【山小屋便り5月号】「畑の景色が変わる ―― 小村さんと山畑下の開墾作業を通して ――」 のりよ

 笹、笹、笹。

 目の前には、根笹の壁が立ちはだかります。私達は草刈り機を構えて、山畑畑下の開墾作業を開始しました。

 場所は、小高い場所に位置する山畑のすぐ下の畑「山畑下」です。斜面に位置し、水はけや日当たりが良く、防風ネットも取り付けられていて、桃などの栽培に適した畑だと教えてもらいました。

 開墾初日。気合いを入れて根笹を刈り進めました。根笹は高さ2〜3メートル、直径1センチほどの細長い笹です。4カ所から刈り進めていき、ペアで根笹を刈る人、根笹をどかす人で、着実に刈り進めていきました。

山畑下の開墾で刈った根笹は、すだれ作りに活用しました00
今回の開墾は、畑を作物の栽培に使えるようにする目的と、もう1つ。夏の日差しや暑さから野菜を守る、自家製のすだれを作るための根笹を確保する目的がありました。

 盛男おじいちゃんがすだれ作りの道具をくださったり、お父さんやすだれ作りチームのみんなが中心になって、開墾作業と同時にすだれを作り進めてくれていました。

 根笹の刈り取りは2日ほどで終わりました。私は、(早く刈り終えることができた)と内心嬉しく思いましたが、その後の根笹の回収、移動などの段取りが抜けてしまっていました。

 根笹の向きが異なり、絡み合ったものをどう回収するか、不要な根笹をどう燃やすか、今後の作業性や作業効率など、問題が発生しました。

 作業が行き詰まりそうになってしまった時、いつも田んぼの水の管理や草刈りをことを教えて下さる地域の小村さんが、全面的に開墾作業に協力して下さいました。

 小村さんが開墾の極意、「1つひとつ、手をつけていく」ことを、作業をされる姿や段取りからも感じさせていただきました。根笹の刈り取り、回収、雑木の伐採、燃やしなど、どの作業も、欲張らずに確実に進めていく仕事がとても奇麗でした。

 いつもお父さんが、作業のプラン、その根拠の大切さについても教えて下さいます。開墾や、日々の活動に向かう気持ちも引き締まり、これからにも繋げていきたいと思いました。

 作業の合間にも、小村さんがこの畑の歴史についても話してくださり、畑のこれまでのこと、現在、そして未来へと繋がっていく過程に携われることに責任や嬉しさも感じました。

■一望できる景色

 開墾作業では大人数の力も感じました。膨大な根笹の回収も、みんなの力で半日で終えることができました。永禮さんもきて下さり、根笹の刈り取りや、チェーンソーで雑木の伐採をしてくださる姿も力強かったです。

 小村さんや永禮さん、みんなの大きな力で、日ごとに畑の景色が変わっていきました。みんなで畑を作っていける過程がとても濃く感じました。

 開墾作業を始めて約2週間。すべての雑木や根笹の刈り取り、燃やしを終えて、畑から広々とした石生の田畑が広がる景色を望むことができました。

 拓けた山畑下、そこから望む景色を、小村さんやみんなと見られて、とても清々しい気持ちになりました。

 それから数日後、小村さんが古吉野なのはなに来てくださり、私達の演奏を観て下さいました。

 地域の方に田畑のことを教えていただいたり、支えていただきながら、みんなで畑を作っていけること、色々なことを吸収させていただけることがとても嬉しいです。

 現在、お父さんがユンボで笹の根の掘り起こしを進めて下さっています。お父さんとユンボが一体になって、ユンボがお父さんの手のように動きます。

 畑として作物を育てていけるように、これからも大人数での根の回収や、トラクターがけも進めていきます。

 開墾作業を通して感じたり、吸収させてもらったことを積み上げて、これからにも繋げていきたいです。