「お母さんとの作業」 るりこ

5月17日

○お母さんとの作業

 今季初、田んぼに入りました。まえちゃんとみかちゃんと、お仕事組さんも一緒に、3枚の田んぼの畦際の草取りをしました。
 石生田んぼと那岐山三反田んぼでは、裸足になって、田んぼへ入りました。水は思っていたよりもひんやりとしていて、片足をそっと入れた瞬間、足先から肩の辺りにかけて、ゾクゾクッと鳥肌が立ちました。でもすぐにその冷たさに慣れて、両足を入れると、気持ち良いとさえ感じました。同じようにさきちゃんやのえちゃんも、足を入れた瞬間、「おぉ」と思わず声が出た、という感じでした。
 田んぼに入るのが好きです。自然の冷たさはいいなと思います。

 作業中、みかちゃんがずっと、みんなのために動き、声を張り上げて指示を出し続けてくれました。みかちゃんの伝え方にはトゲがなくて、みかちゃんはどこまでも大きいと思いました。

 

 午後からは古吉野を夏仕様にしようという、お母さんの声に、全員で掃除に取りかかりました。ストーブをしまい、扇風機を出すチーム、簾を取り付けるチーム……。いくつかのチームに分かれ、わたしはお母さんと何人かの子と一緒に、プール横サイドの倉庫の片付けをさせていただきました。お母さんと、長時間の作業をさせてもらえたことが、素直に嬉しいと思いました。

 プール横サイドの倉庫を片付けるのは久しぶりだったので、どこから手を付けたら良いのか迷いました。初めは恐る恐るといった感じでしたが、お母さんが全体をみて指示を出してくださいました。まずは草取りをしよう、それからハウス系のものは外に出そう、机はプール横に並べよう……。お母さんはスケール感を持って、どうするべきかを見ていました。そして段取りを立てて、次から次へと指示を出し続けてくださいました。
 
 わたしは初めてのこと、新しいことをするとき、必ずといっていいほど、何から手をつけたら良いのかわからなくなります。手当たり次第に手を付けてしまって、収拾がつかなくなってしまったり、どうしても時間内にきれいに納めることができません。
 でもお母さんは1つを見るのでなく、全体を見て、広く物事を考えていました。大人数の力を上手に利用して、常にみんなに役割があるように声を掛けてくださいました。わたしは、お母さんが大きくて、そして優しいと感じました。お母さんが居てくださる、そのなかにいると、わたしも安心して作業に、自分がやるべきことに向かうことができました。

 

 倉庫からは様々なものが発掘されました。古吉野小学校で使っていた、理科の実験道具、蓄音機、なかには石の採集セットまでありました。それを見つけたとき、(お母さん、喜ぶかな?)と、真っ先にお母さんを思い浮かべました。やはり、それを見たお母さんが、「わぁ!」と声を上げている声が聞こえてきて、何だか嬉しかったです。
 小学生のときだったら、当たり前にあるもので、何とも思っていなかったものが、なのはなにいると、宝物のように思えました。全てが、工夫したら今すぐにでも使えるものに見えました。それを想像するだけで、わくわくしました。それは、お母さんもみんなも同じようでした。
「これ、ソフトバレーで使える!」「これは防除の薬を計れる!」
 みんなが喜ぶ歓声が、たくさん聞こえました。お宝探しをしているようで、わたしのなかにあった少年心がくすぐられたようでした。

 

 時間が迫ってきても、お母さんはどっしりと構えていました。
「そろそろ、閉まっていこうか」
 そういうお母さんを見て、お母さんは信じているんだと思いました。作業が終わることも、時間内にきれいに収まることも、みんなのことも。
 わたしも何だか大丈夫だと思えてきました。お母さんの指示のなかで、みんなと協力しながら物を運び出したり、収納したりしていると、無我夢中になっていました。いつからか、わたしのなかにも、(倉庫をきれいにしたい!)という思いでいっぱいになっていて、その目的のために自分の身体を使うことが気持ちよくて、楽しいと感じました。

 気がつけば、他の掃除場所が終わった、たくさんのみんなが駆けつけに来てくれました。
 お母さんを中心に、みんなで作業をする時間が本当に嬉しかったです。

 最後、きれいになった倉庫をみて、清々しい気持ち、やり遂げた達成感、程よい疲労感と、お母さんとみんなとの楽しかった時間が終わってしまう、ちょっぴり寂しい気持ちもありました。
 お母さんと作業をさせていただいて、お母さんの大きさ、みんなを引っ張ってくれる強さ、そして包み込んでくれる優しさに、お母さんが好きだと思いました。
 またいつか、お母さんと作業をさせていただけたらと願います。
 今日は本当にありがとうございました。

 おやすみなさい。