「第3弾味噌作り」 りな

2月9日~12日

昨日の午後から第3弾の味噌づくり準備が始まりました。まず、お米研ぎをしました。私はお米研ぎが出来ないので、なるちゃんと一緒に糀箱の準備などを家庭科室で進めました。まず、机や板にビニールを敷いて、次に糀箱を育苗機から全部取り出しました。麹箱には1つ1つ番号が振り分けられていて、大きい数字から熱消毒するために台所に持っていきやすく1番から出していきました。最初、大きい数字から熱消毒するのだったら、出すのも大きいものからだと思っていたけれど、そうすると一番上に積み重なっているものが小さい数字になっていて、大きい数字から取り出すのを苦労しました。

糀箱のおうちづくりもしました。おうちの骨組みは育苗機のような形で、屋根が丸くなっていました。これに、ビニールを2枚重ねて、さらに紺色の布や毛布をかぶせます。そして、天井にはちゃっかりペットボトルの煙突を2本立てました。中にきつねが入っている館みたいな不思議な雰囲気がありました。でも本当に可愛くて、ななほちゃんが前に言っていた「この中で住みたい!」がとてもわかるなあと思いました。中は温かそうで、糀が育っていくのがワクワクします。

味噌づくりに詳しいなるちゃんが一緒にいてくれてとても頼もしかったです。ゆりかちゃんが「なる・ヴィンチ」というと、こそっとなるちゃんが「レオなるド」と言って、うわあ! と思いました。偶然のようで必然なんじゃないかと思いました。

家庭科室では、第3弾のゆりかちゃん、のりよちゃん、るりこちゃんの他にまみちゃんやさくらちゃんもヘルプに来てくれてお米研ぎをしていました。ボールには、1升や2升の米が入っていて、とても驚きました。だれもかれも腰が入っていて、これは足腰が強くなりそうだなと思いました。だから、なのはなのみんなは相撲が強いんだと思いました。

熱消毒した糀箱をおうちに入れて、温度計も設置して、研いだお米を水に浸して8日はお開きになりました。

今日の朝は7時10分に集まって水切りをする予定でした。私は昨日の夜、7時に起きられるかどうか心配でなかなか寝付けなかったです。そのうちに、自分が家庭科室の前に立っていて、大火事になっている家庭科室を見ながら「糀がーー!」と叫んでいて、そこではっと起きました。ものすごく悪夢で、起きたばかりは今どこにいるか分からなくてぼーっとしました。でも、夢だと分かって、ほっとしました。これが予知夢ではないようにしっかり糀を育てなければと思いました。
家庭科室に行くと、もうみんな揃っていました。私はのりよちゃんとペアになって、台所の大なべで水を沸かしました。昨日の夜もざるを取りに台所にはいったけれど、やっぱり見慣れない所なので入る前は緊張しました。
大鍋は入ったすぐにあってすぐに見つかりました。思っていたのは、家庭用の大きな鍋だったのですが、実際には地面から生えている学校にありそうなものでびっくりしました。
中で朝食当番をしていたまみちゃんに火のつけ方を教えてもらいました。ガス栓とかがたくさんあって、理科の授業で使うガスバーナーの応用みたいで面白いなあと思いました。火を中に入れると、一気にボウっ! と火がつきました。
あともう一つ、驚いたことがあります。水を沸かす前に洗ったのですが、その洗った水を、横でのりよちゃんが大鍋をかたむけて地面に流していました。「のりよちゃんこんなことしていいの!?」と思って目が点になったけれど、誰も驚いた気配がなくて、こうして水を流すことを理解しました。だから、台所に入るには長靴をはくんだなと思いました。

朝食後は蒸米をしました。蒸籠に蒸し布を敷き、その上に水切りしたお米を入れました。蒸籠の取っ手の部分に養生テープを張り、蒸し始めた時間を書いたので、何分経ったかが分かりやすかったです。
マニュアルには、12分で蒸しあがると書いてあったけれど、12分経ってお米を触るとまだ硬くて、まちちゃんが「芯の強い女の子だね!」と言っていてとても面白かったです。

まだ言っていなかったですが、昨日の夜、糀の名前を考えて、メンバーのみんなに伝えました。その名も「米花(こめか)ちゃん」です。これは、糀という漢字からきました。これを伝えると、みんなが賛成してくれて嬉しかったです。これからみんなでプロフィールを考えたいです。
それから、れいこちゃんが、「米花ちゃんセンターで、アイドルグループ作りたいね」と提案してくれました。ありそうでなかった発想で私はとてもいいと思いました。ゆりかちゃんが、フラダンスのCDをかけてくれているので、フラダンスを踊るアイドルという設定だともっと面白いんじゃないかと思いました。今日の夜、グループ名と寸劇の内容を考えたいです。

お父さんの研修旅行を見習って、私達もドレスコードを少し取り入れました。まず、みんなバンダナの色を違う色にしました。れいこちゃんはピンク、のりよちゃんは赤、まちちゃんが青……みんなのイメージカラーです。全色使ったら、とてもカラフルになって、気持ちも高まりました。

種付けは、私の机ではゆりかちゃんがしてくれました。ゆりかちゃんが茶こしを振るとき、すごく丁寧で細かくて、凄いなあと思いました。ゆりかちゃんが「茶こしを横にスライドさせながら、縦に振るといいよ!」とのりよちゃんに言っていて、「こんな器用なことできるかなあ」と言っていたのが面白かったです。
冷却して、麹箱3つに分ける時、なぜか他の人の米糀が少ないように見えて、みんなもそう見えるらしく不思議だなあと思いました。「○○ちゃん少なくない?」、「そんなことないよー!」とか言いながらおすそわけあいっこをしていて、それがとても楽しかったです。
糀には耳があって、味噌づくりメンバーが楽しく作っていたらとてもいい発酵をすると聞きました。米花ちゃんは引き込みから10日の盛り込みぐらいまで、面白いぐらい順調に温度が上がっていきました。まえちゃんが食事のコメントで、「名前の通りに育つ」と言っていて、女の子だから穏やかなのかなあと思ったり、フラダンスのCDの効果もあるんじゃないかと思いました。粘り強く品温が上がっていくのを見て、お母さんのように育ってほしいなあと思いました。
引き込みから1時間交代で見回りが始まりました。私はのりよちゃんとペアでした。のりよちゃんが「りなちゃんと一緒で嬉しい」と言っていくれて、とても嬉しかったです。私は初め、温度を記録している間に0.1度でも上がったら「どうしよう!」とパニックになっていたのですが、のりよちゃんが大丈夫だよと教えてくれました。
見回りに行くといつも鍋のお湯を全取り換えしました。まだお湯はいっぱい溜まっているのになぜいつも変えるのか疑問に思い、ゆりかちゃんに聞きました。すると、新しいお湯と古いお湯では蒸気の量が違うことを教えてもらい、すごく納得しました。確かに、古いお湯が入っている鍋からはあまり湯気は出ていなかったけれど、ポットからお湯を出した時、一瞬でメガネが曇ったことを思い出しました。

1回だけ、入れ替えをさせてもらいました。入れ替えはスピード勝負で、私には向いていないかもと思ったけれど、してみるととても面白かったです。ビニールを開けた途端、熱気とキノコのクラムチャウダーのようないい香りが広がりました。下段を冗談に持ち上げる時がややこしいのですが、パズルのようで楽しかったです。

9日の切り返しは、セブンブリッジを抜けての作業だったので、作業中もセブンブリッジのことで盛り上がりました。前半の結果を聞いた後でした。最下位の黄色チームだったゆりかちゃんでさえ、「罰ゲーム見たかった」と言っていて、「抜けたらすごく人ごとだね」と突っ込んでいてとても面白かったです。切り返しをしているとき、声が聞こえてきて、「えっちゃんの悲鳴じゃない!?」と誰かが言いました。「黄色チームが罰ゲームだったんだ!」とみんなで笑っていたのですが、よく耳を澄ますとクロの鳴き声でした。

糀箱の布をはぐると、引き込みの時はポロポロだったのに、塊になっていて、お好み焼きのように一枚になっていました。布にも全然引っ付いていなくて、ひかり新世紀は味噌づくりに合っているんだなと思いました。そこから、れいこちゃんが「ひかり新世紀の光ちゃんは?」と提案してくれて、「米花 ヒカリちゃん」になりました。
混ぜている最中に手を離すと、お米1粒1粒が自力でぴくぴく動いていて、まるで生きて歩いているようでした。赤ちゃんが自分で立てるようになった時のような気持ちになって、嬉しかったです。
糀箱に蒸タオルや米粒がついてしまうとカビついてしまうので、引っ付かないようにしました。でもそれが難しくて、私はいつも一番遅かったです。これは、ゆりかちゃんがとても上手で、ゆりかちゃんをよく見てしました。

切り返し後から、音楽室に泊まって夜中の見回りが始まりました。私は音楽室の合宿を楽しみにしていたので嬉しかったです。切り返しが10時に終わり、私は11時の当番でした。この1時間は興奮して眠れなかったです。
音楽室は思ったよりも温かくて、とても安心しました。1時間ごとに各ペアのアラームが鳴るのですが、自分のアラームさえ1回も聞こえなくて、その日はのりよちゃんに毎回起こしてもらいました。のりよちゃんに起こしてもらって、その時は「まだ寝たい!」と思って布団に出るのが嫌なのですが、糀箱の温度をみて、手入れをしているうちに、ずっと見守っていたいと思いました。
ベストの31度から35度を保っていて、あまり暴れなかったです。

3日目の10日はとても寒い日でした。味噌づくりにはぴったりで、外気温が低いおかげで米花ちゃんも穏やかなまま盛り込みを行いました。麹は白い菌糸が点々になってさらに嬉しかったです。
家庭科室をでて、子供玄関から外を見ると、仰天しました。雪が積もって真っ白になっていたからです。のりよちゃんが、「雪合戦ができるかも!」と言っていて、したい! と思いました。
盛り込み後は、33度から38度をキープしなければなりません。日中の見回りが始まりました。最初の方は30度とか31度ですごく穏やかでした。もっと上がってほしいなあと思うほどでした。でも、1時間ごとに着実に上がっていきました。夕方に近づくにつれ、温度は38度を少し上回ってきました。
このころに1番手入れをします。盛り込みよりも粒が細かくばらけていたけれど、さらに発酵が進んでもう毛が出ていました。ほぐすときに、ほんのり手から温かさが感じられて、赤ちゃんを触っているような気分になりました。

ここからは1時間に4度ペースで上がっていく予想でした。だから、ここから電熱器を1つ切って、200w1つにしました。
でも、どんどん上がっていって、38度になる温度計が何個も出てきました。だから、入れ替えをたくさんしました。温度はこれ以上上がってはいけないのに、もっと発酵してほしいと思いました。

2番手入れは、夜の10時から始めました。すごく眠たくて、毎日10時に寝ている習慣がついているからだなあと思いました。もう古吉野の校舎の電気は消えているのに、私達だけ明るい部屋の中にいて不思議な感覚だったけれど、とてもワクワクしました。
2番手入れを始める前は確か38度ぐらいで、ベストだったと思います。布をはぐって糀の中に手を入れると、ポッカポカで気持ちが良かったです。

10日の夜が一番米花ちゃんのピークでした。私が夜中の2時に見に行くと、41度になっている温度計が右に2つもありました。左の電熱器をつけていて、右は切っているのになぜだろうと思いました。
この時に初めて扇風機が登場しました。でも、扇風機を回していても、少しずつ温度が上がっていく米花ちゃんがいて、情熱的でした。去年よりも糀菌が多いので、生命力が強くて、感動しました。

扇風機を15分間回して38度まで抑えることが出来ました。ドキドキしたけれど、普段穏やかな米花ちゃんが頑張っているんだと思って嬉しくなりました。
ゆりかちゃんが試しに右の電熱器をつけると、左の温度があがって、びっくりしました。あと、前回の記録も見させてもらって、いつも右が左より高くなっていて、気になるなあと思いました。
この夜は初めてアラームの音が聞こえました。のりよちゃんの携帯の音は、去年のレンジャー味噌づくりをイメージした曲らしく、聞いたことのないようなメロディでした。3時間がこんなにも一瞬なんだと思いました。
5時を過ぎたころに、米花ちゃんが41度に到達して、最後の仕舞仕事をしました。そ仕舞仕事で、糀を触るのは最後です。何だかとてもさみしい気分になりました。
仕舞仕事は、いつものナマコ型に集めるのではなく、糀箱の全体に広げて、味噌玉づくりでお馴染みの見た目になりました。ただ少し違うのは、花道と言って、3本川の字を書くことです。なぜ入れるのかは分からないけれど、「花道」という名前が今の米花ちゃんに合っていていいなあと思いました。
今のうちに、たくさん糀の香りを嗅いで、ほぐして、ふわふわの毛を近くでみて、撫でました。最後の糀箱が終わって、おうちに入れる時にふと考えました。。今日まで私1人で混ぜた糀箱はいくつかなと。数えてみると、30箱でした。30回も糀に触ったなんて自覚がなかったけれど、すごくたくさんだなあと思いました。でも、私は最後の最後まで1つひとつが一番最初に触った糀箱のようにドキドキしました。

仕舞仕事からは3度ペースで上がっていきます。でも、それと同時に自分で放熱するようになります。なんだか糀が思春期になって自立していくようで、少し寂しかったけれど、成長が嬉しかったです。出糀まではこっそりと見守りたいなあと思いました。

出糀は4時ごろから開始されました。私は、作業の予定で5時から出糀を進めてくれていたメンバーに合流しました。出糀とは、糀のおうちから糀箱を出して布をはぐって冷やし、発酵を止めることです。もう布をはぐり終わったところだったけれど、私達のためにメンバーのみんなが布をはぐらずに3枚ほど残してくれていました。その優しさが本当に心にしみるような気がしました。
布をはぐるときの感動は一言でいうと、娘のウエディングドレス姿をみたときのようなんじゃないかと思います。一番白くてふわふわに見えて、今すぐにでも触りたい気持ちになりました。とても心が満たされました。

味噌玉づくりの最終日、7時からゆりかちゃんとまちちゃんが黒大豆を台所で煮てくれていて、見に行かせてもらいました。すると、ちょうど黒大豆が煮えてきてアクが出ているところでした。ゆりかちゃんがおたまを使ってアクだけを上手に取っていて、取った後のアクが生クリームのようでした。
黒大豆は水をすって、2倍にも3倍にも膨れていて、巨大なシジミのようで可愛かったです。煮汁は薄紫をしていて、白い中身が染まっていて綺麗でした。
ゆりかちゃんが、強火にしすぎて豆を踊らせてしまうと、うまみが染み出てしまうことを教えてくれて、美味しく煮るのが難しいんだなあと思いました。でも、なのはな産の黒大豆なので、コクがあって粒が大きくて贅沢だなあと思いました。

台所にれいこちゃんが入ってきて、「替え歌ができました!」と、紙を渡してくれました。「フラガール」を替え歌した歌詞で、「味噌ガール」と題名がつけられていました。歌詞を読むと、これまで感じてきた米花ちゃんに向けての想いが一気にあふれ出てくるようで、これをみんなで歌いたい! と強く思いました。
なぜか電熱器を消したほうの温度が上がること、フラダンス曲の合の手をまちちゃんとのりよちゃんが歌ってくれたこと、私たちしか知らないようなエピソードがさくさく詰まっていました。
「糀に光を 果てしない味噌を 味噌樽に込めて 未来の仲間へ」
米花光ちゃんが3年後、美味しくなってみんなに食べてもらえるほど喜ばしいことはないなあと思いました。

9時から味噌樽づくりなのに、10分ほど前からななほちゃんがエプロンを着て、家庭科室に来てくれて、「楽しみ!」と言ってくれました。私はこれまで、味噌づくりメンバーさんに楽しませてもらう側だったので、楽しんでもらう側としてこの言葉はすごく心に響きました。
みんな続々と家庭科室に来てくれて、自分で開いたお店にお客さんがいっぱいきてくれたような嬉しさを感じました。そして、米花ちゃんとお目見えして、「ふわふわ!」とか、「可愛い!」と言ってくれて、自分のことのように嬉しくなりました。
味噌玉を作っているときも、みんな飛び切りの笑顔で、たまにおにぎり型があったりするのも嬉しくなりました。私もすこし味噌玉を作らせてもらって、黒大豆はこんなにもしっとりしているのかと驚きました。オレオアイスにも、大理石のようにも見える色で、綺麗でした。

樽の半分ぐらい溜まったところで、替え歌をみんなの前で歌いました。歌を聞きながら、笑ってくれたり、興味を示してくれたり、黙って、歌詞をかみしめてくれて、誰もが共感してくれました。第3弾のメンバーは6人だったけれど、改めて米花ちゃんはみんなの子供なんだなと思いました。

樽にはメンバーの名前と、糀の名前を書いた紙を貼りました。これが、3年後の仲間へのメッセージになるのだなあと思って、味噌樽が大きなタイムカプセルのようだなあ思いました。味噌樽の蓋を閉める時、とても寂しかったです。でも、周りにはたくさんの仲間がいて、笑顔で見届けてくれて、米花ちゃんもきっと笑っているだろうなあと思いました。だから、安心して閉めることが出来ました。

味噌樽づくりが終わって、ひと段落したところでなるちゃんが来てくれて、次は塩糀の仕込みをしました。黒大豆味噌で頭がいっぱいいっぱいになっていたので、米花ちゃんが塩糀になるのをすっかり忘れていました。どんなものにも変身できる米花ちゃんが凄いと思いました。
塩糀は、糀と塩を混ぜてプラスチック容器に入れ、水でひたひたにします。それを10度以上の場所で2週間置くと完成です。それまで、1日1回混ぜるそうです。ということは、まだ糀と顔合わせが出来るので、ラッキーな気分になりました。
塩糀は、瓶に詰めてストックし、お歳暮やプレゼントでお母さんが使いたいとおっしゃっていたことを聞きました。米花ちゃんがこんなにも出世して、みんなに食べてもらえるのが嬉しいなあと思いました。

家庭科室を掃除して、味噌づくりの面影が足早に去っていきました。私にとって味噌づくり期間は夢のようなもので、過ぎた後は本当に夢だったんじゃないかと思うほど早かったです。でも、確かにメンバーの中にはチームワークが作られていて、夢じゃなかった証拠になっています。これで今年の味噌づくりももう終わりです。
味噌づくりメンバーに入れてもらえたこと、未経験だった私に優しく色んなことを教えてくれたのりよちゃん、ゆりかちゃん、れいこちゃん、まちちゃん、るりこちゃん、そして米花ちゃん……感謝の気持ちでいっぱいです。