【山小屋便り6月号】「古吉野なのはなに隠れたお宝を探せ! ―― 新ゲーム! 謎解きに挑戦! ――」 なつみ

「いかん、いかんぞ! このままでは人間はコンピュータの奴隷に成り下がってしまう! 由々しき問題だ!」

 午後6時半頃。あゆちゃんの放送で体育館に集合した私たちの前に現れたのは、慌てふためく、虹色の髪の毛と白衣が特徴的な黒縁丸めがねの男性。その隣には同じく白衣を着た、めがねの女性。

 男性の名はドクター・ナーゾ。コンピューターに支配されそうになっている人類に危機を感じ、たった1人立ち上がった天才科学者。女性は天才科学者の助手。

 彼らは人類を救う救世主を探す術として、今夜、古吉野の住民に謎解きを課した……。

 なのはなで、遊びと同じくらい楽しみにしている寸劇が終わり、いよいよ謎解きが始まります。

 あゆちゃんから、いくつかのルール説明を聞き、「それでは、オープン!」の声と同時に、謎の書かれた紙を一斉に開きました。

「六角形の屋根の下。キュリー夫人が待っている。」

 読むと同時に、「古吉野にある六角形は、図書室しかない!」と気付き、走り出します。他のチームも紙を開けた3秒後くらいに走り出していて、とにかく、みんな早かったです。

■みんなが焦る

 全速力で図書室に向かうと、キュリー夫人の本が3冊ほどあり、最初はどの本を探しても次の場所が示された謎の紙が見つからず焦りました。

 遂には、「待って、図書室って本当に六角形の屋根だっけ?」となり、みんなで屋根が何角形かを数え始めてしまいました。

 てんやわんやしていたら、新しいキュリー夫人の本を発見。

「あった!」という声がして、次の謎が書かれた紙を広げて皆で見ました。

「深い森の中にある、赤いダイヤ。」

「赤いダイヤって何!」

 みんな、焦ってて冷静に考えられません。そこでゆきなちゃんがポツリと呟きました。「小豆……?」

 なのはなで保管している小豆は深緑色のボックスに入っています。謎の紙に書かれた深い森は緑ボックス、赤いダイヤは小豆でした。渡り廊下にある緑ボックスに、次の謎が書かれた紙がありました。

 2問目を終えて、(みんなで答えの場所に行ってしまったら、他のチームも嗅ぎ付けて、答えを見つけてしまうのではないか)ということに気づきました。

 あゆちゃんもルール説明の時に、「答えとなった場所に、自分たちの足跡を跡形もなく消し去ること」と、注意を促してくれてたのを思い出し、そこから私たちのチームは、みんなで答えを導いて、実際に答えの場所に行くのは2人と決めました。

 出だしは躓いてしまったけれど、その後は挽回するかのような猛スピードで謎を解いていき、(これはヒントマンにお世話にならなくてもゴール出来そうだ)と思って、少し気を抜いていたところに、難解な謎が私たちの目の前に現れました。

「覗いてごらん。海でも池でもない、船が見える場所を」

 船と聞いたら、みんな2019なのはなウィンターコンサートで使われた船しか思いつきません。

 まさか、船のある図工室に謎を隠したとは考えにくいです。さあどうしようかと考えていたところに、体育館でヒントマンチャレンジをしている他のチームを発見。

「折角だからヒントマンやってみよう!」という話になり、ドクター・ナーゾが待ち構える机の前に、ヒントをもらいに行きました。

 ヒントマンチャレンジとは、ドクター・ナーゾ率いるヒントマンと、いくつかのチャレンジから1つを選択して、対戦します。勝利するまでチャレンジはやめることができません。

 私たちは、テーブルの上で、紙コップを決められたルート上に息を吹きかけて動かし、ゴールを目指すものを選びました。

 ドクター・ナーゾのチームより早くゴールしたら1勝。ヒントを貰うためには3勝しなければなりません。

■ヒントマンチャレンジ!

 なかなか手強いドクター・ナーゾとの戦いに心を砕かれかけたけれど、なんとか勝利し、ヒントを貰うことに成功。小さな声でヒントマンが、「みんながいつも、浸かっている船」と言った瞬間、私たちは、「あぁ!!」と叫びながら、湯船にダッシュしました。

 湯船に浮かぶ豆腐パックに、次の謎が書かれた紙を発見しました。

 以降の謎はみんなで協力してあっという間に解き明かし、最後の謎の答え、体育館のピアノに「ゴール」と書かれているのを見て、廊下で待っている仲間にゴールを伝えに行きました。

「やったー!」と走りながらみんなで体育館に駆け込んで、45分間ほど走り続けた身体と頭を休めました。休みながら、この謎解きは自分1人では解ききれなかったなと思い、仲間と協力してゴールできた喜びに浸りました。

 最後のチームもゴールして、あゆちゃんが、「お父さん、明日のお昼も謎解きやって良いでしょうか」と、尋ねました。

 答えがどこか分からないまま、ただ仲間の後ろについてダッシュしているだけでも楽しくて、謎が分かるとスッキリして気持ち良くて、(明日のお昼にもやりたい!)と思い、お父さんがオッケーを出すのを願いました。

 お父さんは、「良いでしょう!」と言ってくれて、とても嬉しかったし、また明日もできるんだと思ったらワクワクしました。

 なのはな初の謎解きゲーム。謎解きはもちろん、寸劇も面白かったし、何より予想していなかった校内ダッシュで、次の日は筋肉痛でした。

 初めてのことを楽しく、面白く進めるというのはとても難しいことだと、お父さんお母さんは教えてくれます。

 今回が初のゲームだったのですが、もっとやりたいと思うほど、本気で、真剣で、最高にクリエイティブなゲームだと感じました。