【山小屋便り6月号】「田んぼで豊作祈願! ―― 池下田んぼで、白熱の泥んこ運動会、開催 ――」 ななほ

田んぼの代掻きが進む5月中旬、池下田んぼで、泥んこ運動会を開催しました。全6チーム対抗、新しい種目も加わった全4種目で競いました

 田んぼのなかで遊ぶ、走る、泥になる。自分の殻を破る為には、頭から足まで泥まみれになれ。

 泣いても笑っても、一発勝負。なのはなオリジナルイベント、泥んこ大会!

 今回は全6チームが大会に参加し、4種目の競技で、ポイントを競いました。

 各チームのプラカードを掲げ、古吉野から会場となる池下田んぼまで歩いて移動しました。田んぼからはカエルの鳴き声が響き、遠くに見える石生田んぼの景色は、水が入り、とても涼しげでした。

 毎年恒例の泥んこ大会、今回は新種目も加わりました。

 優勝に輝いたチームには、豪華賞品が! そして、最下位のチームには、史上最悪の罰ゲームが……。

 そんな泥んこ大会の幕開けです。

■ドロドロに……!

 お母さんの開会宣言。ゲストの盛男おじいちゃんによる、来賓挨拶。大会会長のお父さんからのお話もあり、泥まみれになる気持ちの準備完了。

 そして、大会と言えば選手宣誓や、屈伸などの準備体操の他に、「四股を踏む」、「面・胴・鏝」などがあり、身体の準備も完了です。

「宣誓! 泥臭く、全力を尽くすことを誓います!」

 待ちに待った、1競技目は、泥んこ大会定番の「泥んこ相撲」。

 泥んこ相撲と聞いて、あまりピンとこない人も多いかと思いますが、その名の通り、田んぼの中で相撲をするという、ルールーは至って簡単なのです。

 誰でもできると言いたいところですが、田んぼが無いと泥んこ相撲のスリリングさは味わうことができないし、田んぼに飛び込む勇気と覚悟も必要です。

 チームの中で順番を決めて、誰と対戦するかも分からない。そんな泥んこ相撲は、勝っても負けても泥まみれになること間違いなしの競技です。

 身体が大きい方が有利なのか、背が高い人が有利なのか、足場の状態によっても、力の入れ具合が変わり、波乱万丈な相撲です。

 お父さんが行司をしてくださり、本気で全力の泥んこ相撲。強い人と当たった時は緊張するけれど、気持ちで負けることはありません。

 チームのみんなで声を合わせて応援をし、勝っても負けてもハイタッチ。

 そんな泥んこ相撲は、尻もちをついてドロドロになり、相手に倒されてドロドロになり、相手を倒したのに、一緒に倒れドロドロになる。

 始めから泥まみれになると、汚れたくないという気持ちが全く消えて、洋服が泥色になっても構いません。

 続く2競技目は、新種目の「チャンバラ合戦」。

 この競技は、竹刀に見立てたスポンジの刀を使い、田んぼの中で剣道をしました。「面・胴・鏝」のどこか1つを打ったら勝利なのですが、これが意外と難しい。

 柔らかい素材の刀に関わらず、攻めと守りで接戦となり、白熱した激しい戦いとなりました。

 見ていても面白いチャンバラ合戦は、時々、意味もなく刀を振り回し、時には逃げて追いかけっこのようになり、潔く一発で打つ人もいました。

 私は刀を何度も振って戦ったタイプの人間だったのですが、なかなか、どこにも当たらなく、難しいなと思いました。

 男性陣は特に力強く、真っすぐに突進して、前へ前へ進み、相手の頭を潔く打つ姿は美しい。

 また、清らかで喉かな田んぼのど真ん中で、「ポン」と打たれた音がなり、一瞬時間が止まった様な一発勝負の戦いもありました。

 チーム対抗戦なのですが、どのチームも面白く、敵のチームに対しても、ついつい大きな声で応援をしていました。

 そして、3競技目。運動会の定番、「騎馬戦」。

 みんなが全身が泥まみれになり、力強く騎馬や、騎士になります。

 田んぼということもあり、落ちてもあまり痛くないため、六チームの騎馬が一斉に戦い、騎馬が崩れ次第、敗退。

 お父さんが試合の前にルール説明と、「相手同士で協力して、強いチームを全員で倒す事もできる。相手でもあれば、仲間にもなる」と教えてくれました。

 騎馬3人の土台に乗った私は、予想以上に安定したのですが、騎馬の人達は足場も悪く不安定。

 騎士の人の力も重要だけれど、騎馬の3人の粘り強さや強い身体。諦めない精神力も重要で、4人が一心同体とならなければ、崩れてしまう騎馬戦。

 そんな騎馬戦で、私は気持ちだけはやる気満々で臨んだのですが、「りゅうさんチームを狙おうよ」と言った瞬間に、赤チームのなおとさんが周りのみんなに口パクで私たちのチームを狙うように言い、(どうして?)と思った時には、時すでに遅し。

 3チームに囲まれた私は、赤チームの騎士と戦ったけれど、後ろにいたチームに騎馬が足をかけられ、見事に崩れ落ちる。恐るべし、協力対戦。

 騎馬戦は全部で3試合行われたのですが、私たちのチームは3試合全て、赤チームに狙われ、見る見るうちに倒されていく。

(こんな戦いが良しとされるのか?!)と頭の中が混乱したのですが、数分だけれど全力で戦ったからもう仕方がないとも思い、でもやっぱり悔しかったです。

 泥臭さとともに、悔しさでいっぱいになった私たちのチームは、次の試合で挽回しようと決心しました。

 あっという間に最後の種目。「全力疾走リレー大会」。

 私たちのチームは、私を含め、背が小さ目の人が多く、相撲でも、騎馬戦でも負けたけれど、リレーだけはという気持ちで臨みました。

「位置について、よーい……、どん!」

 田んぼのなかを全力疾走する機会はそうないのですが、竹でトラックが作られ、その周りを本気で走ります。

 気持ちだけは強いのに、やっぱり、男性陣のりゅうさん、なおとさん、けいたろうさんには敵いません。

 エリマキトカゲのように足を素早く動かし、泥の中に沈む前に足を前へ動かすけれど、時々、泥スポットにハマってしまう。

 あるいは、バトン替わりのメガホンを田んぼの中に落ちしてしまう。またまたあるいは、全力で走り過ぎて、口の中まで泥水が入ってしまう。

 そんなこともあり、私たちのチームはまさかの最下位?!

 お母さんとゲストの盛男おじいちゃん、永禮さんからのアンコールがかかり、もう一度リレー大会を行ったのですが、これまた惨敗。

 チーム全員の顔に、「悔しい」と書かれている様で、このまま終わる訳には行けない空気。

 そんな時、あゆちゃんが、「まだ時間があるので、もう一度、何かの競技をしたいと思います」と声がかかり、多数決で決まったのは、やっぱり騎馬戦。

 騎馬戦では悔しい思いをしたので、(次こそは)と思い臨んだのですが、また赤チームに狙われて見事に倒されてしまいます。

 結果的に私たちのチームは、1試合で2位に残ることができました。

 そのまま迎えた結果発表。もう、私たちが何位なのか、見当がついていたのですが、「なんと、5位と最下位の点差は2点!」というあゆちゃんの声を聞いた瞬間に希望が。

 そう思ったのもつかの間で、私たちのチームは最下位となりました。

 そして罰ゲーム。「最下位以外のみんなは、田んぼの中に大きな円を作って下さい」とあゆちゃんが言い、その後、「青チームのみんなは真ん中に来て、恐る恐る入ってくださいね」と笑顔で言いました。

 何と、「50秒間、全チームから泥水を浴びせられる」という罰ゲーム。

 お父さんが大会の前に、「罰ゲームにはならない方がいいですよ」と笑顔で言っていたのを思い出し、悔しいけれど、みんなに泥水をかけられてもいいや! とも思いました。

 でもあゆちゃんが私たちの悔しさを分かってくれたのか、「罰ゲームのみんなも、他のチームに泥水をかけていいことにします」と言ってくれました。

 騎馬戦で悔しい思いをした赤チームに、思う存分泥と泥水をかけ、最後は家族全員が頭からつま先まで泥だらけ。

 罰ゲームの間は、前も見えなければ、誰の声も聞こえず、ただただ無心で泥をかけました。それがまた気持ちいい。

 その後も、4分間の自由時間で、田んぼの中では至る所で相撲が行われ、目が合ったらとにかく相撲。

 泥水の中にダイブしたり、泥団子を投げたり、スッキリしたと思ったら、後ろから反撃が。

みんなで田んぼへダイブ!

 どこのプールよりも、どこの海よりも、どこの田んぼよりも、ビショビショに、ドロドロになり、心の底から楽しい気持ちが湧き出てきました。

 きっと、世界で1番楽しくて、スリリングで、大人数で田んぼで遊んでいるのは、なのはなファミリーだけだと思いました。

 田んぼのなかに入り、全身が泥まみれになればなるだけ、自分の殻を破ることができ、泥臭く、諦めない粘り強さが実につき、小さなこだわりが全てなくなりました。

 新しい子も汚れることを気にせず、全力でチームのみんなのために戦い、笑って、力強く遊んでいて、その姿が嬉しかったです。

 泥んこ大会。スペシャルゲストの盛男おじいちゃん、永禮さんも一緒に、お父さんとお母さん、家族みんなで思いっきり笑って、全力で戦い、精いっぱいの力を出し、心から楽しんだ時間が嬉しかったです。

 ドロドロになった後は、裸足で古吉野まで帰り、あゆちゃんたちが考えてくれたシステムで、古吉野を汚さないように、泥汚れを綺麗に落としました。

 ドロドロの洋服や身体を、水で身体を洗い流したのですが、その水も冷たいけれど、気持ち良かったです。

運動会のモットーの1つ「美しく」。動線に沿って、身体を奇麗に洗い流します

 良い天気に恵まれて、田んぼ日和で、なのはな日和の中、今年も無事に泥んこ大会が開催されて良かったです。

 70人の家族で1枚の田んぼを駆け回り、代掻きされた田んぼが、より一層代掻きされて、とても良い田んぼになりました。

 なのはなのみんなで一から育てるお米に繋がる泥んこ大会。今年も大豊作を願って、稲の苗を育てる所から、みんなの口に届くまで、田植えや草取りに稲刈りなどをしっかり頑張りたいと思います!

 

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田植えに向けて、代掻きや準備を進めています!

代掻きは、お父さんチーム、永禮さんチームにわかれて、全14枚の田んぼを進めています。

田植えの相棒、田植機のメンテナンスもしました。機械植えと、家族総出の手植えで田植えを行います!