【山小屋便り2月号】「気持ちを込めて作る、14品のおせち」 つき

なのはなファミリーのおせちは特別です。皆で一品一品手作りをして、どんなおせちよりもたくさんの気持ちがこもった世界でたった1つのおせちです。

なのはなファミリーでは全部で14品作ります。お煮しめ、田作り、きんとん、カブの甘酢漬け、伊達巻き、たたきごぼう、黒豆の煮豆、かまぼこ、ぶりの照り焼き、エビの旨煮、紅白なます、数の子です。その他に料理のベースとなる〝お出汁〟と、お正月三が日用のおかずの一品となる、なのはなでは大人気の定番メニュー〝白菜サラダ風〟も作ります。チームで2品担当し、28日から30日の3日間で作りました。

■一品一品の意味

私のチームは、白菜サラダ風と伊達巻きの担当になりました。作り始める前に家庭科室で集まって、河上さんからおせちの意味を一品ずつ教えていただきました。全く知らない知識だったのでとても興味深かったです。今の時代、意味なんて考えもせず、とりあえずおせちを食べておく、というかんじですが、改めて考えてみると、日本人ならば本当は知っておくべきことなのかもしれない、と思いました。普通はなかなか知ることができない、でも大切なことを教えていただけて嬉しかったです。

河上さんが調理方法を教えてくださいました

28日は、材料の準備が主でした。河上さん直伝のレシピを元に、調味料も全て計って、すぐに調理に取りかかれるようにしました。伊達巻きは全部で8本焼くので、粉類は1回分をラップに包み、それを8個作りました。液体系の調味料は、河上さんのアイデアで、7回分は全部空きボトルに入れ、1回分はヨーグルトカップに入れて線を付け、作る時の計量カップにしました。そのアイデアが私にとってはすごく新鮮で、その場その場で柔軟に対応できる河上さんの知恵がすごいな、と思いました。河上さんにも助けていただき、材料準備は順調に進みました。

白菜サラダ風も伊達巻きも、日持ちがしないので、30日に2品とも作りました。午前は白菜サラダ風を作りました。なのはなの冬の定番メニューですが、おせち用ではワンランクアップして、27日にCチームで初収穫した人参と、盛男おじいちゃんからいただいた柚も入れました。最後に調味料と全ての具材を混ぜ合わせたとき、人参のオレンジと柚の黄色がとても色鮮やかで、お正月にふさわしい華やかな白菜サラダ風ができました。いつもいただいている白菜サラダ風がより一層美味しそうで、お正月三が日、皆でいただけるのが楽しみになりました。

卒業生で帰ってきてくれていた、ふみなちゃんと、みとみちゃんも手伝って下さり、初めて一緒に作業をできたことがとても嬉しかったです。仕事で普段から忙しい毎日を送っているのに、なのはなに帰ってきても積極的にいろいろなところで手伝ってくれて、とてもありがたかったし、温かい気持ちになりました。そんなふうにいつでも自然に、利他心で人のために動けるように私もなっていきたいです。

チーム外からも何人かヘルプにきてくれたこともあり、とてもスムーズに短時間で白菜サラダ風を完成させることができて嬉しかったです。

煮しめに入るニンジンは、花の形に飾り切りをしました

午後は、伊達巻きを作りました。個人的に、伊達巻きをなのはなファミリーで作るのは初めてです。伊達巻きは、上手くできたらすごく綺麗だし、焦げて失敗したら汚くなってしまいます。年始めに皆のおせちに入ると思うと失敗するわけにはいかない、と少し緊張していました。

■綺麗な焼き色

河上さんに教えていただいた、ヨーグルトカップで作った計量カップで、ほしちゃんとかなちゃんが調味料を計り、ミキサーで混ぜてくれました。卵と混ざると綺麗な薄い黄色になって、スポンジケーキを焼く前の生地のようでした。まるでお菓子作りをしているみたいでワクワクした気持ちになりました。

いよいよ緊張の〟焼き〟の工程です。初めに河上さんに焼き方を丁寧に教えていただきました。卵焼き用のフライパンにアルミホイル等で蓋をして、弱火で約20分程、じっくりと焼いていきます。時々様子を見てフライパンを動かしたり浮かせたりして、焦げずにまんべんなく火が通っていくように焼いていきます。これがすごく難しく、苦戦しました。中心部や上の方になかなか火が通らなくて、焦げ気味になってしまい、ひっくり返してフライパンから取り出す時に、大変になってしまうこともありました。でも、剥がれてしまわないように、フライ返しで少しずつ丁寧に慎重に剥がしていき、なんとか許容範囲で仕上げることができました。そんな失敗もありつつ、回数を重ねて焼けば焼くほどコツを掴んでいきました。フライパンをひっくり返して綺麗な焼き色が見えたときは、チームの皆の、「ワー!」という歓声が起こり、小さな感動の瞬間でした。焼き上がった後は、ほしちゃんとかなちゃんがすのこできれいに巻いてくれました。上手く焼けるようになってきたところで終わりになってしまい、心残りもありましたが、無事に8本全て焼くことができて嬉しかったです。

すのこで巻いて両側を輪ゴムで留めたら、夜まで置いておきます。そして夜、冷めた頃に乾燥しないようにすのこから取り出し、ラップに包んでおきました。

31日の朝、完全に冷めた状態で1本を10等分にカットしていきました。焼く時も緊張しましたが、最終段階のカットもすごく緊張しました。数にあまり余裕はないので、1つも失敗を出さないように、まみちゃんを中心に慎重に切っていきました。息を止めながら、同じ厚さでまっすぐに包丁を入れることだけに集中しました。生地がしっとりとしていて、カットしている時の感覚がとても気持ちよかったです。きれいに焼けたものと、少し焦げ気味になってしまったものは、明確に分かるようにそれぞれラップに包んで食管に入れました。きれいなものは、差し上げるお重や、お父さん、お母さんのお重に入っていたらいいなと思います。失敗もなく、8本全てカットまで終えることができ、伊達巻き作りは無事に終了しました。ちょっと苦戦してしまったところもあったので、少し安心しました。

■成長するチャンス

今回、伊達巻きを作っていく中で、学べたこともたくさんありました。フライパンをよく温めること、油をフライパンの側面までしっかりと敷くこと、火加減を常に気にかけること……焦って何か1つでも抜けてしまうと失敗に繋がります。常識で当然のことですが、改めて1つ1つ丁寧に適度に調節しながら調理することが大事なことをすごく実感しました。また、予定よりも長く時間がかかってしまったので、準備や段取りをもっと確実に立てて、スムーズに進められたらよかったな、と思います。どの点も、料理に限らずどんな分野の仕事でも応用できることで、お父さんがいつも教えてくださるように、作業は違えど何事も心がけること、注意することは共通するのだと思いました。なのはなファミリーにいると、畑でも、当番でも、普段からいろいろな役割を与えてもらえるので、1つの仕事で学べたことや習得したものを他の分野にも生かしていける機会がたくさんあります。成長できるチャンスがたくさん溢れているなのはなファミリーという場所にいられることが本当にありがたいです。

■世界に1つのおせち

31日は、お重におせちを詰めました。それぞれ完成した14品が食堂に集結し、小さなお重にバイキングのように詰めていきます。それぞれ作ったメンバーは違うけれど、14品のどれかは絶対に1人ひとり携わって作ったものなんだな、と思うとすごいことです。それだけで嬉しくて、暖かい気持ちになりました。また、卒業生のひろちゃんも手伝ってくれていて、皆の中に自然に溶け込んで笑顔を向けてくれたことがとても嬉しかったです。

詰め方に特に決まりはなく、それぞれ自由に詰めました。自分で詰めたものが誰に当たっても喜んでもらえるように、どうしたらコンパクトに、きれいに収まるかを考えながら、いろいろと試行錯誤しながら詰めました。時間を忘れてしまうほど夢中になってしまって、ワクワク感があり、とても楽しかったです。最後には、銀杏やなんてんの実も飾りました。それだけでグッとワンランクアップしたような豪華さが出て、本格的なおせちになりました。皆が詰めてくれたお重が並んでいる光景は圧巻でした。1つ1つ違っていてじっくりずっと見ていたくなるほどでした。皆の気持ちもこもったおせち、世界一暖かくて特別なおせちです。

おせち、完成!!

年が明けて2020年、元旦、朝食には皆で作って詰めたおせちと、手作りした出汁と、するめの出汁で作ったこの地域ならではのお雑煮が並んでいました。お雑煮のお餅も、なのはなファミリー産の餅米を使って、皆でついたお餅です。きんとんのサツマイモや、カブ、ごぼうは、今年大豊作で、立派で良質なものができました。そんな、自分たちで作った野菜やお餅で年始めのおせちやお雑煮をいただけるなんて、本当に贅沢です。皆が作ってくれたことを考えると、美味しさが何倍にも膨れあがって、本当に幸せだな、と思いました。

■楽しく和やかな空気

私のおせちもとてもきれいに詰めてくれてあり、嬉しかったです。食べるのがもったいないくらいきれいでした。隣の席だったまゆこちゃんのおせちは、とても可愛らしかったです。なんてんの実が何ヶ所かに点々と飾られて、きんとんや伊達巻きには刺して飾られていました。それは、りゅうさんが詰めて下さったおせちだったようです。さすがりゅうさん、ユーモアのある自由な発想ががすごいな、と思いました。いつも私たちを笑わせてくれますが、おせちでも笑顔にさせてくれる、りゅうさんの暖かさや優しさを感じました。

元旦の朝食と昼食におせちをいただきました

おせちを作っている他のチームの様子からも、すごく暖かい雰囲気がうかがえました。新しい子も含めて誰も取り残されることなく、皆で楽しく和やかな中、協力して作っている姿を見ると、なのはなファミリーにいる安心を感じられて、ほっこりした気持ちになりました。

毎年教えてくださる河上さんには本当に感謝です。各チームに付いて丁寧に教えてくださり、そのおかげで美味しいおせちを完成させることができました。河上さんがいらっしゃらなかったら、なのはなファミリーのおせちはできていないかもしれないです。年末30日まで私たちのために来て、教えて下さることに深く感謝したいと思います。

皆で協力して作ったおせちで新年を迎え、たくさんパワーをもえられたような気がします。今年も健康に、そして更に邁進していけるように頑張っていきたいです。