【山小屋便り8月号】「キュウリの手入れ、収穫 ―― 野菜を育てる楽しさを知って ――」 えりさ

 中畑のキュウリは現在収穫のピークを迎えています。毎日、順調に40キロ以上取れていて、山盛りになったコンテナをよいしょよいしょと古吉野まで運んで、台所や食卓へ届けます。宝石のようなツヤと、触るとチクッと痛いぐらい張りのある美しキュウリは、最初からこんなに元気ではありませんでした。

 私たちキュウリチームは、試行錯誤しながら、成功体験の積み重ねて、ここまで辿り着いたのです。

 3月に新しい畑のシステムになってから、それぞれの担当野菜が決まりました。なのはなに来てから色んな野菜を担当させてもらいましたが、こんなに毎日継続して野菜を見る機会は初めてで、本当に嬉しかったです。

 自分たちが主となって野菜に1番良い手入れを考える、という重大な責任を持つと、緊張するが、いかに素晴らしい野菜を育てるために、キュウリを知り尽くし、頑張りたいという気持ちでいっぱいになりました。

 キュウリチームは、りんねちゃん、さやちゃん、私の3人です。良いキュウリを育てたいという願いを強く持っていて、本当に心強い仲間です。3人で情報を収集して今後の手入れを考える時間は本当に楽しいです。

 4月末にキュウリ第1弾を定植しました。日差しが特別強い日で、苗は猛暑の中、くたっと萎びていました。活着するか心配で、多めに水を与えたが、数日経ってもなかなか元気を出してくれませんでした。

 良いスタートダッシュを切れなくて、悔しい思いがたくさんあったが、その分、第2弾の定植を絶対失敗しないように心がけました。

 約1週間後定植の第2弾は最初から草丈が1弾より比較的高く、とても元気でした。もう失敗しないように、慎重に定植後の手入れを行おうと思ったら、数日後、第1弾もようやく活着し、軌道に乗って顔色が良くなっていました。第1弾も2弾も着々と本葉を増やし、蔓を伸ばしてくれていました。

■ウリハムシ対策

 これでもう大丈夫だ、と安心した瞬間、葉っぱの下から小さいオレンジ色が虫が姿を現しました。 ウリ科の野菜にとっての強敵ウリハムシは葉、茎、花、実、全てを食い荒らし、病気まで運ぶ傾向のある、たち悪い害虫です。

 できる限り捕殺しましたが、次の日には一気に急増していました。まだ小さい苗を襲いかかったウリハムシの被害が広がる前に即対処したいと思いました。

 この夏、お父さんが考えてくれた無農薬害虫対策の中から、虫に火傷をさせる唐辛子焼酎と、窒息死させるための洗剤を混ぜて、強力防除を作りました。

 満遍なくキュウリの株に葉面散布すると、翌日にはウリハムシは一気に減っていて、害虫被害も増えていませんでした。目に見える効果があって、本当に嬉しかったです。

 ウリハムシは光るものを嫌うので、CDを吊るしたり、定期的に防除をし、キュウリが虫に勝てるほど元気になるまで害虫から守り続けました。

 マグネシウム、カルシウム、硫黄、カリウム、などの土に足りていなかった栄養素を施すと、キュウリは喜んで、さらに葉っぱを広げ、新枝を伸ばし、小さ雌花までつけてくれました。キュウリは本当に可愛いと思います。

■〝キュウリタイム〟

 ななほちゃんが考えてくれた「野菜タイム」もキュウリの作業中に設けました。

 「野菜タイム」とは、野菜の手入れをしている時、野菜に向かって、「ありがとう」「元気ていてね」などの声かけをする、という時間です。

 キュウリの草取りをしている時、小さく、「頑張って」、「大きく育ってね」と囁くと、キュウリは本当にそれを感じているように見えて、さらに愛着がわきます。繊細な植物に声をかけあげながら触れ合うと、心が安らぎ、植物にも良い影響があるに違いないと思いました。

 こうして、みんなでキュウリの成長を暖かく見守り、育てていきました。必要な栄養素が揃うと、キュウリは毎日見違えるほど急成長し、気づくと1番花、2番花を咲かせていました。

 初収穫した時の思いは、今でも鮮明に覚えています。6月に入って1週間も立たないある日、畑に到着すると、第1弾の株から昨日なかったはずの立派なキュウリが目に入り、驚きました。1日もしないうちにこんなに大きくなるものなんだなと、改めて植物の生命力に感激しました。

 キュウリチームで、1人1本ずつ、合計3本収穫し、「これは私たちが育てたキュウリなんだ」と何度も嬉しく言いながらキュウリを眺めました。3本とも本当に立派に育っていて、ものすごい達成感と喜びで心がいっぱいでした。夏野菜収穫のトリを飾る初収穫のキュウリにリボンをつけて食堂に飾りました。

 翌日の収量も増えていきます。今収穫できているキュウリは本当にまっすぐで、モデルのようなものばかりです。キュウリの辛子漬けにもしていて、みんな大好きです。

 しかし、夏本番はまだこれからです。キュウリの気持ちを考えて、これからも手入れを頑張っていきたいと思います。

 8月に入ったら、早朝作業の前にキュウリの1本漬けをみんなでいただきたいなと思ったり、長く収穫できるように手入れをしていきたいです。