【山小屋便り5月号】「考え方一つで作業効率が一変! ―― 肥料入れ 数値を具体化して、よりやりやすく ――」 ちさ

 私のエネルギー源は、いっぱい寝て、いっぱいご飯を食べて、そして何よりみんなと畑に出て、ダンスを踊って、スポーツをして、笑って、力いっぱい過ごす毎日。

 野菜のエネルギー源はなんだろうか。それはきっと同じでしょう。いっぱい肥料を食べて、いっぱい水を吸って、いっぱい日差しを浴びて、そして何よりみんなからのたくさんの愛情。

 今は畑の変わり目。まだ畑には野菜たちはいないけれど、そんな野菜たちにとって快適に成長できる、力いっぱい育てる環境を作るために、みんなと牛肥を撒きました。

 改めて牛肥撒きのシステムをお父さんが作ってくれました。流れは簡単です。牛肥をてみに入れていく人が2人。そして、みんなで長い一列になり、先頭だけ2つに分岐して、肥料が飛んでいかないように筋撒きで撒いていきます。

 野菜ごと、畑ごとに、担当の人たちが撒きたい量を計算してくれていました。オクラが植わるビワの木畑には120キロ、ゴーヤが植わる野畑には300キロ、肥料食いのゴボウには、発見畑手前の1・3アールという面積に260キロ……。

 数字だけを聞いたとき、100キロを超え、とても多い、と思いました。多いことは思うけれど、抽象的にしかとらえられず、イメージができていませんでした。そんなときにお父さんが、てみいっぱいは7〜8キロ。軽トラにあおりをつけて山盛りいっぱいはこれぐらい、エルフ(1・5トントラック)だとこれぐらい。

 具体的にお父さんが目安を教えてくれました。私も具体的にイメージできました。300キロと言われたら、多い、としかとらえられなかったけれど、およそてみ40杯分ぐらい、などと、どっしりと具体的に理解できました。それなら畑半分で20杯。2人で撒くから10杯ずつぐらい……。

 考え方ひとつで、なんということでしょう。見える世界がまるで違いました。細かく考えることができることで、最後まで均等に、むらなく撒くことができました。また、とても速いです。勘ではなく、メジャラブルに考えられたことによって、迷いなく作業できたことがとても大きかったです。

■野菜への思いを

 畑によって、野菜によって、牛肥の濃さは倍ぐらいに違います。ゴボウの畑は、撒いていて満足しすぎる気持ちになったぐらいにとてもたっぷりやりました。肥料食いの野菜はこれぐらいやるのだと視覚的にも認識できて、これからにつなげたいと思いました。

 100キロを超える、とてもスケールの大きい作業でした。けど、とても繊細でもあったと思いました。肥料が足りなければ、野菜はすぐに葉が薄くなったり、生育が遅くなります。多すぎても同じです。元肥はこれぐらい、という大胆すぎる感覚ではなくて、次にこの畑をおうちとして育つ野菜が欲しい量だけを、それも均等に撒けたことがうれしかったです。

「はいっ」と隣の人が、勢いよく、リズムよく渡してくれます。そのテンポ感が私は大好きで、みんなと一列になってつないでいく、バケツリレーでの牛肥撒きは本当に楽しいです。みんなの笑顔と、汗と、野菜への思いを代表して撒きました。よくなじんで、野菜のエネルギーとして、生育を助けてあげてほしいです。

「今のっている牛肥は何キロぐらいだと思う?」

 エルフの残量をみて、お父さんからのクイズがありました。軽トラにあおりをつけていっぱいが300キロぐらいだから……800キロぐらいかな。

 正解したとき、嬉しかったです。きっと今までだったらわからなかっただろうと思いました。けれど、軽トラやエルフ、てみなどのおよその量を教えてもらったからイメージができました。

■牛肥撒きのプロを目指して

 今まで、そうやって、がけっぷちの気持ちで勘を働かせたり、気持ちを使って作業してこなかったと思いました。お父さんの気持ちの使い方、システムの作り方、野菜への向かい方をそばで感じさせてもらって、学ぶことばかりでした。

 たった牛肥撒きをするのでも、やりがいのある面白い作業にもできるし、大変な作業にもなります。それはシステムの作り方、プランの立て方次第なのだと改めて感じ、お父さんのように考え、作業に向かえるようになりたいと思いました。お父さんがよくお肉屋さんのお話をしてくれるように、私もこれからは牛肥撒きの量に関してはプロでありたいです。それぐらいの緊張感をもって、勘を働かせて、心を使って、的確に、均等に撒けるようにしたいです。