「一番の仕事~お仕事組クレド~」 なお

5月27日

〇一番の仕事~お仕事組クレド~

 私の仕事は、笑顔で元気に仕事に行くこと。
 一番に優先すべき仕事は、笑顔で「いってきます」と古吉野を出発し、一日前向きな気持ちで働き、そして「ただいま」と笑顔でなのはなに帰ってくること。
 なのはなで心と身体を立て直し、そして社会に出るひとつのモデルケースとして、その姿を(生き方を)表現する、それが私の一番の役割です。

 さやねちゃんとよしえちゃんと3人で、仕事組の生活について確認をしました。起床時間、食事当番のこと、週末の過ごし方、お父さんお母さん、スタッフさんととるべき連携についてなど、よしえちゃんと一緒にさやねちゃんに伝えました。私も、仕事にいき始めた時に、そのときなのはなから仕事に行っていた(今は結婚して津山に住んでいる)のぞみちゃんが伝えてくれたことです。

 そして、もうひとつ、お母さんが作ってくださった、お仕事組の心得(お仕事組クレドと私は呼んでいます)。そこには、仕事組がなのはなの中でどんな存在であるべきか、仕事に向かう心得などが書かれています。私が仕事に持っていく鞄にいつもその紙は入っています。今回さやねちゃんにこのクレドを渡すにあたって、あらためて私も読み返しました。
 その最初に書いてあるのが、冒頭の言葉です。

『一番の仕事は、入居者のみんなの希望になること。笑顔で元気に仕事へ行くこと』

 どこで、どんな仕事をしていても、一番大事な仕事は、まったく同じです。なのはなから働きに出るときに、一番に果たすべき役割、仕事は、元気に、希望をもって働くことです。毎日、生きること、働くこと、社会で人とかかわることに喜びを感じ、明日を楽しみに眠りにつく。それは、摂食障害になり症状に翻弄されていたときの私にとっては、一生手の届かないところにある夢物語でした。

 摂食障害の渦中にあった私は、学校に通うこと、働くこと、結婚すること、つまり、社会とかかわり、人とかかわって生きていくこと、それができたらどんなにいいだろうか、と思っていました。けれどそんな人生はもうかなわないと思っていました。
 なのはなで私は、社会に出て人とかかわって生きることができるうようになりました。そして、できる精一杯で働き、毎日ひとつは、誰かの役に立てたかもしれない、喜んでもらえたかもしれない、という小さくも確かな手ごたえを感じながら、働いています。
 もちろん、力不足も毎日感じます。失敗もあります。でも、それは私の希望を損なうものではありません。解決し、乗り越え、成長していきたいという気持ちをかきたてます。
 失敗をカバーし支えてくれる人の存在を感じ、そういう人が周りにいてくれることを、幸せに感じることができます。仕事場でも、なのはなでも、たくさんの人に支えられて、働くことができています。

 私がなのはなに来たばかりの頃、卒業生のスタッフさんや、山小屋から仕事へ通う仲間の存在が大きな希望でありました。同じような症状に苦しんでいたとはすぐには信じられないほど、明るく力強く前向きな姿がありました。
(なんだか信じがたいけれど、あんな風に生き生きと毎日生きられるのならば、治ってみたい)
 そう思いました。一歩二歩前を歩く仲間の存在が、私を勇気づけ、決して諦めることをさせませんでした。

 いま、私は次の人に、希望を伝えていく立場です。なのはなから仕事に行くことの意味を、一番大切な意味を、あらためて心にしっかりととめて過ごします。
 お互いさまで、私は生きています。私はみんなから毎日笑顔で働く力をもらいます。私は、みんなが希望を抱ける生き方を、みせます。
 仕事組としての、一番の仕事を、私はしっかりと毎日果たします。今日も明日も、私はいってきますと出発し、そしてただいまとみんなの元に帰ってきます。