「山畑下の開墾」 あやこ

4月14日

 2日を通して、山畑下の開墾に入らせてもらいました。小村さんが朝から来て下さって、小村さんに作業の仕方も、小村さんの作業をする姿も、教えていただきました。
 朝にメンバーが集まるとまず一度集合して、小村さんが、これからどういうふうに、何を進めていくかを話してくれました。1人は、ここの溝を開通させる。1人は落ちた笹をかき集めて、燃やせる山を作る、2人はノコギリを使って蔦を切っていく。これから何をして、どう進めていくかということを伝え、役割を明確にしてくれました。

 私は午前中の一番はじめの役割で、入り口の側溝を開通させる作業をしました。初めはのりよちゃんがやってくれていて、私が引き継いだのですが、ここの溝は、既に側溝だとわからないくらいに、土が地面を同じ高さまで埋まっていて、しかも根笹の根が張り巡らされていました。鍬とスコップと、あとは自分の腕力で少しずつ開通させていきました。根笹の根がビッシリと張っているので、1カ所を持ち上げると、全部に繋がっていて、土から根っこから、ベリベリと、まるで型をとった羊羹のように全てが繋がって持ち上がってきました。とは言え、固い根で全部が繋がっているので、持ち上げるのにも、途中で切るのも、一筋縄ではいかない感じだったのですが、だからこそ、開通したときはとても嬉しかったです。

 畑の下にある斜面の根笹を、小村さんがずっと刈り続けてくださいました。小村さんは、草刈り機をベルトを使わないで持っていて、とても力強かったです。斜面の下の方から上へと、約2メートル間隔ずつ終わらせていっていました。それを、自分たちが笹を集め、選別、縛り、運び、を繰り返していきました。小村さんが刈ってくれた約2メートルという小村さんの足元を、自分たちがまず綺麗にすること、広げないで少しずつ片付けていくそのやり方は、とても綺麗な仕事のやり方だと思いました。場所の確保もしやすいし、後が大変にならない、欲張らず確実に少しずつやっていくことが、結果的に一番早いのだと思いました。
 これは、私が台所に入ったときに、河上さんが教えてくれることと通じると思いました。シンクを逐一綺麗にすること、1つの作業が終わったら、その都度洗い物をすること。どんな仕事も、同じだと思いました。基本は、何も変わらないのだと思います。

 話を開墾に戻しますが、根笹を縛るときに、途中で絶対に緩まないリボン縛りのやり方も教えてもらいました。こういう縛り方1つ知ることも、自分にとっては嬉しいプレゼントのように感じます。
 午後も引き続き根笹の刈り取り回収、そして不要なものの燃やしをしました。途中、小村さんの田んぼの畦に座って休憩をしました。今まで、山畑には何度も行ったことはあったのに、ここがこんなに素敵な場所だと初めて知りました。拓けたこの場所は、川沿いにある桜並木も、道路沿いにある桃畑も、石生田んぼも、その向こうにある山々も、その上にある空も、全てが一望できる、それこそ『山畑』でした。いや、『山の上畑』と言ってもいいと思いました。とても気持ち良かったです。清々しかったです。大きく息を吸い込んで、体の中にある毒を全て吐き出して、きれいにしたくなりました。川沿いの道路を、竹取りで竹を載せた永禮さんのトラックが通るのが見えました。ここは石生全体が見渡せる、秘密のスポットだと思いました。

 余談ですが、小村さんは私たちのことを「姉ちゃん」と呼び、なおとさんのことは、「にいちゃん」「あんちゃん」と呼んでいました。そして、小村さん自身のことを「オッチャン」と言いました。「オッチャンの鎌とってきて」「オッチャンがやってやるけん」。
 何だか、その呼び方がすごく温かく感じました。よくお父さんが話してくれるような、昔の地域の人との関係って、こういう感じだと思いました。地域の人がいつも協力して、みんなで子育てをし、みんなで畑をする、そんな関係です。温かい、自分たちの求めるあるべき関係が、ここにあると思いました。