【山小屋便り4月号】「春の食卓に ―― あんことエゴマのぼた餅作り ――」 よしえ

「牡丹餅」

 この漢字、一体何と読むのでしょうか…。

 正解は……、「ぼたもち」

 牡丹の花が咲く季節お彼岸に、ご先祖様のお供え物とされた小豆餡の様子を、牡丹の花にみたてたことから、「ぼたもち」と言われるようになったそうです。

 なのはなでも、毎年この季節になると、牡丹餅を作って、みんなで頂きます。

 この日は、『春分の日』で祝日だったので、私も一緒に牡丹餅作りに参加させてもらいました。 

 前日に、「明日の牡丹餅作り、よしえちゃんも一緒だよ!」と、なるちゃんが笑顔で教えてくれました。

 そのなるちゃんの笑顔が嬉しかったし、明日、みんなで牡丹餅を頂けることが、とても楽しみになりました。

 そして今回は、河上さんもいて下さるということなので、特別メニューで段取りが違っていても大丈夫という安心感がありました。

 この日の台所は、河上さん、なるちゃん、まことちゃん、あやこちゃん、私の五人でした。

(美味しい牡丹餅を作って、みんなに笑顔になっってもらいたい!)そんな想いでした。

 作業が始まると同時に、お釜のセットをしました。

 柔らかすぎず、硬すぎないお米っを炊くために、水加減が重要です。

 餅米は、柔らかくなりすぎないように、いつもより、気持ち少なめの水加減。

 ということを以前聞いたことを思い出し、いつもよりも、2ミリ少なめの水加減でセットしました。

 みんなで確認しながら、上手く炊けますようにと、祈りをこめて、スイッチを押しました。

 約30分後、ご飯が炊きあがりました。

 なるちゃんとあやこちゃんがご飯を混ぜ、すりこぎで、ご飯をついてくれました。

 ここでのポイントは、米粒全部を潰さないこと。

 そしてこの状態(半分米粒を潰した状態)を「半殺し」と呼ぶのです。

 ちょっと言葉は恐いのですが、私たちは牡丹餅を作るとき、いかに上手に「半殺し」にするのかを重要視します。

 力を込めてお米をつきながら、「お米を潰すなんて、何だか悪いことをしているみたい」

 2人はそう言いながらも、笑顔で楽しそうでした。

 台所で、小さなお餅つき大会が繰り広げられているようで、見ている私たちも楽しかったです。

「これくらいかな……」

 2人がつき終わったお米を、河上さんに見て頂きました。

「上手にできとる」

 河上さんの合格判定に、みんなが笑顔になりました。

 ご飯が完成したら、場所を食堂に移し、ご飯を丸めてプレートに並べていきます。

 今日のトッピングは、あんことすりエゴマです。

 前日に台所さんが、あんこを練り、炒ったエゴマをすって、準備をしてくれていました。

 ツヤツヤのあんこと、香ばしそうなエゴマ。

 あんこもエゴマも餅米も、全てみんなが作ってくれた、なのはな産の食材です。

 それを想うと、みんなと一緒に牡丹餅を作っているような気持ちになって、みんなの笑顔が浮かんできました。

 担当を、ご飯を量る人、それを丸めて、あんこ・エゴマを絡める人、プレートチェンジの人に分かれて、流れるように、牡丹餅作りが進んでいきました。

 まことちゃんとあやこちゃんが、ひたすらご飯を量ってくれます。

 そのご飯を、河上さんと私で丸めて、あんことエゴマを絡めます。

 ご飯を丸める感触が、赤ちゃんのほっぺを触っているようにモチモチしていて、強く握ると潰れてしまいそうで、優しく優しく握りました。

 でも、河上さんの丸めるご飯の形は、とても綺麗な俵型でした。

 河上さんの早くて綺麗な手さばきに、(私も綺麗な俵型を作りたい!!)そんな気持ちになり、河上さんの俵型の牡丹餅をイメージして握っていきました。

 ご飯を量ってくれるまことちゃとあやこちゃんも、一発でつぐことを目標にして、スピードがどんどん上がっていきました。

 ご飯を握ったら、河上さんはエゴマを、私はあんこを絡めていきます。

 鍋に入ったあんこが艶やかで大粒で、改めて、なのはな産の小豆の質の高さを感じました。

 そして、河上さんの方からは、エゴマの香ばしい香りがしてきます。

 あんこの甘さと、エゴマの香ばしさ。

 想像するだけで、笑顔がこぼれます。

 最初、私の牡丹餅は、ボテッとした形の牡丹餅でしたが、徐々に、スマートな俵型の牡丹餅が作れるようになりました。

 河上さんのエゴマの牡丹餅と、私のあんこの牡丹餅を並べて、プレートを完成させていきました。

■笑顔が広がる

 そのプレートを、なるちゃんが、私たちが作業しやすいように、流れるように机に並べていってくれました。

 なるちゃんの、人の邪魔にならない立ち位置と動きは、いつも優しいと感じます。

 なるちゃんがいてくれると、焦っていても、落ち着いた気持ちになれるし、そんな風に、自分もなりたいといつも思います。

 約30分で牡丹餅を完成させ、トッピングは、配膳のみんなにバトンタッチです。

 完成形の昼食の時間が、とても楽しみになりました。

 午後1時。

「昼食の準備ができました。みなさん食堂にお集まりください」という放送で、みんなが食堂に集まりました。

 みんなが、「わぁー、ぼたもちー」と言って、笑顔で食堂に入ってきてくれました。

 お花がパッと咲いたようなみんなの笑顔が嬉しかったです。

 そしてさやねちゃんが、この日のために、セロリのぬか漬けも用意してくれていました。

 この日は、須原さんも河上さんも一緒に昼食の席にいて下さって、お父さんお母さん、みんなと一緒に、特別メニューを頂けたのが嬉しかったです。

 正直なところ、個人的には、ご飯の硬さがもう少し柔らかかったら良かったかな、と思ったのですが、みんなの嬉しそうな笑顔と、みんなが作ってくれた食材で、手作りの牡丹餅を頂けたことが、何よりも嬉しかったです。

 この日は、急に春が来たようにあたたかく、水仙、ムスカリ、シデコブシ、木蓮など、お花が一気に咲き始めた日でした。

 みんなの笑顔が、花が一杯に咲く春の景色と重なりました。

 まだ牡丹の花は咲いていないけれど、牡丹の花が咲いた時に、きっとこの日のことを思い出すだろうと思います。

 なのはなで、こうしていつも、季節を感じる食事を、みんなで作って頂けることがありがたくて嬉しいです。

 次は、萩の花が咲く季節「おはぎ」をみんなと作りたいです。

 

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2020年・ヨモギンピックを開催しました!

ヨモギ摘みは、なのはなの春のイベントの1つです。約40名の選手が出場し、 畑のA、B、Cチームで競いました。

選手代表による宣誓からヨモギンピックが開催されました!

 ヨモギ摘みのポイントは、 「成長点の柔らかい部分だけを摘む」こと。チームで作戦を練り、制限時間1時間のなかで、ヨモギを摘みました。

1位に輝いたのは、約700グラムのCチームで、実行委員から賞状が贈られました。畑の3チームで約1.8キロのヨモギを摘むことができ、ヨモギ餅作りに向けて準備を進めていきます!