「同じ方向を見ている」 ゆず

2月20日

お父さんの講演の一部として、みんなの中で演奏させて頂けて嬉しかったです。
自分にとっては久し振りの演奏で、みんなと合わせる機会も少ないままに迎える本番、1週間ほど緊張と薄らとした怖さが続いていました。本番を終え、少しほっとした気持ちです。
本番前の数日、リハーサルでお父さんお母さんに教えて頂いたことなどを、みんなから伝えてもらいました。
みんなでシンクロすること。真ん中で踊っている子が美しかった、すごかった、そう言ってもらえることが、成功。
動きを見せるのではなく、身体を見せる。ポーズを見せる。大きく踊る。
ステージに立った時点で、何もしなくても、既に見てくださる方々に勝っていなければいけない。
みんなの悔しさや、求めるものを感じると、緊張しました。みんなの中に自分が入った時に、その中の一人として、絶対にマイナスではなくプラスにならなければいけないと思いました。
お父さんの講演の前にする演奏。お父さんがお話しされることを、自分たちが演奏で示さなければいけないです。お父さんがお話しされる説得力の一つとなり、講演に繋げる良い演奏にしなければと思いました。
何もしなくても、見てくださる方々に勝つ。ステージに立ち見せる側として、そのさやねちゃんの言葉が心に留まりました。そうだ、上に立っていなければいけないんだと思いました。

演奏は、個人的には悔しいところがあり、けれど、お父さんお母さんのお話を聞いていると、全体として良かったのだと思いました。
その人の日々の心持ち、どれだけ自分を律し、誠実に生きているか。常に自分を律し、背筋を正して生きている人が踊るダンスは美しい。そうでなければ美しくない。甘さ、汚さがそのまま表れる。
さやねちゃんの姿が心に浮かびました。さやねちゃんの日々の姿が、そのままさやねちゃんのダンスの美しさです。今日の自分の悔しさは、日々の自分の甘さだと思いました。

みんなの中で踊り、表現させてもらえる時間が、かけがえのない、大切な時間です。どんな気持ちで生きていくのか。どんな心持ちで物事に向かい、日々を生きていくのか。良くありたいと求める気持ち。持つべき美意識。自分を律すること。甘さ、雑味、緩さ、不誠実さを捨てる。自分たちが生きる姿で示していくべきもの。広げていく価値観。
踊っていると、それらがはっきりします。日々の中で輪郭がぼやけてしまったり、目の前の物事に気を取られてしまいそうになっても、踊っていると、自分はどう生きていきたいのか、どう生きるべきなのか、映し出されます。みんなの中で踊ることが、表現することが、私には必要です。

『ザ・グレイテスト』を踊っていると、曲の始まり、動きの数は多くないのに、全力でやる、そのことが身体で実感としてわかる気がします。間奏で、みんなで一つになり踊る時みんなの息遣いを感じます。同じ気持ちの温度で踊っていることを感じます。それがとても嬉しいです。
『ネバー・ギブアップ』。私にとって、あかりの、れいこちゃんの、揺るぎのない美意識の曲です。その美意識故に感じる今の社会への憤り。美しく生きたいと求める気持ち。同じように苦しみ求めている仲間たちのために、自らが道をつくっていくという決意。遠くに広がる夕日に映る、自分たちの後ろ姿。りかちゃんの、熱く、涼やかな表情。その美意識。
私たちはきっと、そんなあるべき世界に、人が生きるべき世界に必ず辿り着く。そんな世界をつくる。

深い共感。私は、その共感に救われたのだと思いました。
なのはなに来て数日経った頃、お父さんと石生田んぼを散歩しました。今までどんなふうに苦しかったのか。自分が普通の人のようにできないと思うこと、苦しいこと。お父さんに聞かれるままに話しました。
私が言ったことに返してくださるお父さんの言葉に、ああ、やっと私は私のことを理解してくれる人と出会えたんだ、そう思いました。どんなに願っても出会えなくて、もうこの世界に自分を理解してくれる人なんていないんだ、そう思っていたけれど、やっと出会えた。諦めながらも諦めきれなくて、でも、ようやく出会えた、そう思いました。
電車で隣に人が座っただけで、ああ、私は見知らぬ人にぱっと見て避けられるような人ではないんだと安心する。そう言った私に、お母さんは、そうか、苦しかったんだね、そう言ってくださいました。集中ミーティングの作文書きをみんながしているリビングにいるのがつらい、そう言った私に、みんなの空気が分かるんだね、そう肯定してくださいました。ゆずがなのはなに来てくれて良かった、そう言ってくださいました。自分はその言葉にどれだけ救われただろうと思いました。
もうここにはいられない、つらい。そう思っても、ここからどこかへ行こうとか帰りたいとは思いませんでした。ここしかないと思いました。
今まで生きてきて、いつも周りの人から浮いている気がしていました。自分だけちがう、そう思っていました。感じていること、どこか自分は人と根本的にずれていて、いつも自分を偽っていなければいけなくて、本当の気持ちは誰にも理解されない、共感されない、そう感じていました。
なのはなに来たら、浮いている感覚が無くなりました。どんな些細なことでも、根本的なところで同じものを見ているからこその共感があります。
同じ価値観で生きていること。同じ方向を向いていること。よくありたい、真面目に生きたい、ちゃんと生きたい、人に良かれでありたい。
根本的なところで同じ方向を見ている。そんな仲間がいることが、どれだけ幸せなことか、どれだけ救われるか、どれだけ心強いか。外に出て色々な人と出会うと、感じます。
だからこそ生まれる深い共感があります。その仲間で表現した時に生まれる、大きな力があります。
みんなの中で成長して、もっと自分を深めます。気持ちに幅、奥行きをつけます。そうして、もっと深く共感できる自分をつくります。人の深さに届けるような自分をつくります。人を理解できる自分をつくります。
理解し、理解される関係を築きます。なのはなの価値観を広げていく人になります。