「流れにのせてもらって」 りんね

6月29日 

 今日は激動の1日だった。すごく、いい1日だった。

*土寄せ

 今日の大人数作業での目標は、大豆の土寄せをすべて終えることだった。
 私も、朝、午前、午後、全部土寄せ作業に入らせてもらった。
 大人数作業の中に入らせてもらうと、力が湧いてくる。みんながいることで、本当に自分の力が底上げされるのだ。

 最近、いつも隣にまよちゃんがいる。今日もふと気づくと、スタートの牛肥バケツリレーで、まよちゃんが隣だった。
 まよちゃんの太陽のような、大きな大きな笑顔を間近で、日ごろから感じられることは、本当にありがたいことである。まよちゃんに笑顔を向けてもらうと、自然に笑顔になる。笑顔に誇りを持てて、元気が湧いてくる。
 バケツリレーでは、体が軽くて、まよちゃんと同じ気持ちに溶け込んで、本当に楽しく疾走していた。牛肥なんていくらでも運べる感じだった。
 さすがに、飛ばしすぎてちょっと体力がきついな、限界かな、と、一瞬頭を過った。けれど、そんなことはない、もっともっと、力はあるはずだ、と自分に言い聞かせて走り続けると、いつの間にかまたすぐに力がみなぎってきた。牛肥入れは最後まで気持ちよいスピードで回転し続けられた。あっという間に終わってしまった。

 土寄せも、本当に楽しい作業だ。みんなでやるから、どんどん次の畝に進んで、飽きることがなくて、それも、いろんな畑で、思う存分土を寄せることができる。

 のりよちゃんが去年のように、はじめに、お手製の“土寄せ解説図”をみんなに見せて、土寄せの目的と、寄せる位置を分かりやすく説明してくれた。
 のりよちゃんの絵を見て、去年のことを思い出した。マジックで描かれた、ものすごくわかりやすくて、味があって、見せてもらうと思わず嬉しくなった、のりよちゃんの絵が、リニューアルされて、またみられる日がくるとは! また今年も、土寄せが始まることが、嬉しく思えた。
 肝心の目的は、一に根の張りをよくすること。次に倒伏防止、収量アップ、雑草抑制、水はけをよくすること。土寄せ、素晴らしい作業である。
 第一回目の土寄せは本生葉の真下、第二回目は第一本葉の真下まで土を寄せる。これが頭に入れば、あとは実行するのみだ。

 畑によって、第1回目と第2回目の大豆が混在していた。だが、大豆の成長具合が、どちらの土寄せにしても最適のようで、すっと、ここまで土を寄せればいいのだ、ということが分かった。
 第2回目の時期に入っている大豆は、もう一人前に、茎を太くして、自分の力で立っていた。ここまで来たら、もう安心だと感じた。

 

 午前の土寄せは、のりよちゃんがみんなにお茶をこまめに飲むように気を遣ってくれた。はじめは、そんなに飲まなくても大丈夫だろう、と思っていたのだが、いざ、高く昇っていく太陽のもと、土寄せを続けていると、いくらも経たないうちにのどが渇いて、お茶が美味しく感じられた。
 朝食後の2時間の作業の間に、6杯は飲んだと思う。夢中になって土寄せをしている最中に、ふとのりよちゃんが冷えたお茶を手渡してくれた時、一番おいしかった。

 

 一体何枚の畑を回ったのか、分からない。でも、10枚以上は確実にあったと思う。今日1日で全てを終えられたなんて、信じがたいほど、すごい。
 そして、今日の一番最後だった、前原さん小畑での土寄せが、一番楽しかった。
 最後はゆうのこ畑と前原さん小畑に、全体で分かれた。
 そのため、人数は半数だったのだが、のりよちゃんが遊び心を利かせてくれた。畑の手前側と奥側を同時に進めるために、“ピーマン派”か“トマト派”かで、2チームに分かれた。
 私はトマト派になって、ここでも、気づけば隣にまよちゃんがいた。
 掛け声も、あちらは「ピーマン!」こちらは「トマト!」。白大豆の畑でトマト! と叫ぶのも、楽しかった。途中でのりよちゃんが、「赤くなる!」という掛け声も考えてくれた。「赤くなれ!」じゃなくて、「赤くなる!」。みんなで声に出したら、きっと古吉野のトマトまで届いたと思う。嬉しかった。
 まよちゃんの声が、いつも惜しみなくて、嬉しそうで、傍にいるだけで幸せな気持ちになった。

 お母さんのお昼の集合で、元気が湧いて、最後まで頑張れた。本当に、しんどいときほど、動かせてもらうことのありがたさを感じる。
 みんなの中で流れにのせてもらって、ちゃんと力を出して働かせてもらえることが、本当に嬉しい。

 

*いちじく

 今日は、朝、少しいちじくの様子を見に行った。
 朝7時前の畑では、葉が朝露に濡れて、どの木も瑞々しく、美しく、生き生きとしているように目に映った。

 どうも、幼木の両端2本は、極めて生育がいいようだ。良く伸びている枝の葉を数えてみると、16枚あった。緑も丁度良くて、見ているだけで嬉しくなった。

 それと対照的に、内側の2本は生育が劣る。はじめは1本だけ、植えた当時から小さかったのだが、今では、内側2本の生育具合がほぼ同じくらいだ。葉色が黄色っぽくて、少し弱弱しく、下葉から茶色い斑点が進行しつつある。
 両者の違いは、おそらく、水の量であり、両端に水が溜まりやすく、内側が乾きやすい。

 だから、今日の水やりでは、基本一本に一杯のジョロをやり、内側2本に半杯ずつ足した。
 もみ殻や落ち葉の下で、挿し木から幼木まで、全て土は湿っていた。だが、これから晴れることを考えると、水をやっておくべきだと思った。
 今日はABパターンの時間で、ちせちゃんに協力してもらって、挿し木と幼木に水をやった。ジョウロを持って往復するのは、意外と二の腕の筋肉に効くのだが、トレーニングも兼ねていると思って、走った。これでどんどん腕力がついて、もっと重くても運べるようになったら、イチジクにもっと水をやれる。

 水やりを基本にして、またあやかちゃんに相談してみようと思うのだが、絶対やったらいいだろうという手入れがある。
 イチジクは、各栄養分の中で、もっとも吸収率が高いのが、なんとカルシウムである。 そして、カルシウムの吸収が年間で一番高まるのが、新梢が伸びてゆく6月から7月だ。カルシウムは五割以上葉に吸収されると資料にあり、クエン酸石灰をぜひ葉面散布したい。
 挿し木、幼木、成木、全てに大いに有効なのではないかと感じる。また、緩効性肥料として、牡蠣殻とキトサンを混ぜて根の先ほどに埋めてやりたい気持ちがある。

 あと、河原にあるイチジクの大木、これは葉を見る限り、どうやら桝井ドーフィンではない。また実も見て、調べる必要があるのだが、ホワイト・ゼノアか、ブラウン・ターキーのような気がしている。
 もしそうだったら、これも実の味を見てになるけれど、来年、剪定した枝で挿し木ができる。
 イチジクのことを考えると嬉しくて、楽しくて、本当に、果樹を育てるということが、面白いなあと思う。こんなに面白いことはないんじゃないかというくらい、考えるだけで嬉しくて、もしかしたら、私の人生に、いちじくが長くかかわってくるかもしれない。運命の出会いなのかもしれない。嬉しいなと思う。