「願いの帆に風を受け、この舟はすすむ」 なお

5月25日 

〇願いの帆に風を受け、この舟はすすむ

 さやねちゃんの採用が正式に決まりました。6月からは、仕事場でも心強い仲間として一緒に働きます。
 事務所で新しく一人職員が必要になった話がきたとき、まっさきになのはなファミリーから誰か働けないかと声をかけてもらいました。私はそのときから、さやねちゃんと一緒に働くのだ、と思いました。まさかこんな展開になるとは!とものすごく驚くというよりも、あるべき流れがそこにはあり、自然と導かれている静かな喜びでした。話が持ち掛けられたことをお父さんとお母さんに伝えると、2人もとても喜んでくれました。
「願った通りになっていくね」
 お母さんは、こう言いました。願った通り。本当に、そうなのだと感じます。思えば2年前に私がいまの事務所に出会い、先生に出会った時も、同じような思いを抱きました。私は、年齢のことも、時期のことも、資格のことも、ほとんど気にしていませんでした。早く就職しなくちゃという焦りはなくて、縁があるところがきっとあるだろう、と信じていました。自分の学んだことが、誰かの希望や喜び、ほんのしいさな助けや幸せにつながる生き方がしたい、ただただそう願っていただけでした。もしもその願いが、税理士という仕事という形でかなわなくても、それはそれでいいのだと思いました。そんな風に過ごしているの中での、出会いでした。

 さやねちゃんのお話も、さやねちゃん自身や、お父さんお母さん、あるいはなのはなファミリーとしての願いが、流れを呼んでくれたように思います。ボーイングチームになったときから、いつか一緒に仕事ができたら、そんな形を描いていました。現実的に、なのはなから通える場所にある事務所で、一緒に経験を積んで税理士として修業をしていくことは、そんなに簡単なことではないのかもしれません。けれど、願いというのは、それがどれだけ可能性が低いといわれる事でも、なにも関係ないのです。自分の損得ではなくて、心の中に、よく生きたい、という願いをもって生きていくとき、可能性という縛りとはまったく関係のないところで、道は開けていきます。さやねちゃんが、ずっと持ち続けてきた願い、求める気持ちが、新しい展開へとつながったのです。

 私は、願いを心にそっと携えて、舟に乗り込みます。願いは、風を受ける帆です。風は、私が起こすものではありません。無理に舵を切ることも、流れにあらがって進もうとすることもないです。ときには、流されているようにも見えるかもしれません。でも、願いという帆があるから、行く先はきっと良い方向です。
 さやねちゃんのことを思って働いていると、そこにまださやねちゃんの姿はないのに、とても支えられます。まだ先のことかもしれないけれど、さやねちゃんと一緒だったら、こんなこともできるかもしれない、と考えることもります。わたしの2年間の経験で、伝えられることは精いっぱい伝えて、一緒に成長していきたいです。のんちゃんの未来とも、つながっていけたらと願っています。
 なのはなの子にとってのひとつの自立への架け橋になる仕事場を、作りたいです。地域の人にとって、出会えてよかったと思える場所をつくりたいです。私は、人と人をつなぎ、人と社会をつなぐ、そんな架け橋になりたいです。