盛おじいちゃんに教えていただきながら、池上畑にある「オーロラ・ブラック」という品種のブドウの棚作りを始めました。
みほちゃんと私がブドウの担当になることが決まってから、ずっとやりたかった作業で、ようやく進めることができて本当に良かったです。
最初はブドウや棚作りの知識はほとんどなくて、どう進めばいいかわからない状態でした。柱をどこに立てたらいいか、枝をどう伸ばしたらいいか全くわからかったです。
本やネットで調べても、いろんな支柱の立て方や枝の伸ばし方があって、なにが池上畑ののブドウに合っているか判断するのがとても難しかったです。
■イメージ通りに
12月末におじいちゃんがしめ縄づくりを教えに古吉野に来てくださった時、棚について聞いてみました。
すると、盛男おじいちゃんは剪定や誘引、枝の伸ばし方など、ブドウのいろんな手入れの仕方について話してくださいました。
盛男おじいちゃんがいてくださることが、本当に心強かったです。
盛男おじいちゃんとブドウの見回りに行った時、驚きました。
盛男おじいちゃんは2本仕立てになっているブドウの株を見て、細い方の枝を根元から剪定しました。
ブドウの蔓が一気に1本仕立てになって、びっくりしました。
これでブドウの貯蔵養分が休眠中にも保たれ、春になると主幹の最短にある芽から新梢が勢いよく伸びると教えてもらいました。
剪定した枝はそのまま処分するのではなく、短く切り、接木にしました。3月になったら挿し木として植える予定です。
盛男おじいちゃんは、畑のあるべき姿のイメージを最初からもっていました。
支柱と支柱の間隔、枝を伸ばす方向、新梢からさらに伸びてくる副梢を何本何センチ伸ばすまで教えてくださいました。
盛男おじいちゃんのイメージ通りの棚を作り、それの根拠をほかの人にも伝えれるように、盛男おじいちゃんの一言一言をしっかり記録し、ファイルに記入しました。
棚の計画ができ、早速作戦実行にかかりました。
勢いよく伸びるブドウの枝と実を長年支えるために、今回、立てる支柱は合計22本です。
盛男おじいちゃんは、腐りにくいヒノキを支柱におすすめしてくださって、何人かで盛男おじいちゃんの山にとりに行かせていただきました。
盛男おじいちゃんがミニユンボでヒノキを移動させてくださり、それを私たちが高さ2・4メートルになるように切りました。
ヒノキを切り落とすと、とてもいい香りがしました。山の空気もとても新鮮で、気持ちよく作業ができてうれしかったです。
自然に触れると本当に気持ちが清らかになるし、自然を大切にしたく思います。
盛男おじいちゃんの山からいただいた木も、ブドウの未来に向けて大事に扱いたいと思いました。

■畑の景色が変わる
支柱立ては、まず池上畑の面積、縦と横の距離、そして傾斜の向きを考えて位置付けしました。
畑にはブドウが4株あり、株元と株元の間の距離は約6メートルあります。株の左右両側にはすでに丸太が2本づつ、畑全体で合計8本立っている状態でした。
これから伸ばす枝を支えるために立っている丸太の間に、さらに2メートルの間隔をあけ、木を立て加えました。
盛男おじいちゃんに教えていただき、全株が傾斜の上のほうに伸ばせるように支柱を立てました。
作業は、盛男おじいちゃんが教えてくださいながら、みほちゃん、のりよちゃん、私で進めました。
のりよちゃんが穴あけドリルを使い、どんどん支柱を立てる場所に穴をあけてくれて、そこに、みほちゃんとヒノキを立てていきました。畑の光景が変わっていくのを見るのがとても楽しかったです。
しかし、木はしっかりしている分とても重く、土を埋めるだけではなかなか固定できませんでした。
地道な作業でしたが、半日かけて穴を1つずつスコップでさらに深く掘り、土を少しづつ踏み固めながら重い石を加えて穴を埋めていきました。
その結果、支柱をしっかりすることができて、安心して枝を伸ばせる状態になりました。作業が終わった時の達成感がものすごくかったです。
池上から古吉野の帰り道でみほちゃんと一緒に見た夕焼けはこれ以上ないほど美しく輝いていました。
今後、進めていきたい作業は支柱と支柱の間のワイヤー針りです。約200メートル分の針金をつなげる予定です。それを終えたらブドウの棚は完成になります。
植物は本当に愛しくて、いつまでも作業がやっていたくなります。
これからもブドウのために手入れのノウハウを積み上げていきたいです。
なのはなのブドウの未来がとても楽しみです。