「安らぎと感動」 さりい

7月13日         

 今日でなのはなに来て23日が経ちました。
 これは私のなのはなに来てからの初めての提出する日記です。最初は自分の日記なんて提出したくありませんでした。私の考えてることで人に知られたいことはあまりないです。今でも正直少し抵抗があります。でも今日はなんとなくですけど提出してみます。
 なのはなに来て私は本当にいろんな感情をかんじています。1日の間でもいろんな感情を感じています。
 最初の数日は私にとってはとても孤独な数日でした。孤独といっても全然悲しくない孤独感でした。どこか心地よい心安らぐ孤独感と言えばいいのかもしれません。ここには私の2個上のお姉ちゃんえりさちゃんがいます。だからきっと独りぼっちな気分にはあまりならないだろうと思っていました。
 しかし、えりさちゃんは全然私と話してくれませんでした。どうしてだろうと思ったし普段は喧嘩ばかりとは言え正直少し寂しかったし戸惑いました。でも今になってなぜそうしていたのか少しわかる気がします。私になのはなを自分からの目線で経験して欲しかったんだと思います。もし私と最初からたくさん話していたら私は最初のうちは否定的な意見や不満をお姉ちゃんに押し付けていたかもしれません。それも私は自分からなのはなに行きたいと思っていなかったからです。それでも私はここでしばらく生活をすることになったのです。そしてここで生活をする間はなるべく、自分のこれまでのいわゆる精神病施設の経験や固定概念を捨てて、ここの生き方を経験してみようと思いました。
 ここにいる間はみんなと同じように畑作業に参加し、夜にはソフトバレーをやったりお父さんの話を聞いたりしました。1日1日がすごく忙しくて考え事をする暇もあまりないです。とても充実していて夜になると身体はクタクタです。

 そんな感じで1日目から私は畑に出てたくさん作業をしました。畑作業の間はみんな黙々とそれぞれの作業をします。あまり言葉は交わさないし、作業をしている時は私自身も無心になるので頭の中もとても静かです。 自然に囲まれた静けさの中で何時間も過ごした後にみんなが集まっているところに戻っても疲れているのであまり会話も多くないです。なので自然と孤独感を感じました。でもその中でふと止まって考えてみると自分は今を凄く楽しんでいる事に気づきました。そして止まって周りをみるともの凄く綺麗な景色に囲まれていました。ここにいるみんなはもうとっくに慣れていると思いますが東京育ちの私には目の前一面が田んぼや畑の緑色が広がっている景色がとても新鮮で心地よいです。こういう平和な毎日を過ごしていくとだんだん私の心は安らいでいる気がします。

 もちろん辛い日もありました。良くない孤独感ももちろん感じます。でもそれは一時的なもので寝たり本を読めば消えます。でもそういう寂しい孤独さや心地良い孤独さはなのはなにいるある3人といると和らぎます。真っ白いうさぎのアカリちゃんと真っ黒い猫のクロと小鳥のピーちゃんという3匹の小動物です。
 私はなのはなに来る前はあまり動物に興味ありませんでした。でもこの3匹の動物を見るとなぜか凄く安心します。動物ほど正直者はいません。嫌がっている時ははっきりとそれを示し嬉しい時は尻尾を振るなり頭を擦り付けてきたり分かりやすくそれを示します。そういった仕草がとても愛らしいです。そして動物は言葉で私を傷つけたりしません。動物に対して優しく接したりしたら向こうもそれに答えて甘えてきます。凄くシンプルで人間同士みたいに面倒くさい関係ではないのです。
 アカリちゃんはまだ人間には慣れていなくてたまにおどおどしちゃうけれど人参やきゅうりを近づけるとすぐ寄ってきます。できるだけ毎日ウサギ小屋の掃除をしようとしますが、忙しかったり雨が降ったりすると2日や3日に1回になってしまいます。でも私以外にのえちゃんやまきちゃんが掃除をしてくれます。みんなもアカリちゃんをもっと可愛がってほしいです。
 クロは毎日は会えません。自分の好きなときやお腹が減った時に現れます。私はそれがとても好きです。猫には不思議な魅力があります。時には無視してくるし時には頭を足にこすりつけてもっと撫でてといっているみたいに顔をに手近づけてきます。私はそんなクロに好かれたくてたくさん首の後ろをかいてあげるんですけどやっぱり無視するときは無視されます。
 そして小鳥のピーちゃんがいます。普段絶対近寄ってこない動物が部屋に入ると一直線で自分の肩に飛んでくるととても不思議で嬉しい気持ちになります。肩に乗り髪の毛や耳たぶを食い物だと思ってくちばしでパクパクしてくるのがくすぐったいです。でも自分の肩から離れてほしくないから私はそのくすぐったいのをグッと我慢してしまいます。でもピーちゃんは結局は私から離れて他の人の肩や頭の上に飛んでいきます。今は扇風機に当たって羽を怪我しているので飛べませんがぴょんぴょん元気に飛び回っているので大丈夫です。
 こうしてわがままで食いしん坊なアカリちゃんと自由気ままなクロと甘えん坊なピーちゃんは私の心の支えになっています。

 もうひとつ書いておきたいことがあります。それは桃のことです。お父さんはトウモロコシが好きらしくみんなにトウモロコシに凄さに感動して欲しいらしいけれど正直私は桃の方に感動しました。(トウモロコシはとても美味しかったです)。
 味にはもちろんですが私は桃の木に特に感動しました。桃の木なんて今まで見たことありませんでしたし特に見たいとも思いませんでした。しかし、車で畑や近くの体育館に移動する時に見えるたくさんの桃の木がずらっと並んでいるのを見るのは私にとって1つの大きな楽しみです。
 桃の木は普通の木みたいに1本の太長い主幹からたくさんの細い枝が延びているのではなく地面から数センチのとこで3本の太い主枝に別れそこから枝がたくさん幅広く延びています。身長はそこまで高くありませんが枝が幅広く延びるので大きな木に見えます。
 桃の木の葉は縦が長めで色は比較的明るい黄緑色をしています。そしてたくさんの桃がその木で今収穫されるのを待っています。桃1つひとつに外の害から守るために薄橙色の袋がかぶせてあります。なので遠くから見てもたくさんの果実が実っているのが分かります。上手くこれを読んでいる人が想像できるか分かりませんがものすごく幻想的です。
 なんだか夢の国にありそうな木です。私はこの桃の木に感動しました。
 桃の木が大好きです。そしてその木の桃もとても甘くてジューシーで桃が食卓に出ると心の中でよっしゃと言って喜んでいます。なのはなでは桃ジャムも作られています。とても美味しいです。東京にいる私のお母さんとお父さんにも食べて欲しいです。