ジューシーで瑞々しいです。

 部屋は桃の甘くやさしい香りに包まれます。自然と心が安らぎます。まろやかな黄色をみたら、なんだか安心してきます。

「幸せな香りがするね」

 加工をしている部屋に来た人はそう話してくれます。周りの人を笑顔にさせるような、幸せを感じさせるようなものを作りたいと思います。

 今、作っているものが、まだ出会ったことのない人に、良い影響を与えることができると思うと、頑張れます。

桃の品種別にジャムを作っています。品種ごとに果肉の色や香りの違いを楽しみながら作っています

 ジャムは不思議なことに、徐々にねっとりとした重たさが増す、というよりも、階段を上がったように急に重たさが増していきます。

 ジャムを混ぜていてその重たさが木べらから伝わってくると、ジャムからの完成へのメッセージを受け取っているようで面白いです。

 そのメッセージを受け取るほど、ジャムは形を変えていきます。桃の水分がゼリー状に固まり、粘りが増していきます。

 もうすぐ、もうすぐ、完成です。完成に近づくにつれて、緊張感が増していきます。緊張と共に、見極める難しさと面白さがあります。

 見極めは、ジャムを冷ましたときの粘り加減や、熱々のジャムをおたまですくったときの感覚、見た目で判断します。

 これが難しいです。今だ! という時もあれば、不安定なときもあります。もっともっと気持ちを遣って、毎回良い方向に変わっていけるようにと思います。

■桃ジャムの自慢の1つ

 完成となったら、熱々のうちに瓶詰めをします。熱々なうちにジャムを詰めることが脱気成功に繋がる鍵です。

 じょうごでジャムをつめて、気泡を抜き、瓶の口を拭いて、蓋を閉める。瓶にはゴロッとした桃の果肉がいくつも入っています。

 見ていて、これがなのはなのジャムだと思います。桃の果肉がたっぷり入っていることも、なのはな桃ジャムの自慢の1つです。

 色はオレンジに近い濃い蜂蜜色です。その色は、見ていて吸い寄せられるようで、時間があったらずっと見ていたくなります。

 毎回、美しい色とおいしさで、求めている人に届けたいという思いが湧いてきます。

 作りたいイメージがあったら、あとはそこに近づくように頭と心を遣って力を尽くすだけ。そう思うから、最後まで粘り強く、作りたいあるべき形を目指していきます。

 そうやって、深めようと思ったら、とことん突き詰めることができる場所があることがとても嬉しいです。

 ジャム作りのメンバーには新しく入る人もいて、新鮮です。自分自身もこれはどういう意味でしているかということを改めて認識できるチャンスに思います。

 また、もっと動きやすく作りやすくするために、道具の配置を変えたり、新しいスケジュール表を作ったり、日に日に変わっていくジャム作りや、すぐに実行に移すメンバーに刺激や、吸収できることがたくさんあります。

 ジャム作りは9月の初めまで続く予定です。変わらない品質で、どこまで進化できるか。

 より良いものへと変わっていけるイメージを実現できるように、仲間と向かっていきます。