「台所の視点から」 りんね

6月16日 

*午後

 15時半から、ABパターンで野菜切りに入っているのだが、今日はなっちゃんと私、二人だけだったので、台所にお手伝いで入らせてもらうことになった。
 台所の戸を開けると、目の前に満面の笑みのなるちゃんがいて、「お待ちしておりました!」と無邪気に迎えてくれて、受け止めきれないほどの嬉しさでいっぱいになった。
 台所では、河上さんが頂いたイノシシ肉を捌いており、なるちゃんが夕食の甘えびを揚げていた。私はなるちゃんに教えてもらって、春雨やキャベツを湯がしたり、キャベツを絞ったり、細々と手伝わせてもらった。
 初めにざっとやることの手順を教えてもらったとき、これは正念場だと思った。頭をいつもより回転させてなるちゃんの言葉を聞き逃さないように頑張った。

 キャベツは、大鍋を使ってゆがした。大鍋の湯が沸騰するとき、地獄の釜さながら、ぼこぼこと沸きあがった。初めは緊張したが、大鍋の素晴らしい火力で、豪快に70人分の(10キロほど)キャベツを2回に分けてゆがしていくのは、本当に楽しかった。
 あっという間に、キャベツが半透明になり、ある部分は緑を濃くし、鮮やかに艶やかにゆであがった。それを大きなざるとボールで受けて、大量の流水で一気に冷ます。
 すぐにも冷えて、ビタミンがあんまり流れないように素早く水から上げた。
 絞りはなっちゃんと二人で行った。なっちゃんに教えてもらって、8割の加減で絞っていった。量は多かったが、すごく速く絞り終わった。

 キャベツは、今朝収穫作業にも入らせてもらったのだが、先日の雨で見事に柔らかくなった。それだけじゃない。日照りが続いていたころは、石頭かげんこつのように、固く、凝縮されて小さくなっていたキャベツちゃんだが、そういったものが全くなくなって、今は、平べったく、大きく構えて、中はふんわり詰まった、極上のキャベツばかりになっている。
 こういうキャベツを見ると、中に赤ちゃんが入っているんじゃないかなと感じる。それでこそキャベツ。私は美しいキャベツがかなり好きだ。
 朝食後の野菜切りでは、ほぼ毎日キャベツを切っているのだが、雨後のキャベツはなんと4玉で11キロだった。ひと玉が大きくて、驚くほど柔らかいのが切っていても分かる。
 水が十分に行きわたると、こんなにも変わるのだなと、それと、一度は固くなっても、復活できるのだなと、実感できて、嬉しかった。これからは灌水も行えるし、今年もいいキャベツが収穫出来ることは、本当に嬉しいと感じる。

 そのあと、キュウリを大根つきでついた。河上さんに、「絶対に押し付けたらいかんで。軽くやるんで」と教えていただいた。
 軽く素早く、美しく、作業しなければならない。
 すっと見て、あるべき作業に導いてくださる河上さんの存在が、本当にありがたい。
 私はキュウリチームであり、なるちゃんに、「ちょっと太いですか」とそっと気になっていたことを尋ねた。「そうだね。あと、先が少し細いね……少し棘は出てきたけど……」と教えてもらった。
 やはり、まだ完璧なキュウリではないようだった。
 また、なっちゃんに教えてもらって、中にすが入っているキュウリもあった。今日収穫したものだが、雨前の水やりで、確実に水不足が生じていたのだろう。
 夜、ななほちゃんやキュウリチームのみんなに報告できたので、明日からの水やりではもっと水の量を増やしていけるだろう。
 水が野菜にとって本当に必要なことは、お父さんお母さんに何度も教えていただいている。お母さんの、「野菜の主食は水だからね」と教えてくださった言葉の通りだ。

 駐車場のイチジクの幼木は、一向に成長していない。葉の色は濃い緑をしているのに、伸びない。これは間違いなく水不足であろう。明日から、起きたらすぐに手で水やりをしようと思った。
 効果があったら、嬉しい。