「なのはな肝試し大会」 ななほ

8月23日 日曜日

・なのはな肝試し大会 IN山小屋

「1枚、2枚、3枚……1枚足りな~い」。昨夜はなのはな肝試し大会が、山小屋で行われました。夕方5時、古吉野を出発する時から、楽しい気持ちより、怖い気持ちの方が強く、複雑な気持ちのまま山小屋へ。山小屋の天候は曇り。微かに青空は見えるけれど、ササゲの収穫をしていたら、雷が鳴り、すぐに雨が降ってきました。そんな中、雷様までが登場してしまう、なのはな肝試し大会が、今か今かと、私たちを待ち構えていました。

 6時に全員が山小屋に集まり、おじいちゃんのプレゼントの、美味しい美味しいお素麺を頂きました。おじいちゃんの山でとった竹のお皿で、ミニトマトやシソが乗った豪華なお素麺は、私が手を高く伸ばしても、まだまだ麺が繋がっていて、香り高く、優しい味がしました。副菜もカラフルで嬉しかったし、おにぎりには梅干しも入っていて、爽やかな夏メニューが嬉しかったです。
 美味しいご飯で心が温かくなったところで、私たちに恐怖を与える肝試し。お父さんの浴衣姿に、お母さんの黒いワンピース。その夏らしい姿に、気持ちまでが涼しくなり、おじいちゃんの笑顔で温かくなりを繰り返し、みんなの中にいても「大丈夫」と「怖い」が同時に心の中で暴れていました。

 山小屋の中に入ると、トイレットペーパーで作った奇妙な飾りに、障子の向こう側にはオバケや妖怪、人のような物の影。お父さんとお母さんの席の周りには、少し怖い写真や、新聞紙が敷き詰められていて、コウモリまでが飛んでいる山小屋はとても不気味でした。私は怖がりなのか、生まれた時から今に至るまで、怖い本も、写真も、テレビも全く見た事が無く、無縁でした。(何も自分の中に怖い情報を入れたくない、)とずっと思ってきて、小学校の友達でも、怖い物が大丈夫な人とは、話す事もできない位でした。1度だけ、怖いテレビがついていて、それを少しだけ見た時から、ずっとトラウマで、夜眠るのが怖くなったり、トイレに行くのも、1人でいる事ですら、怖くなりました。

 そんな私が肝試しに行くなんて、自分でも想像がつかず、未だに夢か現実か分からない程なのですが、抜け出す事も、泣くこともできずに、お父さんとお母さんの怖~いお話を聞きました。「耳なし芳一」の話も聞いたことが無かったし、お父さんとお母さんが1つのお話をする度に、1チーム目の人が肝試しに出発し、とても心がドキドキしました。私は21チーム中、17チームということで、どうにしても、最後の方までお父さんとお母さんのお話を聞かざるをえませんでした。(早く帰りたい)(もう、怖いお話はやめてほしい)とどれだけ心の中で叫んだでしょう? 本当に耳をふさぎたい位怖くて、どのお話も聞いたことが無く、お皿を数えて10枚足りないのも、何となく聞いた事がある程度でした。

 ドラえもんやクレヨンしんちゃんですら、夏の怖い物語を見てから、怖くて見るのが嫌になった位なのに、お父さんとお母さんの語り部に、せいこちゃんが伴奏まで付けて、最初から最後までが奇妙で、恐ろしくて、涙が出そうでした。1チーム、また1チームと時間が止まることなく、私たちの番が迫ってきて、もう逃げられないのだと思いました。逆に、ここまで話を聞いたら、肝試しをしないと、自分だけが置いていかれるような、あとでひどい目にあわされるような感覚がして、怖くなって、少しずつ心の準備ができました。そして、16チームのあんなちゃんとりなちゃんが出発。いつ、あゆちゃんが呼びに来るのか、背すじが正されるような、もう既に冷や汗をかいてしまっていたのですが、やっぱり、あゆちゃんは来ました。

 なのはな肝試し大会は、実行委員さんの10人位の人が、妖怪や幽霊、オバケなどの役で、何が起こるか分かりません。私はりゅうさんとよしみちゃんと3人組だったので、心強かったのですが、どうしても行く気になれませんでした。あゆちゃんから地図を渡され、光るブレスレットをつけてもらい、よしみちゃんが懐中電灯を手に、いざ出発! 最初はヤケクソだったけれど、どうしても怖さが勝ってしまい、至る所に置かれている人形に驚きました。よく見ると、恐竜やアヒルなどのお人形だけれど、中には白い靴下が吊り下げられていたり、お母さんの帽子があったり、トイレットペーパーの芯が散らかっていました。きっと、日中でも怖いだろうなと思うけれど、夜だと光を照らした瞬間に、物が見えるから、怖いを通り越してしまい、叫びました。

 少し歩くと、地面につなぎをきた人形が倒れていて、足に長靴を履いていました。りゅうさん達が「人が倒れている」というから、「大丈夫だよ、なのはなのつなぎだよ。この形だと、人間じゃないね」と話して歩いた瞬間、人形が揺れて、「ぎゃ」と言って歩き出そうとした瞬間、3段階に分けて、起き上がり、心臓が止まるかと思いました。その後、濡れ雑巾トラップがあり、白だと本当に怖かったし、また人形があってドキドキしました。

 気が付くと、あの噂の「ゲゲゲのトイレ」の前に。トイレの中にはお札があり、肝試しで4つのアイテムを持ち帰らないと、今度は1人で1周させられてしまうという、過酷なもので、緊張しました。りゅうさんとよしみちゃんに挟まれて、3人で腕を組んでいたのですが、あまりの恐怖で足も腕も、指先までが、震え出しました。これが腰を抜かすということなのだろうかと言う位、全身に力が入らなくて、前に進むのは進むけれど、頭の中と動きがまるで違いました。

 トイレを開けたら、下に風船のような人形が置かれていて、上にはお札があり、お札を取っても何も現れませんでした。「よし」と思い、帰りかけた瞬間、木の陰から妖怪のような、ヤマンバのような声を上げたまっちゃんが出てきて、あまりの恐ろしさで、転びそうになりました。そのまま、走って逃げても、前に何が起きるか分からないので一旦停止。

 前にも後ろにも進めないし、前にいても怖い、後ろにいても誰かに捕まえられてしまいそうで、四方八方、全てが敵で、全てが恐怖でした。次に向かうは、キャンプの時にお白い族だった場所。そこにも人形が倒れていて、いつ動くのかドキドキしたのですが、藁人形はその奥にあり、どうしてもそこを通らないといけません。あ、と思い藁人形をとった瞬間(お札はりゅうさん、藁人形はよしみちゃんが撮ってくれたのですが、)後ろからカサカサと音がして、白いお面を被った人が出てきました。その人と目が合ってしまったのですが、その人が笑っていて余計に怖く、あとで私の中で分析した、あの笑顔と目の笑い方は、さやねちゃんだと分かりました。(結果的に、やっぱりさやねちゃんだったそうです)

 大急ぎで帰ろうとした瞬間、人形が起きて出して、私まで飛び跳ねそうになりました。走って逃げると、辺りが暗く、次にどこに行って良いのか分からなくて、りゅうさんに、「見よう、みよう、早く、地図だよ地図地図!」と叫んでしまいました。よしみちゃんは案外冷静で、本当に私は行かれたようになり、帰りたくて仕方がありませんでした。そして、少し歩いたら、アトリエが見えたのですが、いつものアトリエと少し違いました。中から赤い光が差し込み、部屋からはお線香の香りがして、いかにも怪しげに奥の部屋が見えした。そして、そこには、手を合わせ、背中にお経が書かれて、片方の耳しかない、「耳なし芳一」の姿が。背中の形で「けいたろうさんだ」と分かっていても、ものすごく怖くて、怖くて、とてもじゃないけれど、耳をちぎらないとといけないなんて、どんな罰ゲームで、どんな肝試しだと思いました。

 恐る恐る、りゅうさんが耳をちぎると……。そこからはあまり覚えていないのですが、どうやら、芳一が振り返り、地面を張って追いかけて、赤デコチュウをきたまえちゃんが私たちを通せんぼし、必死に逃げる私たちの前に、今度は背のたかい妖怪が道をふさぎました。気が付いたら、私だけが外に出ていたのですが、背の高い人はあけみちゃんだったらしく、「え、次どこに行くの?」とパニックになった私に、指で行き場所を示してくれました。でも、それも私的には恐ろしく、せっかく教えてくれたのに、追われているような気がして、必死に走りました。実を言うと、どの妖怪の顔も見ていなかったのですが、ただ1つ言えるのは、何よりも怖いということでした。

 お父さんが以前、「怖いのは、正体が分からないから」という話をしてくださり、本当にその通りだと思います。私も、実行委員さんに申し訳ないと分かっていても、どうしても曖昧にできなくて、「まっちゃんだよ」「けいたろうさんでしょ」と言ってしまい、でもそういわないと怖く、そういっても怖かったです。芳一の元から逃げ去った後、また人形が気に吊り下げられていて、ライトで照らすと、ロープウェイのようなワイヤーがあり、(あ、これ絶対、私たちにぶつかるな)と思いました。そういうこともあり、りゅうさんとよしみちゃんとしっかり腕を組んで、「せーので走ろう」と言い、りゅうさんが「せーの」と言ったのですが、真ん中の私は猛スピードで走り、後ろを見たら、よしみちゃんが転んでスデーンとなっていて、りゅうさんが思いっきり人形にぶつかって、身体の半分が人形と密着していて、思わず笑ってしまいました。だからと言い、「大丈夫?」というものの、怖くて駆け寄ることができず、その後も3人で手をがっしり繋いで歩きました。

 すると、仮面をかぶった怖い人が立っていて、目が合ってしまい、そのままにらみつけて歩いたら、後ろから「ガー」と叫んで追いかけてきました。それがものすごく怖く、私はまた1人で走ってしまい、よしみちゃんとりゅうさんがオドオドと走ってきました。そして、見えたのは最後のお墓。ここからは本当に記憶が無いのですが、りゅうさんがお札をとった瞬間に、お墓が揺れて、中から骨が出てきたそうです。(よしみちゃんが、骨が出てきた。骨見ないの?」と言っていた気がします)

 もうゴールは目の前だけれど、お墓を過ぎてから、目の前にテレビが出て、そのテレビが砂嵐の画面で、チャンネル2と表示されていました。「まさかまさか」と思いながら、私は夢中になって走ったので、サダコのなおちゃんも見ていないのですが、思いっきり走ったら、ひでゆきさんらしい人が、チェンソーを持って走ってきて、「ギャー」と言いながら山小屋まで走りました。横を見たら誰もいないので、後ろを見たのですが、また誰もいなくて、5秒くらいしたら、りゅうさんとよしみちゃんが来ました。あとでりゅうさんとよしみちゃんに「ななほちゃん、足が速すぎる」と言われ、申し訳ない様な、思い出し笑いをしてしまうような感覚になったのですが、身体が付かれて、手足が震えて、そのままござに座り込みました。

 最後、現実世界に戻って来てからは(全て現実なのですが)、洗い物をしたのですが、どうしても震えが止まらなくて、お皿を落としまくったので、あんなちゃんが変わってくれました。それからもずっと、座っていたのですが、手足に力が入らなくて、頭も回らず、何が起きたのか理解するのに時間が掛かりました。ようやく目が覚めた頃には、みんなの姿があって安心したし、実行委員さんも帰って来て良かったです。須原さんを中心に、実行委員さんが考えてくれた肝試し大会は、楽しさを通り越して、怖く、恐ろしく、個人的にはもう2度と、肝試しをしたくないし、怖い話も聞きたくないです。

古吉野に戻るまでも、いつどこから、また誰かが襲ってくるか、驚かすか分からない恐怖があり、よしみちゃんの腕にしがみつきながら帰りました。その後もお風呂もトイレも1人で生きたくなくなり、どうにかして本を読んで寝ました。もう消灯時間なので、日記を終わりにしようと思うのですが、確かに楽しかったけれど、来年も肝試しがあったら、私は古吉野でなるちゃんと洗い物や野菜切りでもして待っています。

 今日は朝にゴーヤやオクラ、キュウリの収穫をして少し大変だったのですがゴーヤは4コンテナ、オクラは7キロと収穫できて嬉しかったです。お昼には竹運びをしたり、ダンス練習をして、りなちゃんがチープスリルズに入ってくれて嬉しかったです。午後は大豆の草取りツアーや、キャベツの寒冷紗掛けなど畑作業が進められて、豆の草取りも無事に今日で終わりました。夜にはBBQもあり、ジビエ肉の鹿やアナグマ、イノシシに牛肉、ウインナーに加え、ピーマンやナスにアスパラに玉ねぎなど、何を食べても美味しく贅沢でした。特にアナグマの脂身は、口に入れたらなくなってしまい、出てくる油はものすごく濃厚で美味しかったし、レバー部分の香りや、イノシシのスペアリブも最高に美味しかったです。