「自由に大きく」 よしえ

4月28日(火)

 土曜日に、桃の霜対策に行かせていただきました。

 念願の桃の霜対策。
 休みの前の日だったので、あんなちゃんが、声をかけてくれました。
 霜対策がどのようにされているのか、また、お母さんやみんなが話してくれる、美しく幻想的な世界を知りたかったので、今回行かせていただけて、とても嬉しかったです。

 出発は、夜中の2時半くらいでした。
 外に出た瞬間、夜空の星が手でつかめそうなくらいに近く、大きく、空一杯に広がっていて、今にも星が降ってきそうなくらいで、別世界にいるようでした。
 今回のメンバーの、みかちゃん、るりこちゃん、あやかちゃん、やよいちゃんも、言葉にはしないまでも、みんな同じ気持ちで星空を見ているのを感じました。
 それと同時に、私たちはこれから、桃を霜から守るという役割があるんだ、という緊張感を感じました。

 最初は梅林からスタートでした。
 チャッカマンを片手に、すでにみんなが準備してくれて、並べてくれていた一斗缶に、火を点けていきました。
 その後、開墾畑、池上桃畑、奥々田んぼ、石生桃畑、夕の子畑の順に回り、点火をしました。
  真っ暗な畑に、一つずつ明かりが灯っていき、眠っていた畑が、少しずつ目を冷ましていく感じがしました。
 原始的で、とても幻想的な世界に、どこか安心するような、そして力が湧いてくるような、そんな気持ちになりました。
 桃の木が、火に守られている感じがしたし、桃の木の存在感に、木の力強さを感じました。

 みんなが事前に、一斗缶に火を点けるだけでいいように準備してくれていたので、私たちは火を点けるだけでした。
 システム、段取り、準備の大切さ、そして、こうしたみんなの力が、自分達の作業に繋がっているのだと思い、みんなで霜対策をしている気持ちになりました。

 今回は、仮眠を取らず、夜明けまで見回りを続けます。
 と、あんなちゃんが教えてくれました。
 見回りでは、火が消えていないかを確認しました。
 米ぬかで火をおこしたものは、竹の棒でかき混ぜ、空気を入れると、再び勢いよく火が燃え上がりました。
 木っ端のものは、あとどれくらいで夜が明けるかを考えて、追加する木っ端の量が変わってきました。
 
 的確に指示するあんなちゃんの姿がとても格好良く、自分達も、あんなちゃんと同じ気持ちでいたいと思いました。
 そして、あんなちゃんが桃を見る姿から、桃を想う気持ち、愛情を感じ、とても綺麗だと思いました。

 見回りは、3巡しました。
 この日は霜がきつかったと、あんなちゃんが話してくれたのですが、本当に、地面が白くなっていくのがわかりました。 

 いつの間にか、空の星がなくなり、徐々に空が明るくなってきました。
 それにつれて、もうすぐ気温も上がってくる…といった、少し安心する気持ちが出てきました。
 桃の木も安心しているような気がしました。

 最後の見回りで、梅林に着いたときと同時に、朝日が昇ってくるのをみんなで見ることができました。
 大きく燃えて、揺れている朝日がとても力強くて、何だかご褒美をもらえたようでした。
 そして、とてもすがすがしく、みんなで無事に霜対策を終わらせられたという安心感に包まれました。
 みんなの表情、気持ちも穏やかでした。

 あっという間の3時間半でした。
 みんなで桃の木を霜から守るんだ。という同じ気持ちで動き、そして、この幻想的な美しい世界をみんなで共有できたことが、本当に嬉しかったです。
 
 いつも見ている世界が、まるで違って見えました。
 帰りの道中も、いつもの道が、どこか開けていくような、一段明るい世界が広がっているような、そんな気持ちになりました。
 
 桃の作業は、昼間と夜では全然違うのだと思いました。
 敵雷、摘花、受粉、収穫…と繊細な作業も多いのですが、夜の霜対策は、自分達が戦士になったような気持ちでした。
 あんなちゃんは、甘く美味しい桃を育てるために、こんなにも心と身体を砕いているのだと思いました。
 そう思うと、自分ももっともっとちゃんとしなければと思います。
 人に頼らず、甘えず生きていかなければいけないと思います。

 夜の星空、桃の木の存在感、力強い太陽…。
 大自然に触れ、自分の小ささを感じました。
 目の前の、小さな事に囚われず、もっともっとスケール感を持って、生きたいと思いました。
 いつも感じるのですが、自然は、そんな自分の気持ちを大きく受け止め、そして、大きく構えて、待ってくれているような気がします。 
 
 大自然のように、スケール感を持って生き、そして寛大に、自由に、大きく生きたいです。

 桃の霜対策に行かせていただき、本当に嬉しかったです。