「ブラックの一員」 なつみ

8月6日

「ストン、ストン」
 包丁がまな板に当たる音が心地良く感じます。
 切られるタマネギは、皮を剥がれて真っ白なつや肌を覗かせます。
 しかし、味わっている余裕など無いのです。
 お父さんが考えてくださった最高の方法で、最高の結果を出すべく、無心でタマネギのお尻と頭を落とし、傷みを取る。
 ただそれだけ。
 時々えつこちゃんの良い返事が聞こえます。その度(私も頑張らねば)と、気持ちが入ります。えつこちゃん、素敵です。

 時々、相棒の包丁を手放し、切られた傷みタマネギの入ったザルを片手に洗いに入ります。冷たい水が気持ち良く、更にタマネギも綺麗になると楽しいです。
 綺麗になったタマネギをザルに入れ、最後の傷み取り包丁隊に繋ぎます。
「玉 ネギ子です」
「ありがとうございます。」
 現場は真剣です。
 最後、傷み取り包丁隊に入隊させて頂きました。
 最終チェックの場は厳しいです。
 ここで傷みを取らなければ、食の安全は守られません。
 誰かが見逃した傷み。みんなでチェックして取り除きます。シビアな作業なのですが、安全第一。傷みに目を光らせて作業しました。
 残りタマネギは約20コンテナ。最後まで気を抜かず、質の良い作業を出来るよう、職人になる気持ちで明日、作業に臨みたいです。

 お父さん、やよいちゃん、夕の子のサツマイモをイノシシから守るべく、罠を仕掛けてくださってありがとうございます。
 早朝作業前に、やすよちゃんと見に行くと、被害が広がっており、その場で掘り返された跡を口を開けて見てるだけでした。
 対策として、「2人でテントを張って、火をおこして、イノシシから守る」と、「お父さんに罠を増やして掛けて貰う」の2つで、どちらも本気でした。
 もし、テント案も採用して頂けるなら、出張する気持ちは出来上がっています。
 しかし、やよいちゃんは「明日の朝、絶対かかっているから」と強気で、罠を仕掛けてくれた人がそう言うのだから心強い他無いです。
 週末には、イノシシバーベキューが出来ることを祈って寝ます。イノシシが捕まっていますように。補植した苗が元気に育ちますように。

「本当の優しさ、利他心とは」
 そのことについて、シスターをさせて貰っていて考える時間があります。
 何でも「良いよ」と許すのは衝突も無く簡単で、相手も嫌な気持ちになりません。
「それは違うよ」と、真っ正面から向合えば、言い合いは確実で、どちらも心をすり減らします。
 お父さんお母さんのように、助け合って、やよいブラック頑張ります。私もブラックの一員です。
 やよいちゃんが、「かなちゃんが治るまで、私はシスターやめない」と言うのなら、私もやよいちゃんに添って、かなちゃんが治るまで根気強く付き合います。
 私もかなちゃんと治れるように、良くなれるように、お父さんお母さんの今日のお話、胸に留めておきます。

 本当は今日、『あい』について日記で語りたいところだったのですが、『あい』を読んでいて、不覚にも語る時間を失いました。
 そろそろ終盤で、じっくり読み深めていきます。明日が楽しみです。

 今日も一日ありがとうございました。おやすみなさい。