「お化けは見た ~肝試し赤裸々リポート~」 ゆい

8月23日

 昨日の肝試しから一夜明け、今日は片付けやまとめをし、畑作業も進みました。そして夜は、ジビエ肉も堪能できるバーベキューでした。夏休みを、堪能しています。さて、昨夜のことを書き留めておかなければなりません。語り尽くせないほど、書きたいことはあります。

○お化けは見た ~肝試し赤裸々リポート~
 やっと、具体的に、全てを書けるときがきました。これまでは、内緒のお楽しみだったので、具体的なことに触れられませんでした。

 私は、9つのおばけスポットのなかのトップバッター、凄まじい形相のマスクと、赤いつなぎをきた人形が突然起き上がって宙ぶらりんになるという仕掛けのところを、やよいちゃんと担当していました。
 最初はちょっとかさかさっと動いておいて、1回驚かす。そして(あれ、もう動かないのかな)と勇気を出して通り過ぎようとしたところでがさっと起き上がって、宙ぶらりんになり、恐ろしい形相がライトに照らされて露わになることで2回目驚かす。そして、お客さんのうち、後ろに立っている人には、背後から笹を揺らして驚かし、みんなが急いで通り過ぎたところで、重低音の叫び声で追い打ちをかけるというものでした。

・準備段階では
 2、3人組になったお客さんのみんなが山を登ってくるのは、夜の7時すぎ。お化けの私たちは6時にはみんなから姿を隠し、山に準備に入りました。待ち時間が長い。しびれをきらしたやよいちゃんと私は、山を登って、仲間のおばけのところに出掛けました。
 最終段階まで、監督の須原さんの指導によってブラッシュアップされた仲間達の仕掛けを体験していきました。耳無し芳一の部屋に寄って、(お客さんはこんな感じかな)とやよいちゃんと腕を組んで演じながら、耳をとって、まえちゃんが押し入れから飛び出してきて、あけみちゃんから追い打ちをかけられるまでを体験しました。
 
「すっごいね。怖い! 怖い! すごいよ!」と大絶賛。それから、
「あけみちゃん、怖すぎてあけみちゃんの顔見ないでみんな出ちゃうかもしれないから、その扉のところに、振り返ったら既に立ってたほうがいいんじゃないかな」
 とお客さん目線でのコメントも忘れず。芳一も、まえちゃんの赤いお化けも(まえちゃん、実はただの赤いデコチュウを来ているだけで、冷静に、普通にみてしまうと可愛い。でもみんな、勢いに押されて、そんなこと気付かないんだろうなと思った)、あけみちゃんのお化けも、みんなで近寄って、和気藹々と最後のブラッシュアップに余念がないという、その光景はユニーク過ぎたと思います。
 
 芳一のけいたろうさんは、すごいお面を被って、背中にお経を描いて、そんな恐ろしい出で立ちなのに、私がこうしたほうがいいのではと言うと「そうですね、ありがたい」なんて、喜んでくれるのです。まえちゃんは、デコチュウから見える顔をほころばせて、嬉しそう。あけみちゃんは、お面が怖すぎ。笑ってるのか、どんな表情をしているのか、一切見えず。でも、芳一部屋担当のお化け3人と、お客に扮したトップバッターお化けのやよいちゃんと私の5人は、満面の笑みで、「よしっ」などと、喜んで気合いを入れて、誇らしげでした。これが、お化けたちの、仕事前の光景です。

 けいたろうさんの背中のお経は、私が書かせてもらったのですが、人の身体にこんな風にお経をかくなどという体験はないよな、と思い、とても楽しかったです。使ったのは、リキッドアイライナー。筆っぽいタッチで、ウォータープルーフなので、もし、背中にお経を書く機会のある方がいれば是非、といいたいところですが、そんな人はほぼいないでしょう。

 書けば、芳一さんはとにかく褒めてくれるのです。「うわー、すごいですね。綺麗ですねぇ。嬉しいですねぇ」と。思えば、芳一部屋のセットに手伝いに行ったとき、雰囲気づくりのため、机に置くお経を書いたり、玄関に、「耳無し芳一」というタイトル文字をおどろおどろしく書かせてもらったときも、芳一さんは「すごいですねぇ」ととにかく褒めてくれ、「まえちゃん、こんなに褒めてもらって、なんか、すっごい嬉しいけど恥ずかしいね」と私がまえちゃんに話しかけると、まえちゃんまでも「いや、ゆいちゃんすごいよー」と近寄ってきて、一緒になって褒めてくれるのです。
 なんて、優しいお化けたちなんだ、この人たちは。芳一の部屋、強烈に怖いですが、中のお化けたちはこんなにも真面目で優しいというギャップがなんともいえないと思いました。

 

 さて、時間が迫ってきて、持ち場についた、やよいちゃんと私は、最終チェックを終え、スタンバイ。うっすら暗くなった7時過ぎ、最初の3人が近づいてきました。
 どうも落ち着いた3人。セブンブリッヂ実行委員の、あやかちゃん、なおとさん、みほちゃんでした。
 なおとさんとあやかちゃんは、つい昼まで、一緒にグループミーティングをしていた仲間ではありますが。
 あやかちゃん、「ほら、これ絶対なんかあるよ。だって、人形、つってあるもん」と、鋭い。
 タイミングを見計らって、やよいちゃんが人形を吊り上げると、驚いている! しかし、なぜかこの3人は、逃げ足が、遅い。(そこは、さっと走り去るところだから!)と、心の中で訴えるけれども、3人はしげしげと仕掛けをみつめたりしている。明るいのがまずかったのです。7時過ぎはまだ薄明るい。
 焦った私が、笹で、後ろにいるみほちゃんを驚かすと、一瞬、すごく驚くが、みほちゃん、冷静に、「笹……」とつぶやき、まだ逃げる気配がない。しかもなおとさんが、紗の裏に隠れているやよいちゃんをライトで照らしてしまう。
(それはルール違反だ-!!!)と叫びたいけど、叫べない。

 私は、最後に声を上げるだけだった予定が、何故か、勢い余って、3人を追いかけてしまうという失態。もう、姿をさらしている。夢中で坂を上る。お面を被っているので、視界が狭い。誰か分からないけれど、後ろにいる人の足を掴みました。
 みほちゃんが、私の手を掴み、「お願いです、やめてください」と一言。私も、心のなかで(こんなつもりでは……。)と思いながら、茂みに戻ると、なおとさんが一言。「あ、帰って行った」
(ああ、もう駄目だ、穴があったら入りたい。失敗した。白けただろうか)と、ガクッと肩を落として、2組目に備えて、人形の顔に枯葉をかけ、長靴を履かせ、やよいちゃんと一緒にセットして、再び紗の陰に隠れました。この、ちょっと切ない感じ、分かるでしょうか。

 

 しかし、このままでは終わらない。
 今日は消灯なので、続きはまた明日書きます。