1月2日の夜19時。
リビングに集まった私たちが楽しみに待っていたのは、お父さん、お母さんのライブです。
ライブでは、お父さんが弾き語りをしてくれて、その隣でお母さんが合いの手を入れてくれたり、一緒に歌ってくれたり、曲と曲の合間には、お父さんとお母さんのお話が聞けます。
新年ライブは、お父さんに聞いてみようの拡大版、スペシャル版ともいえます。
ライブの1曲目は、『旅の宿』から始まりました。
曲が終わると、お父さんとお母さんが、私たちの質問に答えてくれます。
この質問は、事前に実行委員さんが、「今更聞けない日本の文化、歴史について」や、「今更聞けない社会常識」など、いくつかの項目に分けてアンケートを集めてくれていたものです。
■みんなの想いが重なって
最初の質問は、〝地球温暖化について〟でした。
『地球が温暖化しているのに、どうして誰も何もしないのか』
これは、前回のウィンターコンサートのなかでも、私たち1人ひとりが疑問に思い、向き合ってきたことでした。
お父さんが、脚本の中で私たちに示したくれた答えは、モラルの崩壊が深く関係しているということでした。
そしてここでも、お父さんは、同じことを教えてくれました。
『人間が優しく生きていると、地球は喜ぶ。しかし、人間が強欲になり、我が儘邦題になり、モラルをなくすと、地球は怒るんだ。−−(中略)−−地球がそんなこと許すはずがない。人間に天罰が下るだろう』
劇のなかでの、ダ・ヴィンチの台詞です。
地球温暖化はどうしてこんなにも深刻化していったのか、そしてそれを誰も本気で止めようとしないのか、その答えの全てが、この台詞のなかに詰まっています。
2曲目は、『大空と大地の中で』でした。
この曲は、リクエスト曲1位だった曲だったそうです。
やっぱり、みんなもお父さんが歌うこの曲が大好きなんだと嬉しく思いました。
お父さんが、「大空と大地の中で」と言い弾き語りを始めると、「おぉ!!」という歓声が上がりました。
みんなでお父さんお母さんと一緒に、大きな声で歌いました。
「生きる事がつらいとか、苦しいだとかいう前に、野に育つ花ならば力の限り生きてやれ」
お父さん、お母さん、そしてみんなの声が重なります。
みんなの想いも重なって、1つになって、お父さんとお母さんに背中を押されているような、自分たちが自分たちに向かって背中を押し合っているような、そんな気持ちになりました。
「歩き出そう 明日の日に、振り返るには、まだ若い」
そうだよ、過去を振り返って、立ち止まるなんてもったいない。私はまだまだこれからなんだ! と思いました。
■1番楽しかった質問
力が湧いてくるのを感じて、前だけを見て、進んでいこうという強い気持ちが沸き上がってきました。
私が1番聞いていて楽しくなった質問は、〝お父さんが校長先生だったら、どんな学校を作りますか〟という質問です。
お父さんの話を聞いていると、そんな学校があったらいいな、絶対に楽しいなと思いました。
もちろん最低限の勉強はするけれど、なのはなと同じように、畑などで植物や生き物に触れて、自分ではない誰かを演じて、思いっきり体を動かして、本気で遊ぶ。
クラスごとに1枚ずつ田んぼを担当して、お米を作るのも良いな。
毎日みんな一緒に生活する。学校が学校ではあるけれど、家のようでもある。お正月でも、お盆でも、学校に残ることもできて、みんなと思いっきり遊べる……。
お父さんの話を聞きながら、頭の中で想像していると、どんどん楽しくなってきて、そんな学校があったらどんなに良いかと思いました。
みんなもきっと、頭の中には、お父さんの作る学校が浮かんでいたんだと思います。全員がとっても笑顔でした。
気がつくともう22時。あっという間に3時間が経っていました。
とくに1度目の休憩から、2度目の休憩までの1時間半はあっという間で、その時間で歌えたのは2曲。たくさんの質問に答えてもらっていると、なかなか歌にたどり着きません。
お父さんのお話も、もちろんたくさん聞きたいのですが、弾き語りを聴ける機会は、日常では絶対にないことなので、本当に貴重です。
このままではほとんど歌わずに終わってしまいそうで、「お父さん、さっきの休憩から、2回目の休憩まで、2曲しか進んでないよ!」と言うと、お父さんは、「2曲しか歌ってないの!?」とびっくりしていて、全然気が付いていませんでした。
2度目の休憩が終わってからの2時間は、質問にも答えつつ、たくさん歌を聞かせてくれました。
お父さんとお母さんが今までに何度も歌ってくれている『いちご白書をもう一度』や、『少年時代』、『トンボ』など、私たちも大好きになっている曲を聴かせてもらって、一緒に歌ったりもしました。
■大好きな曲
もう23時が迫ってきて、いよいよ最後の曲。『ヒーロー』です。
この曲もみんながとっても大好きな曲。お父さん音ギターと歌声に合わせて、みんなも一緒に熱唱します。
お父さん、お母さん、そして私たち。お互いの間の空気感が、とても温かく、情熱的で、みんなで1つの生き物のように、一体になっていました。
鳴り止まないアンコールの声。
本当に最後の最後を締めくくったアンコール曲は『安奈』でした。
お父さんとお母さんのハーモニーがとても綺麗でした。
約四時間の新年ライブ。
私たちのウィンターコンサートとほぼ同じ時間、お父さんは、たくさんの質問に答えながら、歌い続けてくれました。
4時間が本当にあっという間に過ぎていき、永遠に終わらないでほしいと思うような、密度の濃い貴重な時間でした。
お父さんとお母さんのお話は、私たちにとっては、自分の心を育てるのにとても重要なことです。
仲の良い2人の様子や、みんなの暖かくて肯定的な雰囲気に、とても安心して、本当に居心地が良いなと感じます。
新年ライブの時間が、本当に嬉しくて、幸せでした。
2020年もお父さんお母さん、仲間を信じて、泥臭く、全力で突き進んでいきます。