「桃の摘果2巡目」 るりこ

5月14日

○桃の摘果2巡目

 レタスの収穫が勢いよく進んでいます。今朝から第2弾の収穫も始まりました。

 今日は1日を通して、あんなちゃんたちと桃の摘果を進めました。
 今年は3月に暖かく、4月に寒かった(霜が降りた)ために、実の結実が揃わなかったそうです。あんなちゃんが、「わたしもこんなことは初めてだ」と言っていました。
 実の付きや早生か晩生か、また、桃の特徴などを踏まえて、品種ごとに摘果の基準を変えながら進めました。

 午前中は古畑と奧畑の桃の摘果をしました。
 古畑の『白皇』と『紅清水』は、最終着果数よりも1.5倍程度の数を残しました。

 あんなちゃんが、”双胚果”という実があることを教えてくれました。名前の通り、胚が2つある実で、そういうものは良い実ではないために早い段階で落とすそうです。
 双胚果と通常果の見極め方をあんなちゃんが教えてくれたのですが、それがが興味深かったです。通常果は、縫合線が6:4の割合で分かれているのですが、双胚果は5:5になっているそうです。
 また、双胚果ほど、実が大きいとのことでした。わたしはてっきり、縫合線はきれいに真ん中にあるものかと思っていましたが、通常の実ほど縫合線が真ん中にはないということが驚きでした。

 今日の段階で双胚果を見つけることはなかったのですが、双胚果を割ってみると、本当に真ん中に胚が2つあるのだと、あんなちゃんが話してくれました。そういうことも見極めながら摘果をするので、摘果は本当に難しいと思いました。

 陽が照っていて、今日も暑かったけれど、葉が生い茂った桃の木の下は、少し木陰になり、時折、暑さが軽減されました。
 夕食の席でななほちゃんとりなちゃんが言っていたように、桃の葉は緑がとても濃くて、青々としています。
 大体の桃畑は高台にあるので、そこから見渡す、木々と空に浮かぶ桃の木は、輪郭がくっきりとして、コントラストがよく映えて美しいです。
 池上桃畑からは、石生の田んぼの広がりが見えました。ところどころの田んぼには水が入って、水面がきらきらしているのが見えました。

 『はなよめ』は、ジューンブライドというように、6月に収穫ができる極早生の品種です。あんなちゃんが、「最終着果数にします」と言って、その基準を見せて教えてくれました。
 最終着果と聞くと、本当に緊張します。今の自分の摘果で、付く桃の実が決まります。みんなの空気も緊張感が高まっているのを感じました。
 1本の枝だけを見るのではなく、枝の全体をみて、残す実と落とす実を判断し、最終に絞りました。

 池上桃畑の『おかやま夢白桃』は、最終着果数よりも1.5倍程度を残しました。
 あんなちゃんが、『おかやま夢白桃』は大玉になるため、実と実の間隔は約30センチ前後にして、一枝にならせる実の数をできるだけ多くしたいと教えてくれました。大玉ほど、間隔を広めにとるのでは? と思いましたが、そうではなく、大きくさせすぎないように、あえて間隔を少し狭めにするのだそうです。

 品種によって、考慮することがたくさんあるなか、あんなちゃんは桃の木1本1本を心の目で見て、感じて、判断して、その木に1番ベストな選択をしていました。あんんなちゃんが桃のことを惜しみなく教えてくれて、その時間がとても嬉しかったです。

 1日中、桃の木をみて、桃の実に触れていると、少しずつ目が桃を見る目になっていくのを感じました。桃の実は薄らうぶ毛に包まれ、とても肌触りがいいです。ポロポロと実を落としていく感覚は、やってみたらわかりますが、とても心が落ち着きます。

 帰り際、あんなちゃんが桃の枝の一部を剪定し、切り落とした枝を、「生けよう」と持ち帰ってくれました。車の中で、ななほちゃんとりなちゃんがその枝についた実をとって、半分に割り、香りをかいでいて、「あっ! スモモのにおいがする!」と発見しました。わたしも鼻に近づけてみると、少し甘酸っぱさのある、スモモの香りがしました。まだ赤ちゃんで熟していないからかな、と思いましたが、それでも優しくて、ずっとかいでいたい良い香りでした。

 明日の雨までに、必要な木の2巡目の摘果を終える目標です。実の生育にバラつきがあるため、全ての木が最終摘果になるのではないそうですが、1回1回、1本1本、ベストな形で摘果をしていきたいです。
 あんなちゃんが伝えてくれること、教えてくれることを精一杯で吸収して、できるようにしたいです。
 あんなちゃんと一緒に桃作業に入らせていただける時間がとても濃くて、そしてあたたかくて、楽しいです。

 お昼前、廊下でお母さんと、ほんの少しでしたが言葉を交わしました。お母さんがおっしゃった言葉に、「はい」と言っただけだったけれど、お母さんが向けてくださった笑顔に、すごく安心した気持ちが広がりました。
 わたしはお母さんが大好きです。お母さんの笑顔をみると、何だか大丈夫だと思えて、自分はここにいていいんだと思えます。

 おやすみなさい。