「思いっきり遊べたこと」 りな

8月1日

 今日はいよいよ海に行く日。とても綺麗な海だったよ、というお話を聞いていたので、期待と興奮でなかなか寝られないぐらいでした。
 後発組は7時朝食だったのですが、もう6時半ぐらいに先発組の須原さんや実行委員さんが出発していて、こんな朝早くからセッティングをしてくださるのがありがたいなあと思いました。

 身支度をして、古吉野を出発しました。お母さんが選んでくださった水着を着られることがとても嬉しかったし、ななほちゃんと色違いのお揃いで、ペアルックみたいに同じなのが嬉しかったです。みんなもいつもとは違う雰囲気がして、今から海に行くんだなあと、改めて感じたような気がしました。出発する時には、お父さんとお母さんの姿も見えてとても嬉しかったです。

 海までは1時間半ほどかかるそうで、それまでドライバーのけいたろうさんが眠たくならないように、車の中でしりとりを回しました。しりとりのお題は「夏」で、色んな夏の風物詩が登場しました。
行ったこともない道をたくさん通って、景色がいつも新鮮で変化していくのを見ているだけでも楽しかったです。驚いたのは、古吉野を出発してすぐの、奈義の方に入った時に、住宅地が広がっていて、こんなに古吉野と近いのに、景色がまるで違うなあと思いました。古吉野の近くは田んぼや畑の緑が多くて、本当に景色が綺麗だったんだなあと思って、古吉野の場所がもっと好きになりました。

 2メートル以上もある高いヒマワリが一面に咲いているところや、サトイモの大きな葉っぱがずらーっと並んでいるところもあって、とても綺麗だなあと思いました。
 けいたろうさんが、前の赤い橋を指さして、「ループ橋だよ」と教えてくれました。遠くから見ると直線のようだけれど、近くに来ると、ぐるっと回っているのが分かって、とても面白かったです。高い場所にあったのに、いつの間にかループ橋の上を走っていて、らせん階段のように大きなカーブを描きながら車が走っていて、楽しかったです。
 山の中をずっと車が走って行きました。山の木が一本一本見えて、ゆっくりと近づいては遠ざかっていくのがとても壮大感がありました。たまに谷間になっているところから、小さく民家が見えて、こんなに高いところを走っているんだなあと驚きました。

 山の近くを走っていて、いつ海が見えるんだろう、と思っていると、海岸の看板が見えて、進行方向に海が広がっているのが見えました。
 車で海を見下ろすと、テレビで映る南国の海のような、透き通ってグラデーションになった海が見えました。本当に色が綺麗で、淡くて、日本にもこんなに綺麗な海があるんだ、と思いました。解き放たれた広い海を見て、とても感動しました。

 

 海水浴場は、たくさんの人でにぎわっていて、砂浜のいたるところにテントが張られていました。でも、先発組さんが、入り口から一番近い場所にテントを張ってくださっていて、ありがたいなあと思いました。
 お父さんから、海で泳ぐときの注意点を教えてもらって、チーム発表がありました。私はかにちゃんチームで、お父さんとお母さんも一緒で、とても強いチームだなあと思いました。1位には豪華賞品があります、と聞いて、気合が入りました。

 初めは宝探しゲームをしました。お父さんとお母さんと須原さんが、丸いボールを海に投げて下さって、それをもぐって探すというゲームです。みんなが一斉に海に入っていって、私もつられて海を走りました。私は海に入るのは5年ぶりぐらいで、砂浜や海を走る感触を忘れていました。海を走ったら、体に足が追い付かないような感覚で、すぐにぼちゃーんと海に倒れこみました。夢中で海に入ったので分からなかったのですが、全身が水に浸かると初めてひやっと海の冷たさを感じました。でも、暑い日差しが照っていたので、すぐに心地よい冷たさに変わりました。海底は、石1つ無くて、砂浜のきめ細やかな砂でした。水が透き通っていて、地面の砂浜の色が良く見えて、こんなに綺麗な海に入ったことがなくて、とても嬉しかったです。
 一瞬で、お宝12個が見つかりました。私は見つけられなかったのですが、全身まで海に浸かることが出来て、とても楽しかったなあと思いました。

 昼食までは自由時間で、かにちゃんチームはお父さんが先頭に立ってくださって、岩の洞窟のようになっているところをくぐって岩がたくさんある場所に行きました。
 そこは、穴場スポットのようになっていて、いつの間にかなのはなの子が大集結して、みんなで遊べたのがとても嬉しかったです。岩には、カメノテやムール貝などがたくさんへばりついていて、小さいのから大きいのまで、カニがたくさんいました。潜ると、岩のくぼみにウニがいて、生きているウニを初めて見たので、とても嬉しかったです。
 しなこちゃんが、バケツとスコップを持ってきてくれて、バケツにカニや海草をたくさん入れました。ウニを取ろうと引っ張ると、とても頑丈にくっついていて、スコップで取ろうとしてもやっぱり取れなくて、こんなにもウニは力が強いんだ、と思いました。でも、潜ってウニと対戦しているのが、尼さんになったような気分でとても楽しかったです。
 りゅうさんが1つウニをくださって、手に乗せてもらえたことが嬉しかったです。ウニのとげを触ると、意外と柔らかくて、1本1本が動いていました。少しの間だったのに、手のひらにくっついていて、可愛いなあと思いました。

 ウォーターベッドに乗ったり、浮き輪に乗ったりするのも楽しかったけれど、やっぱり海に潜ったり、岩にくっついている変な生き物を見つけることが何よりも楽しかったです。よく見ると、岩にたくさんカニがいて、とても大きいカニも見つけて取ろうとしたけれど、とてもすばしっこくて驚いたし、大きなハサミで指を挟まれて、痛くてカニに負けました。こんなに強い力があって、私よりもカニの方がたくましいなあと思いました。
 お父さんが大きな魚を捕まえて下さいました。こんなところにこんなに大きな魚がいるんだ、と思って潜ってみると、たくさんの魚がいてびっくりしました。真っ白で砂浜の色と同化している魚、クロと黄色の縞模様の南国にいるような魚、小魚…。でも、どんな魚も手をそっと伸ばすと、すぐに逃げてしまいました。とてもすばしっこくて驚きました。こんなにたくさんの種類の魚が泳いでいるなんて、思っていなくて、魚を取るのに夢中になりました。お父さんがメガホンを貸してくださったのですが、魚がとても賢くて、取れなかったです。でも、とても楽しかったです。

 昼食は、ハート形の卵焼きや、からあげなど、とても美味しかったです。海に入っていると、とてもお腹がすいていて、豪華なお弁当が嬉しかったです。

 

 午後からは、卒業生のりかちゃんも来てくれて、砂浜でお城づくり&ツタンカーメンづくりをしました。まず、お母さんがトロトロの砂を積み重ねる方法を教えてくださいました。砂を高いところまで積み上げたチームが高得点になると聞いて、気合が入りました。
 私はツタンカーメンの棺づくりのチームに入らせてもらいました。砂の中に埋もれる人を決める時に、しなこちゃんが手をあげてくれて、しなこちゃんの棺をつくることになりました。
 砂浜にスコップでしなこちゃんが入れるぐらいの穴を開けて、砂でしなこちゃんを覆っていきます。どんな棺にしようか迷っていた時に、まよちゃんが「人魚にしない?」と素敵なアイデアを出してくれて、人魚の形を作ることになりました。
 私はれいこちゃんと一緒に、上半身の部分を担当しました。お父さんが見に来てくださり、もっとふくらみをつけることを教えてもらいました。思ったよりも砂がたくさん必要になって、でも幅も高さもあって、本当に棺のようになりました。
 まよちゃんとさりーちゃんは、尾びれの部分を作っていました。どうなっているんだろう、と気になって上から見ると、地上絵のようなとても壮大な尾びれの形が立体的に出来ていて、感動しました。 横からは見えなかったけれど、本当に綺麗で、模様も描かれていたり、砂浜の白と茶色でグラデーションになっていて、今にも泳ぎだしそうでした。

 上半身の形が出来たところで、れいこちゃんと飾りの貝殻を集めに行きました。れいこちゃんが、貝殻と小石がたくさん落ちている場所に案内してくれました。午前遊んでいたところの入り口から近い所で、とても素敵なところでした。
 足元を見ると、石と石の間に、貝殻の破片がたくさん落ちていました。拾ってみてみると、ベビーピンクのような、淡い色の縞模様が出来ていて、とても綺麗でした。透き通っている小さな貝や、サザエのような巻貝を見つけたり、たくさんの種類の貝の破片が落ちていて、宝物を拾っているようでとても楽しかったです。

 拾った貝を持って帰ると、まよちゃんとさりーちゃんが尾びれの完成度をもっと高くしていて、「nanohana mermaid」という文が海藻で作られていて、本当に凄いと思いました。水しぶきを浴びせて水玉の模様があって、とてもダイナミックでした。
 お城を見せてもらうと、お母さんが教えて下さったトロトロの土で積み上げる方法でとても高くまで積みあがっていて、さらに波が打ち寄せてくるのを防ぐために頑丈な塀まで立ててあって凄いなあと思いました。砂でここまで立体的に積み上げることが出来るんだなあと思いました。前には大きな入り口があって、本物の城みたいで住めそうだなあと思いました。
 とても日差しが暑くて、砂浜の表面も焼けるように熱くなっていました。でも、しなこちゃんがずっと同じ体勢でずっと完成を待ってくれて、しなこちゃんにも完成したマーメイドの姿を見てもらいたいなあと思いました。

 貝で飾りつけをしたり、上半身の部分を砂で白く色付けたり、時間が余ったので最後は周りの砂も綺麗にして、よりマーメイドの姿が浮かび上がるように出来ました。完成して上から見ると、これ以上手を付けられないぐらい美しくて、芸術作品のようで、一緒に作らせてもらえたのがとても嬉しかったです。

 時間になって、他のチームの棺やお城を見せてもらいました。どのチームもクオリティが高くてアイデアも面白くて、みんながすごいと思いました。印象に残っているのは、須原さんチームがツタンカーメンそっくりな棺を作っていたり、なおとさんチームが、なおとさんを「世界芋ほりチャンピオン」と名付けて、筋肉ムキムキでスコップを持っている棺を作っていたり、タージマハルとそっくりで囲いに海草の緑がとても鮮やかな可愛い城などです。壊すのがもったいないぐらいだったけれど、棺に入っていた人が一斉に棺をぶち破って出てくるところが、棺で眠っていた人がいきなり生き返ったみたいで面白かったです。

 

 そのあとは少し自由時間があって、スイカ割をしました。スイカ割をする会場は、スイカ割をするために作られたかのような素敵な場所で、観客席とスイカを割るところの間には、浅い川が流れていました。川の源流のところには、スイカが冷やされてぷかぷかとしていました。
 1チーム対1チームの一騎打ちでした。去年もしたけれど、今年はもっとグレードアップされていて、コーチが指導する場所も決まっていたり、10歩以上歩かないなど、ルールが厳しくなっていて、平等になっていました。最初は、まくわうり割がありました。
 こんなにまくわうりは小さいのに、たくさんの人がまくわうりを粉々になるぐらいヒットさせて割っていて、見ているだけでも楽しかったです。割ったまくわうりはそのまま切られて回ってきて、食べさせてもらいました。とても美味しかったです。

 私のチームは、お父さんがコーチをしてくださいました。私はスイカ割をさせてもらいました。なぜかスイカはまくわうりよりも割れる率が低かったので緊張しました。
 目隠しをして、3回転すると、ちゃんと立つのもあやふやなぐらい方向が分からなくなりました。棒も思った以上に重たかったです。
 お父さんが指示をしてくださりました。まっすぐ歩こうとしても、足がよたよたでしか歩けなくて、本当に前に歩けているのか不安になりました。でも、10歩目ぐらいでお父さんの声が近くで聞こえて、近くにスイカがあることが分かりました。
 そんきょをしてから、お父さんが方向を教えてくださいました。お父さんが「棒を地面と平行にもって」というアドバイスをくださりました。思いっきり棒を振って叩くと、棒が跳ね返るような振動がしました。目隠しを取ると、スイカが縦にひび割れていて、とても嬉しかったです。でも、ぱかっとは割れなくて、スイカは頑丈なんだなあと思いました。割れたスイカは、すぐにカットされて、頂きました。とてもジューシーで甘くて、味が濃かったです。こんなにも甘いスイカは食べたことがないなあと思って嬉しかったです。

 スイカすれすれで棒を振り下ろしている姿を何回も見て、本当に難しいなあと思いました。でも、去年のチャンピオンのなつみちゃんが、本当にかっこよくスイカを真っ二つに割ってくれて、見ていてとても気持ちが良かったです。ゆるぎなくスイカに大股で近づいていって、すごい速さでスパッと割ったなつみちゃんがすごいなあと思いました。割ったスイカは、黄色い果肉が見えていて、鮮やかでとても綺麗でした。

 最後は、お父さんとお母さんのスイカ割り対決も見ることが出来ました。お父さんを誘導するのはりゅうさん、お母さんを誘導するのはあゆちゃんでとてもハラハラドキドキしました。
 お父さんもお母さんも、竹の棒を構えている姿がとてもかっこよかったです。スタートの合図で、お父さんもお母さんも真っ直ぐ歩いて、とてもスピーディにそんきょの姿勢に入って、本当にすごいと思いました。お母さんがスイカを割ったのと続けてお父さんがスイカを割っていて、さすが私達のお父さんとお母さんだと思いました。見ているだけで息を飲むぐらい真剣勝負で、名勝負を見させてもらえてとても嬉しかったです。

 スイカ割りが終わって、帰る時間が迫ってきてとても寂しい気持ちがしました。最後の種目は、宝探しゲームです。これで海に入るのも最後で、チームの順位もこのゲームで決まるので、思いっきり楽しもうと思いました。

 お父さんとお母さんと須原さんがボールを投げて下さいました。今回は、投げた場所も見ることが出来ました。お父さんとお母さんがボールを投げる瞬間は、心臓が止まるぐらい緊張して、スタートの合図をドキドキしながら待ちました。お母さんが投げ終わったところで、スタートの合図があって、それと同時にみんなが一斉に海に走り出しました。
 みんなの走る水しぶきが全身を濡らして、前が見えないぐらいでした。ゴーグルも付けてはいけなかったので、必死に海底を探し回りました。海が日光を反射して、光っているものがゆらゆら見えて、ボールがあるように見えたけれど、足で探すと砂の滑らかな感触しかありませんでした。
 海は、底が石でごつごつしていて、クラゲがたくさん漂っているものだと思っていました。だから、こんなに砂浜にゴミがなくて、広くて、綺麗な海があること、クラゲよりも海草や魚が多い海があることを知れたことがとても嬉しくて、海というものがとても好きになったなあと思いました。宝探しゲームでは、お宝を見つけることが出来なかったけれど、最後まで波に揺られながら海に浸かることが出来てとても気持ち良かったです。

 出発する車の中で、海を上から見送りました。上から見ると、私達が自由時間で魚を追っていた付近も見えました。その時は、とても広い範囲のように思えたけれど、海全体を見た時には、ほんの一部でしかなくて、もっともっと広がっていました。
 大きくて広い海で遊んでいると、とても解放感がありました。帰ったら日常に戻ることが寂しくもあったけれど、遊びつくして眠たくて、古吉野に帰る気持ちにすっと入ることが出来ました。

 古吉野では、桃作業で残っていたあんなちゃんやはるかちゃん、お仕事組さんが「おかえりなさい」と笑顔で言ってくれて嬉しかったです。海に行けなかったメンバーも、また日を決めて海に行けるようになるとおかあさんがおっしゃって、言葉では表せないような本当に綺麗な海を見てほしいなと思いました。

 夜は、ぐっすりと深い眠りにつくことが出来ました。大好きな家族と一緒に海を一日満喫できて、みんなと殻を破って思いっきり遊べたことがとても嬉しかったです。チームの人とチームワークを築いたり、全員が一体となって楽しんだら、1人よりも何倍も楽しくて、みんなと海に行かせてもらえて、こんなにも貴重で大切な時間はないなあと思って、本当に嬉しかったです。