味噌の糀古吉野くんのおいたち2

 

  【2日目】 

④水切り  ⑤蒸米  ⑥冷却
⑦種付け  ⑧引き込み  ⑨切り返し

  ○ ○ ○

【④水切り】

前日から浸漬していた米を、朝一でザルに上げて、十分に水切りをします。
水切りが悪く、米に水がついていると、その部分がべたつき、蒸しが均一になりません。

 

○ ○ ○

 

【⑤蒸米】

蒸米は米を蒸すことで、米についた雑菌類を殺菌して、
糀菌を繁殖させやすくしたり、酵素の作用を受けやすくするために行います。

1回の蒸し時間は20分ほど。
「ひねりもち」と言って、ゆびで数回ひねり、
耳たぶくらいの柔らかさに蒸していきます。

浸漬や蒸米が不完全だと、糀菌の繁殖が不完全な「不良糀」になるので、
蒸米は芯まで蒸気が通るようにします。

 ○ ○ ○

【⑥冷却】

米が蒸し上がったら、種付けの最適温度26〜37℃(人肌程度)まで冷却します。
50℃以上だと、糀菌が死んでしまいます。

蒸米表面の水分を適度に蒸発させて、
米の外側がが硬く、内側が軟らかい蒸米にしていきます。
良い状態の蒸米に種糀をつけてやると表面がしまり、
米粒の内部に糀の菌糸がよく入った糀「突きはぜ」になりやすくなります。

 ○ ○ ○

【⑦種付け】

種糀を蒸したお米に散布することを言います。
糀菌の胞子が蒸米1粒1粒にまんべんなく付着するようにします。

「糀菌は1人で歩かない」と言われます。
納豆菌は粘りがあり、どこへでも移動しますが、
糀菌は自分で移動できないので、種付けの際にむらができると、
種糀の胞子が付着しない米粒には糀菌は生育できません。

種付けは蒸米のかたまりをほぐして、蒸米を1粒ずつの状態にする作業でもあります。
種糀が蒸米1粒1粒よく付着するように、蒸米のかたまりをよくほぐして、十分に攪拌します。

〈なのはな産のお米の1粒1粒が、米糀の住み家になり、4日間かけて繁殖していきます。 1樽約80kgに対して、6gの糀菌が繁殖して味噌になっていきます〉

 

○ ○ ○

 

【⑧引き込み】

蒸米を糀室(育苗機)の中に入れることを「引き込み」と言います。
種付けした米を、糀箱内でなまこ型に形成します。

糀室の中で、種付けしら糀菌の胞子が発芽して、菌糸が繁殖しやすい環境を保持します。
糀菌の繁殖最適温度は、31〜33℃。湿度90%前後です。
この環境下で、蒸米についた胞子は水分を吸収して発芽し、菌糸を伸ばし始めます。
菌糸の増殖にともない、熱と二酸化炭素を出します。
したがって、品温は徐々に上昇します。二酸化炭層を逃がすため、密閉しません。

【ここから、1時間おきに見回りを行います。
糀菌の繁殖に最適な温度、湿度を保っていきます】

切り返しまで、温度31〜33℃、湿度90%をキープ】

 

【こんな時は……】
○温度管理:基本→電熱器2つ、200W

温度を上げたい→電熱器2つ(400W)
温度を下げたい→電熱器1つ(200W)、毛布をはぐる、糀箱の入れ替えを行う
急いで温度を下げたい→扇風機をかける(最長10分)

 

○湿度管理:基本→90%前後を保っていきます。

電熱器2つの上に鍋を起き、お湯を入れた状態にする
湿度を上げたい→1時間ごとの見回りで、熱々のお湯に入れ替える
育苗機上部のペットボトルの蓋を1つ閉める
湿度を下げたい→育苗機上部のペットボトルの蓋を2つとも開ける
電熱器の鍋を1つに減らす、毛布をはぐる、糀箱の入れ替えを行う

 

○ ○ ○

【⑨切り返し】

引き込み後10時間経ったところで、
米粒をよくもみほぐして、全体によく混ぜます。これを「床もみ」とも言います。

米粒がくっつき合っている部分は、糀菌が繁殖できません。
糀菌を米粒にまんべんなく繁殖させるために、
米のかたまりをほぐして、全体を攪拌します。

このとき、種付けのときよりも、全体にうるみが出て、しっとりした状態になってきます。
べたつかなった状態を「さばけがよくなる」と言います。
再び、なまこ型に形成します。
全体に潤みが出て、米粒にわずかに白い斑点が見えます。

【盛り込みまで、温度31〜35℃、湿度90%をキープ。
盛り込みで36〜37℃にもっていきます】

 

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