「優しい光景」 りんね

7月6日 

*キュウリの収穫

 今朝も、キュウリの収穫をした。
 嫁入りが始まって以来、毎日欠かさず収穫、嫁入りを行っている。今日は朝の間雨が止んでくれていて、雨に濡れずに済んだ。なつきちゃん、のえちゃんが好意的に助っ人に来てくれて、とても嬉しかった。
 今日は、40キロ以上の収量があった。最近は20キロ台で続いていたので、普段の倍が取れたことになる。昨日化成肥料をやったせいもあるだろう。

 キュウリには、ベト病のような、葉脈間を区切る黄色い斑点の症状が、下葉から目線くらいの高さまで上がってきた株が半分くらいあるかなと思う。けれど、これだけ連日雨が続くと、不可避である気がする。細菌はどこにでもいるし、長雨が降ったら日光消毒もできなくて、どうしても病気は広がってしまうんじゃないか。

 それでも、病気であっても、元気である。よい実が安定して取れているのが、現実であり、救いである。
 本当は先週牛肥をやりたかったが、できなかったという懸念があるので、それは雨後に早急に行いたい。
 雨後どういう変遷をたどるのだろうかと思うと、緊張する。7月はもちろん、8月、9月までも、収穫できたらいいなと思う。どうか、元気であり続けてくれますようにと、祈っている。

 

*イチジクの見回り

 雨が降っているとき、ふと思い立ってイチジクの見回りに行った。すると、驚愕の事実に対面した。
 挿し木床の一部が、水たまりになって、挿し木が浸水していたのだ。
 浸水した挿し木は全て、芽が出ていない。芽が出て、元気よく育っているのは、紛れもなく、少し丘になっていて水を免れた挿し木たちであった。

 ああ、そうだったのか。今まで、どうしてこんなことに気づかなかったのだろう。挿し木であったって、ちゃんと畝を立てないと、雨が降ったら浸水して、酸素が吸えなくなって死んでしまうに決まっているではないか。
 イチジクは、水の要求量が多く、酸素要求量も少ないが、酸素要求“度”は果物の中で最も高く、酸素の最低限が足りなくなると間もなく枯れてしまうのだ。

 雨の畑は、晴れている日と随分様子が違っている。水たまりになっていないところでは、晴れ間はしなびていた葉も、ぴんと、肉厚なイチジクの葉として立っていた。喜んで雨粒に打たれていた。
 

 遅くなってしまったが、挿し木の生育差の重大な原因に、気づくことができた。水はたくさん必要だけれど、浸かってしまうとアウト。当たり前のことでもある。もっと美意識高く圃場を作っていれば、こうはならなかった。

 あやかちゃんにも相談させてもらって、早急な対策としては、水たまりになっている側の一片に溝を切ることになった。
 こうとなっては、もう復活することはない、という挿し木も多いだろう。仕方のないことだ。残念だが、こうして学んでいくしかない。今残っている子たちを、しっかり育てていこうと思う。

 

*布草履

 今日は1日、布草履を編んだ。
 ゆいちゃんやあやかちゃんが実行委員となってくれて、図書室の中心にダリアを生けて、みんなが輪になって座れる、素敵な会場を作ってくれていた。
 古吉野の中心の屋根の下、雨の日に家族が集って布草履を作ることは、昔の田舎のような、優しい光景だった。

 私は去年、人間には細すぎてとても履けない、小判のような草履を半分作りかけて、断念してしまっていた。今日は、去年のリベンジだった。
 とにかく横幅が狭くなりすぎないように、初めからよく意識して編んでいって、けっこういい太さで作ることができた。しなこちゃんとペアで一足、今日はちゃんと鼻緒をつけて、完成させられた。
 これが、完成品を揃えてみると、長さは揃ったのだが、太さは結構ずれてしまった。しなこちゃんの方が、私のより一回りくらい大きかった。でもまあ、鼻緒の位置も揃えられたし、履いてみればさほど気にならない、と思った。
 まあ、ちょっとでこぼこな完成品になってしまったけれど、そういうときがあってもいいかな、許してもらえたらいいな、くすっと笑って誰かが履いてくれたらいいな、と思った。

 

 今回、成長したことがあった。
 布草履はねじりながら編んでいくことで、厚くなって、丈夫に、素足が地面につかないようになる。このねじりが、編みながらだと難しかった。
 最初にグルグルねじってから編むと、もどかしくもほどけていってしまって、ほどけたり、ねじったり、やりながら編んでいると、背筋がぞっとしてきて、このままではいけないと思った。

 1日、時間をかけてやるのだから、その分上達しなければならない。布草履のプロフェッショナルに、ならなければならない。そう思って、自分なりに一番いい方法を模索した。
 そういう風に心持を正すと、間もなく答えが見えてきた。まず、三本の指でしっかりと今まで編んできた部分を抑える。新しい布をねじった都度、三本指のいずれかでしっかり押さえて、ほどけないようにすれば、確実に編んでいけた。
 また、この3本指の開き幅で、草履の幅を調節することができた。この方法で編むと、自然に、立派に美しい草履になっていった。こういう草履作りなら、もっとたくさんやりたいと思った。

 一度コツを掴めば、怖いものが無くなる。これから先、新たに作るときも、誰かに教えるときも、いい仕事ができるだろう。1つできることが増えて、嬉しかった。

 

 午後のはじめ、お母さんがゆりちゃんを抱っこして、図書室に来てくださっていた。
 ゆりちゃんの、後ろから見ても、表情を見ても、かわいらしいこと、愛らしいことと言ったらなかった。
 初めてあいさつに来てくれたときはびっくりして泣いてしまったが、もうなのはなに馴染んだのか、みんなの中で安心しているようだった。
 みんなが穏やかに草履を編んでいる中に、のぞみちゃんやゆりちゃんがいると、ああ、嬉しいなと暖かい心持になった。
 お母さんも仰っていたように、ゆりちゃんが、なのはなのみんなに愛されて、しっかりした体幹で抱っこされているのが、本当に幸せなことだなと思う。
 こんなに、赤ちゃんがいて嬉しい心持になるのは、初めてだった。なのはなが、赤ちゃんにとって素晴らしい環境であることが、本当に嬉しい。