
なのはなファミリーのお父さん、お母さん、家族のみんな、たくさんの卒業生、応援してくださるたくさんの方々、いつか出会うまだ見ぬ誰かのために。
税理士という資格を生かして、誰もが優しい気持ちを持ち寄って生きることができる、新しい世の中の仕組みを作るために。
私は、なのはなファミリーの子として、お父さん、お母さん、仲間とともに走り続けます。
2019年12月13日、お昼の出来事でした。
「一生のあいだに、こんなに素晴らしい日は、2回、3回もありません。
東の空と西の空から、一度に3人も天使が下りてきたみたいに、素晴らしい報せが届きました」
「本当に、胴上げをしたいくらい、嬉しいよ」
お父さん、お母さんがみんなに話してくれました。
この日、第69回税理士試験の合格発表がありました。
なのはなファミリーのさやねが、5科目目の消費税法に合格し、税理士試験に合格しました。
国税審議会から合格証書が届き、お父さん、お母さんと封筒を開きました。
いまは、家族のみんなが集まるリビングに飾ってあります。
その美しい証書に書かれた「宮下 さやね」という名前は、「なのはなファミリー」です。
■駆け抜けた日々
この夏、私は税理士試験を受験しました。
お父さん、お母さん、みんなと駆け抜けた日々の集大成の1日でした。
受験会場に着いて、私は、間違いなくここにいる誰よりも、この世界にいる誰よりも、強く、幸せな受験生でした。
私は、お父さん、お母さん、なのはなファミリーでした。そして、私ではなく神様が、私の身体を借りて、税理士試験を受験しました。
私は、なのはなファミリーの子として、お父さん、お母さん、村田先生、なおちゃんと、家族のみんなと勉強をしました。みんながずっとそばにいて、応援してくれて、一緒に勉強をしてくれました。

勉強は、お父さんが教えてくれました。
「税理士の資格は1つの武器。この資格を生かして、税務の面から、新しい世の中の仕組みを作るんだ。大志を抱くんだよ」
お父さんは言いました。
お父さんは勉強のやり方を教えてくれました。私はお父さんの言うとおりに勉強をしました。
お父さんは法律の意味を教えてくれました。税法を作った人の気持ちを理解して、お父さんが見ているあるべき法律を私も見て、答案用紙に書きました。
税理士試験は、競争試験です。上位10パーセントの人しか合格できません。会計学の2科目と、税法の9科目のうち3科目の、合計5科目に合格して、はじめて合格者になります。ただ、本当は、一度も競争をしませんでした。
お父さんは教えてくれました。
「税理士試験は、人を試そうとしているのではなく、ただただ自分の力を尽して、まだ見ぬ誰かのために生きたい、そう志す人をすくい上げるための試験です」
だから私は、税理士試験を受験させてもらえることが嬉しかったです。

なのはなファミリーのボーイングチームとして、ずっとなおちゃんの背中を見てきました。なおちゃんは私の希望でした。なおちゃんはずっと隣にいてくれました。
日商簿記1級の勉強が難しい、と行き詰まったとき、
「演習講義、はじめは難しいけれど、何度も繰り返し解いていると、最後には何よりも力強い仲間になりました。私も試験が難しくても、今できることを精一杯してきます。場所は違ってもお互いがんばろうね」
そう手紙をくれて、なおちゃんは模擬試験を受けるために香川に出発しました。
はじめて税理士試験を受ける夏、なおちゃんと一緒に本試験会場の香川に行きました。
なおちゃんとバスに乗って、電車に乗って、サンメッセ香川に行きました。
ここが本試験会場だよ、なおちゃんと一緒に見ました。それから一緒にうどんを食べて、本試験の前日に泊るホテルに行きました。
一緒に模擬試験を受けて、そのあと自転車を借りて、なおちゃんが栗林公園に連れていってくれました。ずっとなおちゃんの背中を見て、なおちゃんについていきました。なおちゃんはなおちゃんのすべてを、私に教えてくれました。
暑い夏も、寒い冬も、朝も夜も、フルマラソン大会、田植え、サマータイム、ウィンターコンサート、紅白歌合戦、心の傷を解決するミーティング。なおちゃんはずっと変わらずに、なのはなのみんなのなおちゃんとして勉強をしました。私はずっとなおちゃんの背中を見て勉強をしました。

なおちゃんは税理士になりました。なのはなのみんなの希望として、仕事をしています。場所は離れても、なおちゃんは同じボーイングチームとして、ずっと一緒に勉強してくれました。
私は、最後の1科目、消費税法を受けました。
お父さん、お母さん、みんなが送ってくれました。本試験会場に向かうとき、とても強い雨が降っていたけれど、雨が止みました。お父さんが止ませてくれました。
私の心のなかには、お父さん、お母さん、なのはなファミリーのみんながいました。私はなのはなの子として、正々堂々、税理士試験に挑みました。
■まだ見ぬ誰かのために
お父さん、お母さん、家族のみんな、応援してくださるみなさんの力です。言葉にするのは簡単だけれど、ただ、感謝しています。
税理士試験の勉強という手段をくださり、ありがとうございます。
生きる使命をくださり、ありがとうございます。
ずっと信じて、待っていてくださり、ありがとうございます。
ずっと応援して、一緒に走ってくださり、ありがとうございます。
とても未熟で、たくさん迷惑をかけてしまっても、信じてくださり、待っていてくださり、税理士試験の勉強という手段をくださり、摂食障害から立ち直り、希望を持って生きてゆく使命をくださり、ありがとうございます。
お父さん、お母さん、家族のみんな、応援してくださるみなさんがいるから、今、私は生きています。
「おめでとう。希望です」とみんなが心から拍手をして、喜んでくれることがただ純粋に嬉しかったです。
お父さん、お母さん、家族のみんな、たくさんの仲間の、なのはなファミリーの気持ちを、合格という形で表現できたことが、嬉しかったです。
みんなの幸せな笑顔に包まれて、私はこのために生まれて、生きていくんだと思いました。
どうして生まれてきてしまったのだろう、どうして神様は私ばかりをこんな目に遭わせるのだろう。人生に絶望して、人としての心を捨てて、人生を捨てて、ここにたどりつきました。お父さん、お母さんが、私を拾ってくれました。
お父さん、お母さん、家族のみんなが、受け入れてくれました。ずっと1人だった私に、家族ができて、家ができました。
みんなと一緒に生活して、税理士試験の勉強をさせてもらって、自分が生まれた意味を知り、生きる意味を知りました。
私は、なのはなファミリーの希望になるために生まれてきました。私は、まだ見ぬ誰かの希望になるために生まれてきました。
私は生きて、なのはなファミリーの希望、まだ見ぬ誰かの希望になるから生きます。
お父さん、お母さん、なのはなの家族、たくさんの卒業生、応援してくださるたくさんの方々、本当にありがとうございます。
いま私はスタートラインに立っています。なのはなファミリーの希望、まだ見ぬ誰かの希望として使命を果たします。これからもどうぞよろしくお願いいたします。