【山小屋便り4月号】チームプレイで畑を動かす! ―― 畑のA、B、Cチームで春・夏野菜の手入れを進めています ―― 「【Aチーム】ホウレンソウに込める思い」 チームリーダー やよい

 美しく、整然と規則ただしく並んで植わっているホウレンソウ。まだ、本葉が出始めた幼い姿にも、堂々と誇りをあることが確かに感じられる。

 このホウレンソウの一株一株に沢山の人の思いが込められています。

 今年の春ホウレンソウは、吉畑奥と、吉畑下に2820株ずつ植わり、3段階に分けて、種蒔きされ、2枚の畑の合計で5640株植わります。

 2月1日、11日、23日の3回で種まきを行いました。この種蒔き予定日は、前年の春ホウレンソウの種を蒔いた日よりも、約20日早いです。今年は前年よりも、早く春がきて気温が上がることが予測されるため、それに合わせて、お父さんと相談し、種を蒔く日を早めました。

 私は3回ある種蒔きで、毎回リーダーを担当させていただきました。

 畝幅80センチ、畝間60センチで立てられた畝の上に、条間15センチ、株間25センチで1か所に2粒ずつ種を蒔きます。

 お父さんが提案してくださって、須原さんが作ってくださったお手製の物差しを使用し、種まきを行いました。この物差しは、赤と青と黄色のペンキが塗られており、5センチごとに色が変わり、この物差しを片手間隔を取るのです。とても使いやすく、作業の効率がぐっと上がりました。

 畝の前にしゃがんで、左手にバカ棒を、右手側にはふるいにかけられた覆土と、籾殻くん炭と、ケースに入った種を置きます。

 畝を手でさっとならして、バカ棒で条間の15センチをとり、3色ごとに人差し指で軽く3ミリ程度へこませます。そこに、直径2ミリの種を2粒ずる置いていき、次にまりのちゃんがふるいにかけてくれた、粒子が細かいサラサラの土をかける。そして、その上に人差し指、中指、親指でつまんだ籾殻くん炭をさっと土の表面が見えるか、見えないかくらいの薄さで蒔く。

 発芽した種は、サラサラの覆土の中で発芽し、上にある籾殻くん炭が水分を吸収しやすく、そして保温をしてくれるのです。

 カラフルな新アイテムのバカ棒を使用したことで、種をまかれた間隔がきっちりとそろっていて、規則正しく美しく蒔かれたあとがとても、気持ちよく感じました。

特製の物差しを使用することで、苗の定植も格段にスピードと正確さが上がりました

 今回、3回ホウレンソウの種まきを行って分かったことがありました。それはホウレンソウの種に種蒔きメンバーの気持ちが伝わって、影響されるということです。

 私は、種蒔き作業の空気感がよいと思った第1弾は97パーセントの発芽率で、発芽率が高く、時間がなく、人数が少ない中で行われた第2弾の発芽率は90パーセントに落ちました。第2弾を蒔いたときは、私自身とても焦っていて、声かけなどのリーダーシップが荒くなってしまいました。その空気感を種が感じ取ったと思いました。

 第1弾は2粒蒔きでまいて、第2弾はお父さんと相談して、1粒蒔きに変えたのですが、発芽率が落ちたため、最後の第3弾は再び2粒で蒔くことになりました。

 そのお話をしたときにお父さんが、

「1粒でも、絶対にすべて発芽させるんだという気持ち。自分の届かないところで、神様に願うような気持ちで種を蒔けば、本当は全部100パーセントで発芽すると思うよ」

と教えてくれました。

 私は、その言葉に本当にその通りだと思ったし、2粒まきになったことを悔しくも思いました。

 だから、第3弾の種蒔きメンバーに伝えました。

「方法だけではなくって、1人ひとりが絶対に発芽しますように。と神様に願うような気持ちで蒔きたいです」

 第3弾は、後作の都合で、第1弾と第2弾を合わせた数を、1回の半日の作業で蒔かねばなりませんでした。種蒔きだけでなく、その後の水やり、不織布がけ、防寒用のビニールがけも、昼食後の1時半から5時までの間で完結させるのです。そのため、人数は約20人いて、今までにない大人数の種蒔きでした。

 大人数で種まきをすることは今までほとんどなくて、繊細な作業なだけに、適切な覆土の量、穴をあけるへこみ、方法を統一させることが難しいだろうなと覚悟して挑みました。

 その日は、よく晴れた種蒔き日和でした。作業の雰囲気は静かだけれど、その場にいるみんなが時間と質を意識し、集中していて、黙々と種を蒔いており、とても空気感がよいと思いました。これだけの人数で蒔いているけれど、見回って、それぞれのメンバーが、どのように蒔いているか確認しても、方法が統一されていて、すごいなと思いました。

 種蒔きメンバーには、まりのちゃんや、まりこちゃん、ふみちゃんなど普段から種蒔きに入っている人と、お仕事組さんと、はじめて種蒔きの作業に入る人もいました。

 種蒔き開始後から約1時間が経つと、同時並行で高低差を使っての水やり、不織布がけも進めていきました。この280平方メートルという畑で、約20人のみんなと、種を蒔き、水やりをし、不織布をかけて、ビニールをかける。1人ひとりに役割があり、一大プロジェクトのようにも思えました。その場には一体感が確かにありました。

 種蒔き1人ひとりが本当に発芽させたいという思いで、真剣に種を蒔いており、とても嬉しかったし、この作業のリーダーをさせていただいたことがとてもとても嬉しかったです。

 第3弾の種蒔きは最後の防寒用ビニールがけまで、5時7分前に終わることができました。

「終わった!」と思ったとき、ふと顔を上げるとみんなの顔が笑顔で、達成感に包まれていました。種の中にまだ芽を出さずにいるホウレンソウの遺伝子も、この達成感を味わう私たちの気持ちを感じたはず。「発芽して欲しい」という気持ちを感じたはず。私は、今日蒔いたホウレンソウは間違いなく発芽すると思いました。

3月下旬には、ほぼ100パーセント発芽しました

 発芽するまでは雨の日以外で、毎日水やりを行いました。お父さんが考えてくださった方法で、吉畑奥にタンクを設置し、そのタンクの蛇口にホースをつなぎ、ホウレンソウ第3弾が植わる畑まで引いています。このホースのさきにはキャップが備え付けられており、そのキャップにヘッドをつなぐことで、高低差でスムーズにちょうど良い圧力の水の出で水やりを行うことができます。ホースは分岐しているので、2人で水やりを進められます。タンクに500リットル補充をしてあれば、軽トラも、ジョーロも必要なくて、人が2人さえいれば水やりをすることができます。

 約1週間ほどすると、一斉に畝から芽が出始めました。殻を破って、か弱く細い芽が地上に芽生える姿にチームのみんなと喜び合いました。

 私は、まっすぐに立てられた畝に、規則正しく、整然と、芽生えているホウレンソウを見ると、そのホウレンソウの一株一株に、そのときどきの作業に関わったメンバーの思いが込められているのだと感じて、感動します。

 第1弾は4月1日に収穫がはじまる予定です。チームのみんなと協力して、見守っていきます。

 

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Aチームはハウスでシュンギクやセロリなども育てていて、どれも大成功です!

崖崩れハウスで育てている、コマツナも順調に成長しています