なのはな味噌のこだわり

なのはなファミリーだからこそできる味噌作り。
素材、マニュアルの構築、道具……、
自分たちで作り上げ、
受け継いできた味噌作りのこだわりを紹介します。

 

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【なのはな産の素材】

5月初旬、
手植えと機械植えで、田植えをします。
手植えでは水糸を引き、掛け声をかけながら
1列ずつ進めていきます。

 

なのはなファミリーの味噌作りは、
米糀作りから始まります。
米糀を作るお米もなのはな産です。
播種、苗の水やり、田植え、
草取り、水管理、そして稲刈りと、
みんなで育てて収穫したお米です。
そのお米に糀菌を繁殖させ、米糀を作ります。

 

9月上旬、
黄金色の田んぼの上をトンボが飛び交う季節。
手刈りと機械刈りで稲刈りをします。
1株1株、みんなで刈っていく喜びを感じます。

そして、一緒に仕込む白大豆、黒大豆も
みんなで育てたものです。
年が明けると、
味噌作りに向けて大豆を選別するのが
恒例の行事になっています。
こうしてみんなで育てた
お米や大豆を使って味噌を仕込んでいます。

大豆の土寄せは
6〜7月にかけて行います。
かまごこ型の畝をイメージして
土寄せをしていきます。

大豆の追肥は、
みんなでバケツリレーをします。
「はい!」「はい!」
という声を掛け合いながら
チームプレイで行う バケツリレーが
みんな大好きです。

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 【米糀の命 糀菌】  

今シーズンは「BF1号菌」という
米味噌用の糀菌で糀を作りました。
糀菌は、毛足の長さや増殖のスピードなどで、
いくつかの種類があります。
「BF1号菌」の特性は、
毛足が中長毛、増殖が穏やか、
香りが良い、純白と説明されています。

毛足というのは糀を作る過程で
体感することができます。
糀菌の繁殖が進むと
お米がモコモコしてきて、
目がぼやけているのかなと感じるほどで、
1粒手に取って見ると
毛が伸びているのがわかります。毛が伸びてくると
糀菌が繁殖していることがわかり、安心します。
いつもかけている布巾をはぐるのが
楽しみな瞬間の1つです。

〈種付けの翌日の米糀です〉

 

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  【糀の家 味噌蔵】

〈毎日いただいているお味噌汁の味噌も、味噌蔵から定期的に取り出しています。 ラベルに記載してあるメンバーには、卒業生の名前もあります〉

 

なのはなファミリーでは、
年間750キロの味噌を消費します。
みんなで食べる味噌を
すべて自分たちの手で仕込むとなると、
年間で100型の大きな漬物樽が
10個分(1樽が約80キロ)の量になります。

1番に困ったことは、味噌樽を置く場所、
仕込んだ味噌を熟成させる保管場所でした。
お父さん、お母さんと相談して、
新しく家庭科室の裏に味噌蔵を作りました。

また、熟成するのに
最適な温度(20度〜30度)を維持できるよう、
エアコンも設置しました。
寒くてマイナスになるような冬は暖房をつけて、
暑くて30度以上になるような真夏は冷房をつけて、
温度管理ができる味噌蔵です。

この味噌蔵で管理した味噌は、順調に熟成して、
今では2年〜3年経つと、
美味しいお味噌を食べることができます。

〈4日間、米糀を繁殖させる糀箱や育苗機もオリジナルのもので、毎シーズン、道具も受け継います〉

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 【チームプレイの記録表】

〈記録表には、次の見回りのペアへ、素敵なメッセージが記載されていることもあり、チーム内の繋がりも強くなっていきます〉

 

糀作りは、温度と湿度の管理が大切です。
3ペアで分担し、
1時間置きに見回りに行って環境を整えてやります。
そのときに欠かせないものが『記録表』。
糀自体の温度、糀室の湿度等を記録して、
かつ、そのときに行ったことや、伝達事項を書きます。

「小鍋のお湯を足しました」
「左電熱器を200wに下げました」
「33℃に達したら、右電熱器を切ってください」

時系列で、状況や行ったことがわかること、
次に行うことの判断基準等を共有して、
チームプレイで糀を見ていくのです。

それだけでなく、困った時は今までの記録表を見て、
前回はどう対処したのか、
同じ時期に行った時はどうだったのかを
参考にして考えることができます。
記録表は、私たちの心強い財産です。

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    【受け継がれるマニュアル】  

誰が作っても、
同じ質で奇麗な米糀を
作れるようになるために、
1つひとつの工程を具体的にして、
マニュアルにしました。
今の味噌づくりの基本となるマニュアルは
なるちゃんとたかこちゃんが
作ってくれくれました。

糀菌をまぶして育苗機に引き込んでからは、
米糀作りのメンバーで
担当の時間を決めて1時間おきに見回り、
温度や湿度管理をしていきます。

次に見回る人へ引き継ぐため、
そのときの糀の品温や外気温、
どう対処したかを紙に記入します。
引き込みから出糀まで
1時間おきで糀の様子がわかり、
その記録はそのまま糀のストーリーとなり、
またなのはなの財産となりました。

 

〈手入れを行う家庭科室にも、マニュアルが掲示してあり、メンバーで手順や目的を確認してら手入れを行います〉

 

 その記録から、
米糀の温度が時間とともにどう変化するか、
そのときどうするのが一番いいのかが、
およそ見えてきました。
そうしてマニュアルとして
形にすることができました。
今はそのマニュアルに沿って米糀を作っており、
安定して質の高い米糀ができています。
これも、なのはなファミリーで
米糀作りが始まってから、
試行錯誤しながらやり方を
築いてきた土台の上にできたことです。

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   【除菌の徹底】

味噌づくりで最初に驚いたことは、
いかに糀菌は納豆菌に弱いかということでした。
米糀作り2日前に食べた納豆が原因で、
糀が上手く繁殖できないことがありました。

糀屋さんは、
一生、納豆を食べることができないと
聞いたことがありましたが、
実際に糀を作って、
初めてそのことを実感しました。
菌は目では見えないからこそ、
徹底して除菌しなければいけないのだと知りました。

今のなのはなの味噌づくりでは、
糀作りを始める1週間前から、
納豆を食べることをやめて、
味噌づくりが終わるまで、
全員が納豆を食べないことにしました。

また、米糀作りをする部屋の掃除、
使う道具の除菌などをマニュアル化して、
米糀作りに関わる人は、着る服も気を遣い、
絶対に菌を持ち込まないことを徹底して、
今の糀作りに繋がっています。

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味噌蔵で約3年間、熟成さた味噌は、
毎日の食卓に欠かせません。
お味噌汁は、みんなで育てた
野菜を具材にしています。
具材の美味しさをさらに引き立てたり、
おかずに風味を加えたり……、
味噌が幅広い種類の料理で活躍しています。

 

 

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