【山小屋便り4月号】「仲間のなかで築いてきた道、進んでいく道 ―― なのはなファミリーで大学受験を終えて ――」 まゆみ

なのはなの毎日のなかで受験勉強を積み重ね、試験に臨みました

 私は勉強しながら、勉強だけでは得られない大切なことを忘れないようにしよう、と思ってきました。その「大切なこと」を、この記事を書きながら、上手く言葉にできたら良いなと思います。

 一昨年の4月、縁あって林野高校に転校しました。通学には、原付バイクを使いました。卒業生のりかちゃんも乗っていた「MINT」です。片道25分の道のりを、雨の日も風の日も、根気強く走ってくれました。

 学校に通う中で1番難しかったのは、気持ちの切り替えです。道路を走りながら、学校の気分となのはなの気分を入れ替えました。行きは安心できる家を離れるから寂しいし、帰りは自分が上手くなのはなの空気に戻れるかという点で怖いです。

 しかし、どこへ行っても守られている感じはずっとありました。すぐ側に家族のみんながいます。何があっても安心して帰ってこられる場所があるから、極端な話、何も怖いことはありませんでした。

 その年の10月頃、学校から帰ってくると、みんなが体育館でダンス練習をしていました。玄関に向かう途中、グラウンドで思わず立ち止まりました。

 体育館の強い光の中で、みんなが大きな生き物のように動いていました。丁度『グレイテストショー』の最後のサビの部分でした。扉のガラス越しに見ても迫力があったのは、人数のせいだけではないと思います。

 驚きました。その空間の中で、そこだけ切り取られたようでした。みんなが同じ方を向いて、1人ひとりが確信を持ってポーズを取っていました。

 学校から帰った直後の私にとっては、不思議な光景でした。夢を見ているようでした。その後、もう1曲『ディス・イズ・ミー』が終わるまで、ずっとその場に立ち尽くしていました。

 なのはなはいつもそうだと思いました。みんなが同じ方向を向いて、同じ目標に向かって全力で取り組んでいます。その真剣な表情や、真っ直ぐ伸びた指先を見ていると、こんな自分が恥ずかしくなります。はっとして背筋が伸びます。

 リビングに入ったら、いつものみんながいました。お父さんが質問に答えてくれて、洗いものや朝食の準備をして、ダンス・コーラス・演劇練習、舞台背景やグッズの製作。古吉野のどこにいても歌声が聞こえて、体育館は消灯まで明かりが消えなくて、消灯後も寝ながらにしてアンサンブル曲を口ずさむ人がいる。全て日常の一部だけれど、決して当たり前のことではないと思いました。

 誠実であること、前向きであること、プランを立てること、手を抜かないこと、最後まで諦めないこと、利他心で動くこと。

 これは、何をしていても同じです。野菜切りの人手が足りなかったら、掃除が早く終わった人が次々と応援に来てくれます。フルマラソンに向けてのランニングでは、みんなの流れがあるから毎日走ることができます。草取りや土寄せは、自分が間に合わないところを、気がつかないうちに隣の人がカバーしてくれています。

 みんなで1つのことに向かって、難しいことも一緒に苦しんで、達成したときは一緒に喜びます。そういう空間が私も大好きです。家族以上の仲間です。

■守られている

 受験勉強も、みんなの中だから乗り越えられたと思います。

 私は、日中みんなが外に出ている時間より、夜、1年生教室で勉強するのが好きでした。1年生教室では、スタッフさんがパソコンに向かっていたり、畑のリーダーさんが作業の相談に来たり、誰かがハンドクリームを塗りに来たりして、いろいろな人と会います。みんなの目があるから、長い時間、机に向かっていられたと思います。

 結果より過程が大切だということも、お父さんから教えてもらいました。

 私は集中力を持続させるのが苦手で、一度切れてしまうと復活するまでに時間がかかります。上手く集中力をコントロールできなくて、なかなか勉強モードに入れない日が続くこともありました。

 数学ができない、地理ができないなどと私がこぼすのを、なっちゃんやまえちゃんがずっと聞いてくれました。試験日が近づくと、のりよちゃんがビビッと言って、頭をエアー充電してくれました。さやねちゃんが、私が気がつかないうちにそっと、合格祈願のお守りを机に置いてくれていました。

 受験当日、ベッドのサイドテーブルに収まり切らないぐらい、たくさんのお守りがありました。お父さんの時計、お母さんのシュシュ、さやねちゃんのそろばん型のお守り、のんちゃんのつまみ細工のお守り、なるちゃんの水玉模様の石、ゆりかちゃんのハイビスカスのポストカード、まえちゃんの髪飾りとネックレス。どこに行っても、なのはなの子としていたいと思いました。

 ずっと大きなものに守られていました。何か大きな流れに乗っている感じでした。合格してもしなくても、最終的にはなるようになると、その流れを信じることができました。

 こんなに幸せな受験生は世界のどこを探してもいないだろうと思いました。いつでも側に、家族のみんながいてくれました。私は1人ではありません。

土日は、畑作業やダンス練習など、みんなと一緒に活動しました!

 お父さん、お母さん、みんなに、ずっと背中を押してもらって、背筋を正してもらいました。自分だけでは絶対に乗り越えられませんでした。

 これから先、今までよりずっと大変なこともたくさんあるだろうし、まだまだ自分自身が人間的に成長しなければなりません。

「どこまでも謙虚に学び続ける」

お父さんが下さったこの言葉をしっかり心に刻んで、これからもみんなと進んで行きたいです。

 

** まゆみちゃんは、国立大学医学部に合格し、4月から進学します! **