【山小屋便り4月号】「7つの橋 ―― 初めてのセブンブリッジ大会 ――」 なつき

「セブンブリッジって知ってる?」
 入居日からお世話してくれるシスター(先輩)2人が目を輝かせて聞いてくれる。あまりの眩しい笑顔に少々うろたえつつ、何のことかまるで分からない。

 ロンドン橋、ブルックリン橋、日本橋(笑)……? それとも治療の一環として何かしら7つのスタンスがあるのか、古来のことわざなのか、この地域に伝わる豆知識なのか。

  時間さえあればフル回転で考えてしまう私の頭の中は一瞬のうちに色々な可能性を弾き出していた。

 答えは、トランプゲーム。ババ抜き、ウノ、スピードと同じトランプゲームだ。

 毎月7日の夕食後に入居者全員(お父さん、お母さん、スタッフ、普段お仕事に出ているメンバーも含む約70人)が一同にリビング(教室)に集まり、ぎゅうぎゅう詰めになってトランプゲームを大盛り上がりで行うということだった。

 なかなか昭和風で私は好きだ、と思った。私はなのはなのセブンブリッジ大会に初参戦した。

 入居して日が浅い人は、前もってルールやゲームの流れをほぼマンツーマンで指導を受ける徹底ぶり。ゲームはチーム対抗戦で、曜日ごとに分かれた7つのグループがそれぞれの色のレイ(フラダンス時に首にかけるカラフルな花飾り)を身に着けてそれぞれの持ち場についた。

 同じグループから2人1組になり、そのペアもあらかじめ発表されている。私のぺアはルールを教えてくれたなつさんだった。各チームから1組ずつ出て計14人が1つの円になり、リビングには六つの円ができた。いざ決戦。

「よし、来い! 来い!」「おねが〜い!」「え? もう上がり? やめてー」「一発!」「ウギャー(悲鳴)」「ギャンブルやめてよ、ほんとに」「あー、しまった今ポンだった!」ゲーム開始と同時にさっそく声が上がって盛り上がってくる。

 たかがトランプのゲームなのにここまで盛り上がるのか? 正直なところ、目の前で繰り広げられる少々異常な盛り上がりに置いて行かれそうだった。ペアの菜都さんもいつになく興奮気味で、ベテランなはずなのにカードを持つ手が震えていた。

 チームごとの総数で順位が決まるため、味方の勝敗が気になる。お父さんお母さんも時折携帯を確認しながら淡々と上がっていく。強い。

 途中で対戦するチームメンバーを変え、ボーナスクイズを挟んで計10試合行った。容赦なし、手加減なしの真剣勝負。あっという間の2時間半だった。

 トランプカードを並べて顔を向かい合わせて喜んだり、悔しがったりする。不注意や勘違いでみすみす逃したり、カード運に左右されて一喜一憂する。

 今まで見たことのない仲間の素の姿。対戦相手のウワーやアチャー、味方のオッシャーやよっしゃ! の顔が飛び込んでくる。

 トランプゲームは、古代から受け継がれる、人間同士ならではの醍醐味なのではないかと思い、面白い発見だった。