「気が付くと7月」 けいたろう

7月3日

・気が付くと7月

 5、6月とかなりあたふたとした時間を過ごしていた。忙しかったように感じる。よく言うと日々が充実していたのである。
 ……決して怠慢で日記を書かなかったわけではない。5月から新たに与えられた役割について見つめていたのである。年相応の責任というものを果たしていかなければならぬ、という気持ちで毎日過ごしてきた。
 1人で責任を負っていくのであればそれはそれで楽なことなのかもしれない。失敗して撃沈するのは自分1人だけなのだから。しかし、複数人でいくつかのタスクをこなしていくとなると別だ。仕事の仲間との連携をうまいこととっていかないといけないし、決められた時間の中でこなす必要がある。その仕事の対象は野菜であり、それは収量にも関わってくるわけでおままごとではないことを忘れないようにしていきたい。
 固くなってしまったが、つまり防除や肥料やり、アミノ酸調合の任務をいただいたのでこれからもしっかりやっていきますよ、ということだ。

・手のひらがオレンジ

 集合後なのはなの湯にて顔を洗おうと手を開いたら、何か全体的に、オレンジ色だった。特に右手の指のつけ根のほうが。金時太鼓で豆でもできて腫れたかなと思ったが昨日風呂に入ったときは違和感はなかった。オレンジオレンジ…みかんを食ったか。いや、久しく食べてないし手が染まるほど大量に胃袋に入れるはずもない。てのひらを鼻に近づけた。あ、わかった。今日の午後の作業の名残だ。

 天気は雨ということでなのはなでは室内作業がメインとなっていた。最近斜畑で全収穫したCチームの自家ニンジンの冷凍が早急となっていた。午後の作業ではその冷凍のための前段階として軽く洗い、皮を剥き、カットするという工程を行った。カットは乱切りにするものと細切りにするものが必要になるという。私は細切りをすることになった。と言っても包丁をつかったわけではない。おろし器だ。河上さんが始めにやり方を教えて下さった。長さが3センチ程度になるように、そして押しつけずにごく軽い力で手を前後に動かし回転させる。下から細くなったニンジンがポロポロとおちてゆく。うーんいいものだ。
 ピーラー部隊や乱切り部隊もいたのだが、私は終始おろし器片手にほそーくなったニンジンを眺める仕事に徹していた。不思議と右手は疲れなかった。どうしたものだろうか。力を加えていないというのはあったかもしれない。食管に溜まっていく大量の千切りニンジンに目を奪われていたのだろう。あのやわらかな触感。鮮やかで細やかな橙。芸術だ。

・アスパラ部に復帰

 Cチームのアスパラ担当となった。アスパラ畑とはご無沙汰の関係になっており、もう少しで音信不通になるところだった。また収穫や嫁入りや手入れに関われると思うと嬉しい。
 去年はアスパラと一緒に成長して伸びていったようなものだったのでアスパラは特に思い入れが強い。これからがピークの時期になるので張り切っていきたい。